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屋上から浮橋が延びていた。十メートルほど歩いた橋の先端で、錆びついた華奢な手摺にすがり、二十メートルほどの眼下を覗いた。広大な水が滔々と流れている。濃緑色と透けた水が斑になっている美しい水面。その全体がゆっくりと動いていた。流れる先を遥かに見晴らせば、旭日に白く霞む海があった。いつ居たのか、ふいに隣にいた男が手摺を飛び越え、足の先から一直線に、流れる水に向って落ちていく。男は一旦水中に没してから、その頭を水面に勢いよく突き出し、ゆっくりと流れていった。それを眼で追っていたら、水の流れに酔った。それから間もなく、遠く彼方の海に、気持ちよさそうに浮いている男がいた――早朝、頭痛をともなって私は目覚めたのだった。 |

