やばいよと少女おびえる公園のベンチで犬のふぐりを洗う
そぞろ神準備終えるとどこへ去る動けばまあまあ戻り来るけど
うすくらい明かりの底の穴のような瞳で猫は見上げては啼く
こわいよと少女おびえる公園で至近距離からファシストの主張
目が覚めて突っ張り竿が傍らに一昔前付けた気はする
沈みゆくやわらかな陽に身をさらし染みだす塩は晩酌のとも
歩けぬと父の具合の報せあり傘寿祝いの傘はキャンセル
十年先でも二十年先でも明日でも同じほどしか見えない
家じゅうの明かりがこんなに暗いのに洗面台だけなぜ明る過ぎる