株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』
……その7

by ごんぱち



●2月某日『イエロー・オウダンマク』


 バレンタインデーの飾りが街から外され、代わりに掲げられる黄色い横断幕。
「申告書 自分で書いて お早めに」
 風情なし。

 あー、どうするかなー、確定申告ー。
 一応三月十五日まで受付期間だし、来月まで引っ張るかなー。
 でも、後回しにすると、本当にやる暇なくなったりしかねんしなぁ。
 まあネタもないし、やっとくかぁ。
 てんで、親のパソコンが空いている時を狙って、ちょいと国税庁のホームページ(http://www.nta.go.jp)にアクセスした。
 この前自分のマシンでは上手く表示出来なかったけど、これならウィンドウズ2000だし平気だろ。

「確定申告」
 ばばーんと、これでもかという感じに分かりやすくリンクあり。
 クリック。
「所得税の確定申告」>「確定申告書等作成コーナー」
 まずは「印刷画面の表示確認」というので、このマシンで印刷が出来るのかどうかを確認出来るらしい。要するにPDFファイルが扱えるかどうからしいんだけども。で、扱える事は判明。
 次に「所得税の確定申告書作成」に入る。
 ん? 意外と見易いぞ、国税庁ホームページ。

 確定申告書の作成のフォームへのリンクがずらりと並んだ。
「給与還付申告書」
「申告書A」
「申告書B(青色申告・白色申告)」
「給与所得と雑所得のみの方の申告書」
「給与所得のみの方の申告書」
「分離課税での申告書(申告書Bと第三表)」
「申告書自動選択」

 多分、申告書AかBのどっちかって気がするのだが、イマイチ分からないので、ひとまず申告書Aの作成フォームへ。
 えーと、自分の名前と生年月日と住所を入れた後、用紙と同じレイアウトの表が出てきて、該当する項目を埋めていく、と。
 ともかく「給与」の項目でバイト先のヤツを。「源泉徴収票」を元に、入力。
 それから追加で、印税の「報酬、料金、契約金及び賞金の支払い調書」で入力――。
 なんか、ちょいと違う気がするなぁ。
 印税は給料と同じ扱いか? 違う気がする。
 それに株の事も入れられないし。
 ひとまず、ここまで作ってみたデータを保存しておいて、改めて自動選択で作り直してみた。
 自動選択の場合は、盛り込む項目を選ぶ訳だな。
 バイトの給料があるから「給与」、印税はヘルプを見ると、「雑所得」扱いになるらしい。んで、コバルトのベスト・ショートショートの賞金は、まあ心情的には雑所得だが「投稿謝礼」という扱いなので賞金やら何やらの括りである「一時金」という事で。それから株の配当も入れるべきなんかなぁ。売買益とかがどういう扱いになるのかやっぱり分からんけどチェック。
 と、やってみると、申告書Bになった。

 かなりお任せで進むな、これは。
 給料を入れて。
 社会保険料控除で、健康保険の金額を入れて。これはバイト先で申告済みだから、「源泉徴収票」に載ってるので、項目は「源泉徴収票の通り」だな。
 次に雑所得を入れる、と。実業之日本社から貰った「報酬、料金、契約金及び賞金の支払い調書」には、備考欄に消費税額が記載されているのだけれど、それを書く場所はないのか。まあ放置。
 「必要経費」は是非とも入れたいところだが、領収書の保存状況も、帳簿の類もないので記入できず。まあ、酸っぱい葡萄の話をするなら、実際のとこあんまり経費使ってないんだ、あの本については。
 ちなみに「酸っぱい葡萄」は、変換一発目で「酸っぱい武道」と出た。
 嫌ーーーーー!!

 印税については、「平均課税対象金額」というのになるらしい。やる事だけ言えば、前年度と前々年度の金額も入れる訳。つまり、これがいつもの収入かどうかを判定するんだろうなぁ。たまにしか稼げない人と、いつも稼いでいる人とで、税率が同じって訳にも行かないという。
 ここは正直に、ゼロゼロっと。

 それから一時金を入れよう。
 えーと、去年幾ら貰ったっけ?
 自分の投稿リストのファイルを覗いてみると――あ。
 まずい。
 自分で作ってるリストって、投稿月締めにしているから、掲載月とか投稿謝礼貰った月とか分からん!
 えーと、確か集英社からの封筒は取っておいてあったから……。
 四通か。
 投稿リストとも合わせて、佳作三の入選一で、50000円と。
 一時金は50000円。

 後は……。
 配当金なんだけど……記録がない。
 一応株主各位の配当額通知は見つけたのだが、これって中間だよなぁ。うーむ。実際に幾ら貰ったのかがすっぱり分かる書類がない。何となれば、配当は郵便振替支払通知書てぇヤツ一枚で送られて来るので、控えとかが残らないのだ。
 自分で帳簿を付けていれば良かったのだが、そういう事はしていなかったしなぁ。
 仕方ない、記載しない事に。

 株の売買益は……。
 これもよく分からんのよなー、と思いつつ、ヘルプと睨めっこをしていると、どうも投入した資金自体は「取得単価」として記入出来るらしい。
 損を出した場合は、その損の額を繰り越す事も出来るらしい、というのは聞きかじっていたが、取得単価は損の扱いとは違うのだな、ふむ。
 とすると、何らかの課税が発生するのは、売却した時だけ――なのかなぁ。
 いや、十二月末日時点で、ゲオ株は一般口座に十一あって、僅かに現金が残っているという状態になっている。そして、種銭はピッタリ1000,000円なんだな。
 投入金額的にはマイナスになって、株があるわけで……ええと、特定口座とかで源泉はされてないんだけど……ううむ。
 うーむ、分からんけど、分からんけど。
 放っておこう。多分マイナスだ、課税されない(無茶苦茶だ……)。
 来年来年。来年からの取引は、特定口座だから源泉で引かれるし、引かれなけりゃ問題ないって事ではなかろーかと。

 こうして、全ての項目を入力完了!

「還付される金額は9410円です」

 おお、戻って来るんだ。
 項目を見ると、「定率減税額」というところが、効いているようなのだが、これがどこからどのようにして割り出された数字なのかは謎。
 謎のままでも自動で作ってくれるフォームって素敵。
 意外とやるな、国税庁。


 さあ、印刷だ!
 親のマシンには、インクジェットプリンタが付いているので、カラー印刷が出来るのだ。しかも、最近買い換えた、業界屈指のスピードを誇るプリンタなのだ。
 印刷完了!
 確認!
 曲がってる!
 紙をセットしてやり直し!
 印刷!
 印刷中に、ふと画面を見ると。

 名前と住所欄が空っぽだ!
 名前、住所、屋号なし、職業は印税入ってんだから「著述業」だ、もう「自称作家」とは言わせない。
 入れ直してから、再印刷!

 ……十六枚も無駄にするな。

 ようよう印刷終了。
 んー、相当綺麗だな、大したものだ。プリンター。これはインクジェットも捨てたものではないな。
 まだ新しいし、捨てたら勿体ないしな。
 ナーンチャッテ、ゲハ、ゲハ、ゲハ(塩辛な笑い声)。


 出力された申告書を、一枚づつ見てみる。
 まずはカラーで目立つ、

「平成16年分の所得税の確定申告書B」第一表&控

 「16」のとこは、記入欄。しっかし、役所はあんまり元号は使わない方が良いような気がするんだがねぇ。この用紙って、元号変わったら、絶対作り直さなきゃならん訳だし。何部廃棄が出るか。無論、文化的側面から元号だの尺貫法だのを使うという理屈は分かるが、役所はもうちょいドライであるべきで(脱線)。
 Bだ。Aとの違いは、項目が多いかどうか。株が絡むとBだった気がするんだが、結局記入していないのでそれがどこの項目に入るのかは知らない。
 ヘルプを当たっていれば、いつか見つかるだろうけれど。

「平成16年分 確定 B」第一表
 確定申告書Bと同じ内容が書いてある。
 右のハシラに丸印で「住」と書いてあるので、住民税とか何とか、処理する場所が違うとかそんなんだとは思うけれど……二枚も書かせるなよ。コミケの申し込みじゃあるまいし。

<まめちしき>
 コミックマーケットの申込は、申込書と、サークルカット(カタログに載せるためのPR)、封筒、払い込み用紙(五連)に、住所を八ヶ所、PR文を二ヶ所、販売実績を二ヶ所、その他諸々を目一杯書かせる。
 当然間違えたり抜けてたりすると、無警告で書類不備落選だ!
 ちなみに、冬コミの申し込み期間は、夏コミ初日から一週間ぐらいしかない上に、申込書(千円)を入手出来るのは会場だけだ! 勿論、通販もメールによる受付もしてくれないぞ!


「平成16年分の所得税の確定申告書B」第二表&控

 これは、所得の種類と内訳の細かいところが載っている。第一表が数字しかないから、その補填というところか。
 ハシラに「源泉徴収票、生命保険料や損害保険料の支払証明書など申告書に添付しなければならない書類はこの裏面にはって下さい」とある。
 ……へー、「源泉徴収票」って、使い捨てるものだったんだ。ずっと手元に置いておけるものかと思ってたんだが。へえ、知らんかった。コピーぐらいはとっとくかなぁ。
 とっとくハム太郎。頬袋の中にひまわりの種を。そして、発芽した種は、いつしか頬の内側に根を張り、新手の冬中夏草に(駄洒落をホラーとかにしないこと)。


「平成16年分 B」第二表
 素気なさ極まりなくなったタイトルのもう一枚。
 ここで言う事はどうかはナニだが、名前欄の下に「屋号」というのがあるんだな。つまり、噺家や講釈師の類は、非課税特権があるからここで炙り出す訳だ。
 ――嘘は言わない事。
 店とかの場合でしょうな、多分。


「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」&控
 収入の安定しない自由業のためのものだなぁ。
 変動所得の例として「漁獲、のり、はまち、まだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝、真珠、印税、原稿料、作曲料など」。
 なんだ、その漁業に偏った感じは……。
 つまり、水モノ繋がりって事かな。
 上手いこと言わなくてもよろしい。



 書類も揃ったところで、まだ日は高いので、提出に行こう。
 えーと、提出の仕方も載ってるなぁ。所轄の税務署へ?
 税務署に……行かないと駄目なんかなぁ?
 行くとしたらどこ? 厚木近いんだけど――って、大和?
 混雑状況も出るのか。うわ、混雑してるって。
 まあ物見遊山で行ってみるかなぁ。
 しかし綺麗に印刷出来るもんだなぁ、ちょい親にも見せてみよう。
 特に脈絡なく親に見せると。
「収入少ないねぇ、あなたもニートだかパラサイトだかグローカル・ヘキサイトだか知らないけれど、いつまでもプラプラ遊んでいないで正社員になって身を(コンクリートで)固めて、ハドソン川もしくは荒川河川敷辺りに沈むつもりはないのかい?」
「サラサラありません、ヲカアサマ」
 という、殺伐とした会話の後。
「んじゃ、大和の税務署行って来るから」
「市役所で平気よ。お父さんも行って来てたから」
 そうなんだ。
 サンクス、ママン――何国語だ。

 税務署まで行かなくても良い事が分かったので、市役所へ。
 確かに入口のところに「確定申告受付相談会」の貼り紙が出ておるわい。
 去年もこんなの見た気がする。
 中に入って、まずは「源泉徴収票」と「報酬、料金、契約金及び賞金の支払い調書」のコピーを取っておく。これは、この話を書く為のネタとして。
 それから、と。
 四階でやってるっぽいが、市税の受付は確か二階だったと思うけど。
 よく分からんので、受付のお姉さんに訊いてみる。
「確定申告って、四階のでいーんですか?」
「そうです。エレベータを出たらすぐのところですよ」
 んじゃ、行ってみよー。

 エレベーターから出ると、広めの部屋に書類のみ提出の窓口と、相談の窓口が一つづつ用意してあり、相談待ちか何かの人がずらりと並んだ椅子に座っている。時期が早いからか、それとも時刻の問題か、人はまばら。
 えーと、書類はほとんど出来ているから、ちょい相談のとこで訊いてみよう。
 ……といっても、相談と提出の窓口は、くっついているんだけども。そもそも窓はなくて机だ。
「すみませーん、源泉徴収票って、ベタ貼りしちゃって良いんですか?」
「ええ、申告書の第二表の裏面に貼って下さい」
 貼り間違えると怖かったので、それだけね。
 で、窓口のおっさんは、私の出した書類一式を確認してから――。
「書類揃ってますね。このまま出せます」
 てんで、その場で糊を借りて「源泉徴収票」と「報酬、料金、契約金及び賞金の支払い調書」を貼り付け。紙が薄いので、変に手間取ったが、無事貼り付け終了。控えに受付のスタンプを貰った。
「んじゃよろしくお願いします」
 と、会場を立ち去った。
 この場合は「よろしくお願いします」は正しい挨拶だったのかなぁ、等と考えながら。

 よーし、申告書提出終了……不備があったり、しなければ。
 どうかな、どうなるかな、と思いつつ。


 ――続きは、次回。
 続くの?
 続くの。
 或いは、来年ぐらいまで。


――その6  その8




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