読みたくなったぞ! 張愛玲さん。
 中国でブーム! 作家・張愛玲
 小説『十八春』 (別名「半生縁」)
 「半生縁」のポスター
 台湾の人気女優・劉若英
 小説『朗読者』
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| | 森羅万象
書く人のための文芸事情
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讀賣新聞朝刊(2/2)で中国の小説事情が紹介されていた。QBOOKS作者の多くの人はきっと読まれたことだろうが、そうでない人のために簡単に記しておく。 1920年代の上海や香港を舞台にした、作家・張愛玲(1920-95)の恋愛小説が、中国都市部の中産階級で人気を呼んでいる。映画やテレビドラマにつづき、長篇小説『半生縁』の演劇が香港や台湾で成功、北京でも上演された。『半生縁』は上海や南京を舞台にした、ある姉妹の恋愛模様と数奇な人生を細やかな心理描写で綴った悲劇とのことだ。張愛玲の小説はホワイトカラーやプチブルたちの気持ちを代表していると、中国の国家話劇院の孟京輝さんが分析している。同氏によると、張愛玲の作品はそれほど話題になることもなかったが、小説集出版の80年代後半以降、北京や上海の都市部で急速にブームとなり、90年代からはさらに盛り上がっているという。インターネット上では、「小説を読んでいるような深い味わいがたまらない」「彼女の作品は女性の魂」と、若い女性の熱狂的なメッセージが溢れているらしい。中国の経済事情と世相の流れにフィットしたということか。 特筆すべきは、この中国公演が3時間かけた「朗読」であるということだ。新聞による概略では、中国国家話劇院の俳優陣と香港の劇団監督の合作で、台湾の人気女優・劉若英さんが主役を演じている。音楽を交えながら、俳優とナレーターが張愛玲の原作を忠実に朗読するというものだ。 3時間である! テレビ観賞ではない。舞台である。どのような演出かは知らねど、それも「朗読」である。QBOOKSでも敢行し、またやろうではないかと巷で其所はかとなく囁かれているQ;drive、はたまたQ's BOOK朗読の会なのである。 ここのところ「朗読」は多方面で賑やかになりつつある。たとえば児童書や絵本の読み聞かせもその一つではないだろうか。お母さんたちが頑張っている。女優の森光子さんは、美空ひばりさんの歌詞を朗読して、DVDかなにかで出したともいう。これらそれぞれの朗読は朗読技法も演出も異なっているだろう。また、名作文芸の朗読テープというものもあって、それらもまた独自の朗読方法があることだろう。つまり、原作をとりあげようがオリジナルをであろうが、「朗読」は絵画や音楽や表現一般におけると同様に独自の表現方法として、その地位を強力に主張し始めたのではないだろうか。となれば、従来の朗読法に何ら拘泥することなく、全ての既存する表現手段と同様、その形態も技術も大いに千変万化、ナレーションという括りにとらわれることなく、押し進んでよい。 きみに読む物語、とかなんとかいう映画が上映されているし、海外小説ではドイツ文学の『朗読者』(ベルンハルト・シュリンク/松永実穂訳/新潮社)がアメリカで200万部を超える大ベストセラーになった。朗読は、深いのである。 以前、俳優の緒方拳さんがテレビでかなり長時間の朗読をやられた。ご覧になった人もいるだろう。しかし、あれは凄かった。手に汗握った。朗読の内容は筆者のなかでぶっ飛んでしまっていて、ただただ緒方さんの「読む行為」にハラハラとスリリングな思いをしたのである。とは、朗読自体に表現の独自性あるいは独立があるということではないだろうか。なぜならその朗読の素材はすでに既知のものであったからだ。ここにこそ、「朗読」の未来性を感ぜずにはいられないのである。そこの辺りを、QBOOKS詩人の佐藤yuupopicさん(空中海岸)は感得し、朗読の新道に踏み出されたのではないだろうか。そのユポさんがまたまたライブを予定しているのでここにメモしておく。
◇春節ライブ・パーティ◇ ■日時:2月6日(日) ■開場:16:00 開演:16:30 ■入場料:500円(軽食付き)+500円相当のプレゼント持参(プレゼント交換をしますのでご用意クダサイ)※ドリンクは別途500円〜 ■会場:ライブハウス『デボラ』03-3958-6191 ■アクセス:地下鉄有楽町線千川駅3番出口より徒歩1分、ドラッグストアの地下。豊島区要町3−11−3ラルジュ大映B1 ■お問い合わせ先:はおはおサトウ氏090-8509-9869 haohaosato@aol.com ■タイムスケジュール(予定) 16:00 開場 16:30 3355(サンサンゴーゴー/・60‘sロック) 17:00 グレープフルーツ・ムーン(オ洒落系ロック) 17:45 佐藤yuupopic(サトウ・ユウポピック/自作詩のリーディング) 18:00 フラメンコ&ベリーダンス 19:00 アンチノイズ(今年デビュー予定の有望新人バンド) 19:30 AO AQUA(癒しのウクレレ・サウンド) 20:00 ルビー・チューズデーズ(オヤジ×紅一点ボーカルの70‘sロック) ※プレゼント交換タイム※ 20:50 マイティー・アトム(USロックの王道☆ファミリーバンド)
そのような状況にあって打ち出されたのが、あのQBOOKS作家カピバラさん(噴火日記)の「Reading Happy!」企画であることは、もう説明するまでもないだろう。 "私たちは、『文章を朗読する』という行為を、もっと自然に楽しんでもよいのではないだろうか。例えば、歌を歌うように。例えば、落書きをするように。" そのように氏は軽やかな感覚で「朗読」を提唱する。そこに「日常としての朗読」がある。それもまた「朗読」の一つの在り方ではないだろうか。私たちは意味不明の"照れ"から解放されねばならない。そして魅力的な表現の一つを手にしなければならない。あなたが極めて自然に歌を口ずさむように。口笛を吹くように。
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