Pontormo 文学のすべてがターゲット!書く=・232221201918171615141312111098754321


発信基地
探索――WEB文芸コンテスト

新世紀小説バトルQBOOKS主催、徳間書店の文芸誌「問題小説」協賛の小説コンテスト。商業文芸誌とインディーズサイト初の連動で、プロへの最短距離コンテスト。さすがハードルが高く、突破できる作品が第一回以降現れていないのが現状。「問題小説」の傾向と対策を要するコンテストである。参加は自由。矮星賞(ワイセイショウ)――矮星の存在価値はその大きさではなく、存在し続けることにある。窓ガラスの染みと同じ、ほんの小さなドットでも気づいた人にはものすごい印象を与えて、ずっとそこにあり続ける。決して潰えない意識こそ、矮星の矮星たるレーゾンテートルではないか。そして、自分が自分であり続けることの証明こそ、新しい文芸のコアではないか――難しい主旨は別として、一等賞金が3万円だ。インディ−ズ文芸コンテストでは、おそらくここだけだろう。ちなみに第一回賞金は5万円だった。奇特な篤志家の出現を待ちたい。電脳ミステリ作家倶楽部ミステリ好きのオンライン作家が集まってわいわい楽しもう、というサイト。メインイベントは登録作家による毎回異なるテーマでの創作バトル。不定期だがリレー小説も開催されている。オーナーの已岬佳泰氏による「ポケットミステリー通信」ではミステリ関連の情報交換や氏の作品が楽しめる。テーマがミステリーと明解なので、純文やいわゆる雰囲気小説などは苦手という読者には、大いに楽しめるサイトだろう。
                  
森羅万象
書く人のための文芸事情

書評のデュナミス
 書評とは人である。世態風俗これに亜ぐ。飯がうまいとかマズイとか、感想で済むのはまだまだ「受け手」である証拠。感想と書評の違い、それは感想が実感の吐露であるとすれば、書評は文章から実感を受けて、作品を透過して見える作者の人間像である――文芸評論とは一体何か。当コラムでは文芸の一ジャンルとしての「文芸批評」を模索し、そのデュナミス(δυναμιs/可能態)を提示する。
 ――QBOOKSの稽古板でお馴染みのながしろばんり氏が満を持して挑む本格評論。いよいよスタートします。ご期待下さい。04/9/20/Pontormo


写真▲評論文学に意欲をみせるながしろ氏。
「評論は私の本道です」と言い切る。


ということで、「書評のデュナミス」がスタートしました!
04/10/25/Pontormo
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文学部卒といえば、文学者?
 大学の文学部を卒業した人はどんな仕事に就いているのだろう。法科を卒業したからといっても、必ず法律家になっているとは限らない。鉄腕アトムの手塚治虫は確か医学部だった。渡辺淳一もそうだから、逆の見方も大いにある。文学部卒業者だって、きっと様々な分野で活躍されているに違いない。ところが、色々ある大学の専攻、その中からあえて文学部を選んだのには、それなりの理由があったはずだ。
 ということで、文学部卒のどなたか、愚痴なり檄なり、言い訳なりをお寄せください。――そうそう。加賀乙彦も東大医学部卒で精神科医。北杜夫は医者を志したがどうなったのか……こうしてみると、作家ってお医者さんが多いのですねえ。どうでもいいことですが。04/9/3/Pontormo


   
写真▲左から東大、早稲田、慶応義塾、日大……
掲載大学に別段これといった意味はございませぬ
(写真は各大学サイトより)

青春グラフティ自体が文学だった。
[寄稿] 伊勢 湊

 僕は東京都内にある某H大学の文学部卒です。在学中はやはり文学(僕の場合は近代英米文学でした。フィッツとかサロイヤンでしたね)に傾倒していて、もちろん仲間とは文学論について安い酒を片手に語り明かしたりしました。しかし自分が何かを書くという発想は、最初の頃にはなかったですね。そうなったのは大学後半だったと思います。大学の課題でそういうのがあったということもあり少しずつそういうこともするようになりました。その頃からだんだん文学を言葉で定義付けたりすることは減ってきました。こうあるべき、とか、このほうがいい、なんてことすら話さなくなりましたね。せいぜい「これは好きだな」程度。仲間達はどうだったのか、そういう話はしませんでしたが、たぶん怖くなったんじゃないかと想像します。僕もそうだったから。
 最初はなんか流行りの歌をああだこうだ語るように文学を語り、やがてなまじ専門的な知識をつけ、その後で自分が書いてみることで初めて「ああ、語るような簡単なことじゃなかったんだ」と痛感する。そんな感じでしょうか?
 正直言って僕の仲間内ではそれほどいまも自分で物を書いている人間は多くありません。それでもやはり編集系の人間は何人かいます。あまり出世していません(笑)。作家の気持ちが分かりすぎてしまうから、かもしれません。教師という職を選んだものも何人かいます。しかし国語の教師は一人もいません。英語か社会が多いです。面白いことに(うちの大学の事しか知りませんが)国語教師は文学部卒より教育学部卒のほうが多いみたいです。あの神楽坂の狭く薄暗い居酒屋の片隅で、つかめないタバコの煙を吐き出すように文学を語った僕たちは、たぶん感情を四択に託すのが怖いのでしょう。
 そして僕のように全く文学と関係ない仕事をしているものも少なくありません。いま僕が仕事で使う言葉は0と1で出来ています。それでも僕はなにげに自分でものを書いています。そう思うと他の仲間達も、やがて筆を取るかもしれません。
 先の見ぬまま文学に身を投じ、文学の現実と、そして同時期に知ることになった社会の現実の前に、それぞれが違う道を歩き出した文学青年たちがいました。でもちょっときざったらしい言い方かもしれませんが、その青春グラフティ自体が文学で、いまでは多くは語らない文学がきっと僕たちは今も大好きです。だから文学とは無縁の仕事をしていてもやはり文学部に進んでよかったと思っています。04/9/7/ISE

壷中の天で優雅にお暮し下さい。
 幻想文学の評論などで知られるドイツ文学者の種村季弘(たねむら・すえひろ)氏が8月29日午後8時25分、胃がんのため静岡県内の病院で死去した。71歳。東京都出身。1957(昭和32)年、東大独文科卒。出版社の編集者、都立大助教授などを経て、フリーで評論、翻訳を開始。博学を基に、魔術、吸血鬼、贋作(がんさく)など欧州の異端の世界を日本に紹介した。映画や美術にも詳しく故土方巽氏、渋沢龍彦氏らとの交友でも知られた。国学院大教授も務めた。著書は「ビンゲンのヒルデガルトの世界」(斎藤緑雨賞、芸術選奨文部大臣賞)「謎のカスパール・ハウザー」「怪物の解剖学」など多数。全8巻の著作集で泉鏡花文学賞を受賞。(共同通信社より一部抜粋)
 Pontormoの一推しは、評論集『壷中天奇聞』だ。かくあるべしと、鋭利に研ぎすまされた造詣の深さと種村自身の人とが、如実に顕現した評論集の一冊。読み進むにつれ、共時に訪れる評論の楽しさと難しさ。その難しさとは対象における「論」力ということではない。評者そのもの、種村の人間力のことであり、評論とは対象を解体するのみでなく、己の知力と眼力と諸々の精神性の分解作業とストリップであるということを、極度に知らしめられる。評者の内臓までが露骨に観られてしまうことなのだ。その時点において対象である作品は種村のペットでしかない。評論とはつまり自己評論のことなのである。あらゆることにおいて、磨けよ、諸氏!
 写真の雑誌『血と薔薇』(昭和43年創刊)は、Pontormo憧れの「澁澤龍彦たちと呑んだ暮れ不良時代」に全3号で休刊となった優れ本(Pontormo20代で購入していたもの)。種村もその仲間の一人で『澁澤さん家で午後五時にお茶を』を著している。この頃は「ポルノ」なんて下品な言い方ではなく「ポォノグラフィ」と優雅であった。もちろん「フェチ」なんてきっちり「フェティシズム」。大衆化も大いに結構なのだが、折角の趣きを削いでいくのはなんとも寂しい思いだ。種村先生、お疲れ様でした。なお『血と薔薇 全3号 復原』が白順社から出ています。04/9/4/Pontormo

  
写真▲左から『壷中天奇聞』(青土社)『渋沢さん家で午後五時にお茶を』(学研M文庫)『血と薔薇』(天声出版)。血と薔薇は責任編集澁澤龍彦。三島由紀夫、土方巽、金子國義、篠山紀信、中村宏、植草甚一、稲垣足穂などが写真、美術、文章を寄せている。(写真はPontormo蔵書より)
                                        

環境にこだわってみる
絵画▲「佐々木壮六の世界」。アート紹介として、まずはじめに紹介されるべきは、Pontormoにとっても何かと縁が深い佐々木壮六氏のページ。ここで氏の作品12点が堪能できる。「自分のフィルターで詩を語りたい」とおっしゃられていたように、その作品群は豊かな詩情に溢れている。ルネサンス人はもちろん、ポントルモ、パルミジァニーノなど数多くのマニエリストたちが偉大な軌跡を描き、そして生きた、古都フィレンツェ。氏はそのフィレンツェ市主催の「フィレンツェ賞展」永久顧問兼審査員でもある。詩を書く人ならば、ぜひ一度、氏の絵に出会ってほしい。(写真は「佐々木壮六の世界」より)04/9/13
家具▲イタリアの家具メーカーSINTESIの椅子Centodue(h.99 w.45 d.51cm)。この椅子で長時間くつろぐのは少々困難な気もするが、エスプレッソでも飲みながら単行本を読むには、気分はそれなりにいいのかも。しかし畳の上に置くわけにもいかないから、それなりの部屋が必要だろう。腰掛けるというより、白い壁を背に置いて、花瓶の小花とか小振りの額縁の絵でもさり気なく飾っておいたほうが、この椅子にとっては活きた環境作りになるのかな。道具にしても家具にしても、イタリアのデザインはいい。そういえば、バックシャンと言われたピアッツァもイタリアのデザイン車だった。あの車はいま走っているのだろうか。(写真はSINTESIのサイトより)
道具にこだわってみる
消しゴム▲無くてはならなかったあれほどの物が、いま机を見回しても無い……どこにも無い。消しゴムは、「削除」あるいは「ごみ箱」なんていう、味も素っ気もないものに取って変わってしまったのか。そうではありません。立派にそのお姿を種々変容して生きているのであります。ご覧なさい。このコロリンとした、めんこいボディを。そんじょそこらのギャルには出せないチャーミングさ。これこそ現代の消しゴムなのであります。左はコロネパン消しゴム(チョコクリーム入り)。右はメロンパン消しゴム(黄色コーティングと緑色がある)。ともに50円。本当に食べられるチョコクリームが入っているのか!? それはさておき、「消しゴム倶楽部」なる楽しいサイトは、セイエズジョーンズ真美さんの楽しいページ。消しゴム集めてン年。ユニークな消しゴムのオンパレードである。これこそが典雅な遊び心なのだ。これなくして、小説が書けるかァ!!(写真は消しゴム倶楽部より)
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文芸には何かと便利そうな検索サイト。ただし、QBOOKSは検索に引っ掛からない。まだまだなQBOOKSです。
商業文芸誌コンテスト
横溝正史ミステリ大賞●9月30日〆切・角川書店「KADOKAWAミステリ」・自由テーマ=ジャンルの殻を打ち破る、開拓精神あふれるミステリー・原稿用紙350〜800枚・副賞500万円
ムー伝奇ノベル大賞●10月1日〆切・学研「ムー」・ホラー、ファンタジー、サイコサスペンス、伝奇ロマン、伝奇ミステリーなどを中心に、21世紀を担う才能ある作家の発掘と育成、魅力的な小説を求めて創設する。作品は未発表のものに限る。大賞受賞作は小社より刊行・400字詰め原稿用紙換算250枚以上。 完結した作品であるこ・副賞 大賞100万円+記念品 優秀賞30万円 佳作10万円 賞に該当する作品であれば編数は規定せず
伊豆文学賞●10月11日〆切・伊豆文学フェスティバル実行委員会、静岡県・伊豆を題材とした小説・紀行文・随筆の3部門・小説 400字詰原稿用紙30枚〜50枚程度・紀行文 400字詰原稿用紙20枚〜40枚程度 ・随筆 400字詰原稿用紙20枚〜40枚程度 ・副賞 最優秀賞100万円、「伊豆半島滞在券」、記念品 優秀賞20万円、記念品 佳作5万円、記念品
朝日新人文学賞(小説TRIPPER参照)●10月末日〆切(当日消印有効)・朝日新聞社「週刊朝日別冊小説TRIPPER」・未発表の長編小説。現代小説、時代小説を問わず幅広いジャンルの独創性のある長編小説・400字詰原稿用紙200枚〜300枚・副賞100万円
l鮎川哲也賞●10月31日必着・東京創元社「小説宝石」・未発表の推理小説。新しい発想の作品・400字詰原稿用紙350〜800枚。800字以内のあらすじを添付・副賞 印税の全額
群像新人文学賞●10月31日〆切・講談社「群像」・(a)小説部門 (b)評論、ノンフィクション部門(エッセー、紀行、伝記など小説以外の新ジャンルを含む)・400字詰原稿用紙(a)は250枚以内(4,50枚の短編も可)(b)は100枚以内・新人に限る・副賞50万円
R-18文学賞●11月1日〆切・新潮社・性全般をテーマにした小説・400字詰め原稿用紙換算で30〜50枚まで(1行40字で300〜500行まで)・女性に限ります・副賞大賞1名 賞金30万円。読者賞若干名 賞金10万円。副賞として、大賞はラスベガス旅行ペア4泊6日ご招待、読者賞は香港旅行ペア3泊4日ご招待(以上アルゼご提供)、各賞に体脂肪計付ヘルスメーター(タニタご提供)、DVDプレイヤー(ランブルフィッシュご提供)*旅行出発日は、GWを除く平成17年3月〜6月の間です。
データが変更している場合があります。各コンテストについての詳細は、各出版社のサイトならびに応募要項等で確認するようにして下さい。Pontormoはデータの違いについて一切の責任を負いません。

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