INDEX
■プロローグ
■7月16日:第15ステージ レザ・スュル・レズ〜サン・ラリ・スーラン 205.5km [前編]
■7月16日:第15ステージ レザ・スュル・レズ〜サン・ラリ・スーラン 205.5km [後編]
■7月17日:休息日 ポー [前編]
■7月17日:休息日 ポー [後編]
■7月18日:第16ステージ ムレンクス〜ポー 180.5km [前編]
■7月18日:第16ステージ ムレンクス〜ポー 180.5km [後編] ■7月20日:第17ステージ ポー〜レべル 239.5km [前編] ■7月20日:第17ステージ ポー〜レべル 239.5km [中編] NEW
■番外編1:クイックステップのチームバス&トラックがあら素敵〜の巻 ■番外編2:魅惑のサコッシュ美術館の巻

 カピバラ(capybara) 昔は乗るほう専門の自転車好きだった。しかし、2004年のツール・ド・フランスで突然ロードレース観戦に開眼。その後は、液晶テレビを購入し、ケーブルテレビに加入し、USアマゾンやドイツアマゾンからレース関連本だのDVDだのを買い漁り(もちろん英語もドイツ語もろくにできない)、小さいながらも自転車情報サイトを持つほどに入れ込んでいる。一方で、自らのロードレース好きを周囲の知人に言い出せないでいる、シャイな勤労婦人である。やはり自転車好きの夫と、横浜在住。
■カピバラ専用 自転車ニュース
 審判車のボンネット。赤地に白抜きのツール・ド・フランスのロゴが素敵
 私とダンナの旅荷物一式(実は生ツールを見に行こうと最初に言い出したのはMYダンナ)。荷物は必要最低限に抑えてあります。長距離の移動を伴う旅程だからというのもありますが、今回使うことになる航空会社、エールフランスでは、飛行機に預けられる荷物が一人20kgまでなのです
 携行したカメラ。私のカメラ(左)は、野外作業用の完全防水&耐寒耐ショック&広角3倍ズームの、大きいけどタフで使える奴です。ツアーの行程から「希少動物の野外生態調査」を連想した私は、その連想に見合った装備をそろえました(双眼鏡も準備しました)。右は10倍ズームのダンナのカメラ。こやつも大変重宝しました。選手の表情を撮るなら、ズームの効くカメラが必要であったのです
 沿道で応援するたくさんの観客の間を、選手が走ります
 選手を待つ観客。後ろの家の窓からも、かわいい頭が覗いています |
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プロローグ
皆さんは海外旅行をされたことがありますか。私はあります。といっても、もう10年も前のことです。そのときの経験はあまり楽しいものではなかったので、私の脳内HDDからはほとんど消去されております。 そんな私が、添乗員付きツアーとはいえいきなりサイクル・ロード・レースを見にフランスへ行こうって言うんですから。もちろんフランス語なんて話せませんし、英語だって単語の羅列とジェスチャーでなんとかなるかも、というくらいに怪しいもんです。そんな障害を乗り越えてでも、生でレースが見てみたい! というあたりに、私のレースと自転車への愛の深さを汲み取っていただければ幸いです。
さて、今回私が見に行こうとしているのが、世界最大の自転車ロード・レース、ツール・ド・フランスです。毎年7月にフランス全土を舞台に3週間かけて行われるこのレース、世界で最も観客数の多いスポーツイベントとしてギネスブックにも登録されており、その観客の数はなんと一千万人以上! 今回私はその中の一人、いや、延べ数だからその中の7人分くらいにはなってこようというわけです。
が、この旅行に、私は一抹の不安を感じておりました。
サイクル・ロード・レースの本場はヨーロッパでありまして、現地ではサッカーとタメを張るほどの人気、なのだそうです。がしかし、日本ではそれほどメジャーなスポーツではありません。大きなレースだけなら、日本でも衛星放送のスポーツ専用チャンネルで見ることもできますが、ほとんどは実際のレースから暫く日が経ってからの中継録画です。実況生ライブで手に汗握りたい私のような人は、インターネットのライブサイト――それも、画像のストリーミング配信があれば大ラッキー、だいたいはテキストのみの実況で、まずは英語、ときにはオランダ語やドイツ語だったりする――に頼る他はありません。
このようなお寒い状況の中、唯一テレビで生中継を見られるレースが、ツール・ド・フランスです。
リアルタイムでレースを見ることができるばかりか、何台もの空撮ヘリコプターおよびカメラバイクを駆使した映像に、日本語の実況&解説もつくのですから、臨場感この上なしです。クーラーの効いた自分ちのリビングで、手に汗と缶ビールを握りつつレース観戦なんて、ああなんて幸せ。
一方、現地でレース観戦するとなると。自分はコース上の1ヶ所にしかいられないわけですから、そこにやってきた選手を一瞬見るだけで終わってしまいます。ラジオでもあればレース展開を把握できるかもしれませんが、もしあってもフランス語は理解できないので、レースの状況を知ることもたぶんままなりません。おそらく、通り過ぎる選手を見るだけ(もちろん出場選手は200人ばかりいるのですから、全員が通り過ぎるまで数分〜数十分はかかりますが)で終わってしまうことでしょう。英語どころかオランダ語のテキスト実況までも駆使してリアルタイムのレース観戦にこだわっている私が、そんな状況に我慢できるのかどうか。
しかも、このツアーの行程がすごい。フランス国内を転戦するレースであるので、自分たちもツアーバスでレースと一緒に毎日移動していくわけですが。朝は、レース時刻が近くなるとコース付近に交通規制がひかれる&早く着けば観戦ポイントの場所取りをするのに有利、という理由で、朝早く出発。レースの観戦後は、他の観客の車も一斉に移動するので渋滞になり、ホテルにつくのは深夜。また、バスの駐車場がコースの付近に無いこともしばしばで、その場合は、何十分も……下手すると何時間も、歩かなければなりません。スポーツ観戦というよりむしろ、何かのサバイバルツアーのようです。
せっかく家で生中継がみられるレースを、わざわざ苦労して見に行かなくてもいいのではないのでしょうか。家に帰ってから、「やっぱりおうちでテレビを見とけばよかった」と後悔することにならないでしょうか。
現地で観戦するのは、本当に楽しいのでしょうか。
……がしかし、先も述べたように、のべ一千万人以上の人が、ツールを見るために現地に繰り出しているわけです。もちろん地元に住んでいる人は、自宅の軒先で選手を応援したらすぐにリビングにとって返してテレビ中継を見ればよいわけですが、なにせ一千万人。そんな恵まれた境遇の人の占める割合はごくわずかであるはずで、多くの人は、生選手をほんの一瞬見るためだけに、沿道に繰り出しているのです。そんなクレイジーな人たちと一緒にレースを楽しむって言うのもまた一興ではありませんか。運がよければ選手のサインももらえるかもしれないし! テレビに映らないレースの舞台裏も見てみたいし! それに何より、たとえ一瞬でもいい、自分もこの目で生選手を見てみたいし!
とまあ、半ばためらう気持ちを強引になだめつつ、生ツールに旅立つことになった私でありましたことよ。
■参考サイトリンク集 <便利なページ> ・J-スポーツスタイル・サイクルロードレース(以下JS) スポーツ専門チャンネルJ-スポーツHP内にある、ロードレース観戦サイト。 http://www.jsports.co.jp/style/
・サイクリング・タイム(以下CT) 日本国内唯一といえる、自転車情報専門サイト。 http://www.cyclingtime.com/
<ツール・ド・フランス2005年概要> ・日程:7月2日〜7月24日まで。途中に2回の休養日が入る。(JS) http://www.jsports.co.jp/style/tour2005/schedule.html
・コース:フランス各地に設けられた総延長3500kmのコースを、21日間(+2日間の休養日)で走りきる。(JS) http://www.jsports.co.jp/style/sw/17_TourdeFrance.html
・出場選手:21チーム×1チーム9人=189人の選手が参加。(CT) http://www.cyclingtime.com/modules/wordpress0/index.php?p=737
・ルール概要:まあ、なんだ、誰が一番早く走ったかを競うのが基本。プラス、他にも賞とかボーナスタイムとかあったりする。(CT) http://www.cyclingtime.com/modules/wordpress0/index.php?p=736
・さらに詳しいルール:全部読むと大変なので、参考までに。(JS) http://www.jsports.co.jp/style/element.html
05/8/9 | |
rucktun●Edited and published by Q-nets & QSHOBOU Japan. No reproduction and republication is permitted. ●全ての無断掲載転写を禁じます
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