第29回平成の短歌バトル結果


得票分散につき、QBOOKS規定に基づき無効といたします。

No. 詠者 得票 備考
01 卓上のミニ観葉の雑草をつまんで捨てる今日は大雨 兎六 2
03 乾杯をみんなと交わす話したいことはあんまり思いつかない
05 そういった音に夜中はズイブンと励まされてね夢なぞ追わず 越冬こあら
07 帰り着く空家ばかりのアパートで出迎えている虫食いのバラ お気楽堂
13 このはしをわたるべからず世界から抜け出す理論/実践 赤胡
14 鬱屈の窓から見えるこの屋根は世界でわたしだけが見てゐる
04 言いに来た筈が何とも言い出せず青いソファーに収まっている 越冬こあら 1
09 大家にもどうやら見捨てられたらしい今日も今日とて傾く湯船 お気楽堂
12 いねといいあるけというにはらもたついぬもあるけばばぼうにあたる 彦星
3*5=15


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推薦作品と感想
感想: 05 そういった音に夜中はズイブンと励まされてね夢なぞ追わず
 無心に聞き入る音が必要な夜も、確かにあると思いました。
 そういった音とはなんだったのか。
07 帰り着く空家ばかりのアパートで出迎えている虫食いのバラ
 漫画的にオチをつけている三首のなかで、虫食いのバラが良いです。
 気品というか、その場限りの笑い話に落ちないことは重要です。
13 このはしをわたるべからず世界から抜け出す理論/実践
 理論および実線なのか、理論または実線なのか。
 14も含めて、宮武さんがこういう歌を詠まれるというのは、なんとなく意外で、読んだかいがありました。(いや、確かにいままでも詠んでいるのですが、それでも)
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 01 卓上のミニ観葉の雑草をつまんで捨てる今日は大雨
 確かに大雨というのは、こんな風に約束されている天気のような気がします。
07 帰り着く空家ばかりのアパートで出迎えている虫食いのバラ
 鮮やかな薔薇色が浮かびました。
14 鬱屈の窓から見えるこの屋根は世界でわたしだけが見てゐる
 曇天の瓦屋根。わたしだけの視点、わたしだけの世界。
票者: 当バトル参加者

感想: 03 乾杯をみんなと交わす話したいことはあんまり思いつかない
 結果、なんとなく飲み代の3500円が高い気がする。行かなくなる。
09 大家にもどうやら見捨てられたらしい今日も今日とて傾く湯船
 毎回傾く方向が違ったりして。どうも亀が支えているんじゃないか、この風呂は。
12 いねといいあるけというにはらもたついぬもあるけばばぼうにあたる
 こういう日もある、と飲みこめればいいのになぜ人はぼやくのか……。
票者: 当バトル参加者

感想: 01 卓上のミニ観葉の雑草をつまんで捨てる今日は大雨
草取りと大雨の取り合わせが面白いです。
04 言いに来た筈が何とも言い出せず青いソファーに収まっている 
苦情を言いに行ってソファーに収まる(すわり心地?)01と同じような対比の良さなのでしょうか。 
13 このはしをわたるべからず世界から抜け出す理論/実践 
抜け出す理論実践がいいですね。結局選んだのは、上の句と下の句の対比の良さを見てしまったのかも。
票者: 当バトル参加者

感想: 03 乾杯をみんなと交わす話したいことはあんまり思いつかない 
 ただその場に居合わせているだけでいい、そういう心境もあります。  
05 そういった音に夜中はズイブンと励まされてね夢なぞ追わず 
 踏み切りのそばに住むとだんだんと、その音がないと落ち着かなくなるそうな。  
「そういった音」はそういった音と読んだ。 
 人が雑音・騒音と呼ぶものに励まされることもあるかもなぁと思う。  
14 鬱屈の窓から見えるこの屋根は世界でわたしだけが見てゐる 
 でも個人個人が別々の「鬱屈の窓」を持っていて、 
 別々の屋根を別々の「わたしだけが」見ているのかもしれない…… 
 というふうに読むと「世界」はまた別の様相を呈して虚しく響く。
票者: 本バトル参加者

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