平成の短歌バトル

第213回 平成の短歌バトル

やばいよと少女おびえる公園のベンチで犬のふぐりを洗う

そぞろ神準備終えるとどこへ去る動けばまあまあ戻り来るけど

うすくらい明かりの底の穴のような瞳で猫は見上げては啼く

こわいよと少女おびえる公園で至近距離からファシストの主張

目が覚めて突っ張り竿が傍らに一昔前付けた気はする

沈みゆくやわらかな陽に身をさらし染みだす塩は晩酌のとも

歩けぬと父の具合の報せあり傘寿祝いの傘はキャンセル

十年先でも二十年先でも明日でも同じほどしか見えない

家じゅうの明かりがこんなに暗いのに洗面台だけなぜ明る過ぎる


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