第98回 平成の短歌バトル
あと何度雪なき週末過ごせるか布団干せる日ジリリ減り行く

あの角を曲がればきっと見えるよね隠れたあの子のあの影法師

いつだってときのはざまにいきているここのわたしがうたをつむぎぬ

かなうならあの日のようなあの町のあの時の中に押し込めてほしい

こうかいはふなのりのきこうちのこすみれんそれともふたたびのうみ

フランスパン買ったらやっぱり余ったが麩だと思ってアレンジの日々

やまはだをそめわたるあきわがこころしみわたるかぜいろはにほへと

気がつけば融け始めてた初雪の泥にまみれた白いパンプス

給料日前に財布に万札が嬉しいようなつまらんような

強力な磁石の如く捕らわれて二歩逃れては打ちつけらる夜

細長く美味き鮭食べ昼餉かな豚汁大きな椀に入れられ

十八時近付きチーズアーモンド珈琲を飲むインスタントで

辛過ぎる鯖に御飯は大量に食べられイカと揚げ豆腐は味噌

大酒に闇と光を巡り果てみな燃え去りてや再生や死や

誰だとも思い出せなき友どもと旅する夢に置き去られ起く


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