株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』……その4
by ごんぱち
●11月某日『ラスト・クロウシマス』
何となく、この連載の方向性が掴めてきた気がする。
普通、フリーターぐらいの労働者にとって、確定申告は「やろうやろうと思って先延ばし」の最たるもの。
別に儲からないならやる気も起こらないし、儲かると言われたって、ピンと来ない。
それを、百戦錬磨の確定申告を自在に扱っている人間が「いやー、んな事はないって! 絶対やった方がお得だって! マジだって! それに別に難しくないって! 簡単だって! しかもこの壷安いんだって! 買っとけって!」みたいに言われても、ねぇ。
だから、「いや、面倒だと思って、出来ればやりたくないんだけど、まあやったんよ。そのすったもんだを見たんさい。一番大変だったこと? そのままうやむやにしたい自分の気持ち、かな?」というのが、読者に近いスタンスではなかろーか!
とすれば、一歩間違えば先延ばし、的低テンションで進めるのが、むしろ読者密着型と言えまいか!
と、自虐芸人的開き直りを見せたところで。
バイト先で、年末調整の書類を渡された。
『扶養控除等申告書』と、『保険料控除兼配偶者特別控除申告書』の、二枚。
添付の説明書きには「複数の勤務先から収入を得ている場合、他の会社からの源泉徴収票を添えれば、確定申告が不要」とか書いてある。
不要ですぜ、不要。
罰ゲームの領域ですな、こりゃ。
やっぱり面倒なもんなのよ。うんうん。
まあ、こちとら、株式の損(売ってないので、現金はなくなってるから)と、印税収入があったので、出さん訳にもいかなかろ、というところなんだろうなー。
基本的に配偶者いない&最低賃金より半端に多い収入のある自分にとって、この書類はあんまり意味がないが、唯一関係あるのは社会保険料等の控除。
ひょっとしたら、確定申告で全部片付くのかも知れないけど。
保険料と言うとただ一つ。
国民健康保険料!
あれぇ?
何か一つ足りなくない?
足りなくない!
足りなくないない、不足じゃない、それでも国家は許さない。とくらぁ。
知らん知らん。
四十歳になったら二十五年だけ払ってやらぁ。まあ、その頃には「四十年払わないと支給しねえぞコノヤロー」ぐらいの事を言い出すに決まってるけど。
まあ、そういう人を猜疑心の塊にする社会保障制度はほっぱらかして、手紙類の入ってる引き出しをひっくり返し、領収書を探す。
探す。
探す。
ったく、国民健康保険料を納めるのも市役所だってのに、どうして別々に出す必要がある? 役所も、こういうの一元管理すればいいのになぁ。
そうすりゃ、申告の必要なんてなくなる訳だし。
一元管理だと、個人情報の取り扱いに問題が出る? 人権が侵害される?
寝言はレム睡眠の時に言えって。
役人がそれを口にした時は、ただただ新しい事をやるのが面倒なだけなのさ。連中に、民衆の利益に対する配慮がちびっとでもあると思うかね。もしもあるとすれば、公金の使い込みなんて出来るかね。
どーせ、情報なんてだだ漏りなのだ。今さら縦割りの情報互換性のなさによる防衛を主張されたって、両方がクラックされれば意味もなし。
それよりは、国民情報を便利に管理するのは、政府の義務だと思うけども?
そもそも、そんな管理がちぃとも出来てなかった時代に、定形郵便代で決死の作戦に従事する人材を輩出するシステムを確立した国家だぞ、我が国は。技術じゃない。文化の水準なのよ、結局のところ。
ああ、やっと領収書見つかった。
えーと、国民健康保険税の納付額は年額67700円。
冷静に考えると、使った医療費に比して掛け金の高いこと高いこと。
まあでも、国民健康保険はあんまし抵抗ないんだよなぁ。比較的よく使うしね。
ただ、現状の三割負担が、四割五割と今後増えていくとしたら、また滞納を考えなきゃいかんかも(考えるのか)。
なにしろ、
「助け合い」
という言葉は、本当うさんくさい。
大体、助け「合う」んだったら、個々の蓄えでトントンになる道理で、他人いらないじゃん。
一定水準以上の重病とか、生活能力の欠落とかになった場合のみ、生活保護の如く税金から支給でもすりゃあ良いのに。
そうすりゃ、人件費や謎の接待費も浮くってもんだ。
保険制度というのは運の悪いヤツを運のないヤツ程度に引き上げるための「いざというときの備え」であって、万人をまんべんなく救う「助け合い」ではない。断じてない。ぶっちゃけ、あり得ない。
書類を再び見直しても、他に書くところはないので、ボスに提出。
こんなに細々文字が書かれている書類を、まあよく使わせるわい。
学校の義務教育、中学校までの教育の目的ってのは、理屈ではこれが理解できるレベルの読解力、計算力を身に付けさせる事だと思うが(納税できない国民はあり得ないし)、さてさて、そんなに平易かなぁ。中学は中学でも、旧制中学とかと一緒にしとらんか。ああ、あれは義務教育じゃないか。
さて。
サラリーを貰う人間としては、控除らしい控除はこれが限界と思われる。
が、折角確定申告をするのだから、噂の「必要経費」ってヤツを計上したいところ。
ぼちぼち、それらしい領収書を集める。
通院の領収書、取材費としての旅行代金、通信費としての郵便費用――それからそれから。まだ増えるかも。
でも、必要経費な訳だから、自分の収入の下支えになった経費であるべきなんだろうなぁ。
医療費は使えるって聞いたけれど、それ以外は実際のところ「次の収入」の元だったりすんだよなー。
でも、フリーにとっては、そういう次に備えるための出費は重要だろうしなぁ。
と、その辺諸々ひっくるめて、実際にやってみないと分からんのよなぁ。
ぼらの始まり、とどのつまりは、下手の考え休むに似たり。
明日に希望を持ちましょう。
明日は明日の風が吹く。
だけど今日は今日で風が吹き、今日の風を無視していると、明日に風邪をひくかもよ(何を言ってるんだか)。
続きは、次回。
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