第26回平成の短歌バトル結果

膝抱え慌し朝の独居にて何ゆえヒトは足の爪切る
新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか
越冬こあら
お気楽堂

おめでとうございます!
以上の句を本バトルチャンピオンといたします。

No. 詠者 得票 備考
08 膝抱え慌し朝の独居にて何ゆえヒトは足の爪切る 越冬こあら 4
11 新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか お気楽堂
03 七月の午前八時の交差点左目ばかり泪を流す 兎六 3
12 暗闇で問いかけられて振り向けば携帯電話の青い点滅 お気楽堂
01 美術室のサッシを閉めてまわったら光とかげのしっぽがちらり 兎六 2
20 赤青のカチワリ吸ひて一対の悪魔になりぬ盆踊りの輪 藤幹子
22 夏にこそブランコよあれ父母の血越へ肉越へ新大陸へ
24 幻がおつとめ品になる店で明日の朝の食パンを買う 百足
25 歯ブラシの買い置き見つけたその場所で大人になった自分に出会う
04 織り姫と彦星出会う夜の下 湯を注ぎ込んで三分待つ 沙汰 1
05 コピー機にからまる紙にいらいらする梅雨が明けるまで少し
07 パリパリとひとりポテチは止まらない塩気に溶けにゅ昨夜にょ決意 越冬こあら
10 二色刷り分版の赤を5ミリ下げる そんなところを見る人のため お気楽堂
13 僕一人部屋の電気をつけたから虫と一緒に帰って来いよ 駄々
16 柔らかなパーカーの袖握り締め夏の匂いが染み付いた夜 弥生
17 ゆらゆらと焚き火に踊る影を追いたいこのおたく岩戸をいずる 彦星
18 人類が滅びし後の空間にホワイトノイズシャーないやない
23 親知らず抜くしかいえぬ歯医者には藪の気有りと心得ておく 百足
3*11=33


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推薦作品と感想
感想: 01 美術室のサッシを閉めてまわったら光とかげのしっぽがちらり
 幻想的な感じがして好きです。

16 柔らかなパーカーの袖握り締め夏の匂いが染み付いた夜
 パーカーの匂いって、寂しげな気がします。

24 幻がおつとめ品になる店で明日の朝の食パンを買う
 幻がおつとめっていうのがいいですね。
票者: 当バトル参加作者

感想: 07 パリパリとひとりポテチは止まらない塩気に溶けにゅ昨夜にょ決意
 とけてるとけてる。
11 新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか
 黄色が、洗面器の黄色がばっちり浮かびました。
20 赤青のカチワリ吸ひて一対の悪魔になりぬ盆踊りの輪
 盆踊り、振り返って他の人と組むことにも。
票者: 当バトル参加作者

感想: 03 七月の午前八時の交差点左目ばかり泪を流す
 「泪」という字に魅力を感じました。

11 新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか
 ケロリン! 懐かしいです。いまだに残っているんでしょうか。

25 歯ブラシの買い置き見つけたその場所で大人になった自分に出会う
 大人になった自分と、私も是非、逢ってみたいです。
票者: 当バトル参加者

感想: 04 織り姫と彦星出会う夜の下 湯を注ぎ込んで三分待つ
同じ「待つ」という行為でありながら、上句と下句の落差から孤独感を一層感じました。

13 僕一人部屋の電気をつけたから虫と一緒に帰って来いよ
「誘蛾灯」というよりは、パートナーを求める「蛍」の明滅ですね。

22 夏にこそブランコよあれ父母の血越へ肉越へ新大陸へ
『ブランコよあれ』の言い切りに“この人”はきっとどこにも行か(け)ないことを分
かっているのだと思いました。ぶんと空に飛び出すような感覚が切なくて、一票。
票者: 一般読者

感想: 08 膝抱え慌し朝の独居にて何ゆえヒトは足の爪切る
理由なんて無いかもしれないけれど、慌てて爪切りを探す自分が居る。
13 僕一人部屋の電気をつけたから虫と一緒に帰って来いよ
「帰って来いよ」が優しくて、男らしくて、好き。
20 赤青のカチワリ吸ひて一対の悪魔になりぬ盆踊りの輪
季節感がある。お祭りの夜の独特な雰囲気を思い出しました。
票者: 本バトル参加者

感想: 03 七月の午前八時の交差点左目ばかり泪を流す
やりすぎなかんじもするけど、やられました
05 コピー機にからまる紙にいらいらする梅雨が明けるまで少し
音を考えるといらいらする の言葉にもっと工夫がほしかったけど、いらいらするのはやっぱりいらいらするのでいらいらするのです。
10 二色刷り分版の赤を5ミリ下げる そんなところを見る人のため
本当に5ミリでいいか考えるそんなところを見る人だから
票者: このバトルの参加作者

感想: 03 七月の午前八時の交差点左目ばかり泪を流す
午前八時は納得できる時間かどうか、判断の分かれる所。片目だけ泣いてしまうことは確かにある。

08 膝抱え慌し朝の独居にて何ゆえヒトは足の爪切る
 忙しいときほど、今やらなくて良いことをやりたくなる。

11 新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか
 黄色い桶があざやかに見えて良い。
票者: このバトルの参加作者

感想: 08 膝抱え慌し朝の独居にて何ゆえヒトは足の爪切る
 わはは、何ゆえってあなた、そんなのんびりさんはめったにいません。
 「ヒト」と表記するとヘンな動物じみていいなぁ。
  
22 夏にこそブランコよあれ父母の血越へ肉越へ新大陸へ
 だいじょうぶ、子供はいつも親を超えていきますから。
 夏って一番成長する季節かも。
  
24 幻がおつとめ品になる店で明日の朝の食パンを買う
 売れ残って値下げされる幻。おもしろい。幻は何なのか具体的に考えないで読む方がいいなぁと思った。(楽)
票者: このバトルの参加作者

感想:  今回の彦星さんは面白いな。7月だからか?
17 ゆらゆらと焚き火に踊る影を追いたいこのおたく岩戸をいずる
 太鼓のオタク/太古のオタク? どっちも面白い。
18 人類が滅びし後の空間にホワイトノイズシャーないやない
 そらしゃーないわいな。だどもそのノイズば聞く彼は誰ぞ?
25 歯ブラシの買い置き見つけたその場所で大人になった自分に出会う
 行間を読ませる力。うまいね。(宮)
票者: このバトルの参加作者

感想: 08 膝抱え慌し朝の独居にて何ゆえヒトは足の爪切る
何ゆえでしょうか。

11 新装の宝湯にまだケロリンの黄色い桶は残っているか
残っててくれろ

12 暗闇で問いかけられて振り向けば携帯電話の青い点滅
ああ、希望がキラリ
票者: このバトルの参加作者

感想: 01 美術室のサッシを閉めてまわったら光とかげのしっぽがちらり
黒猫ですか、ちょっとドッキリ夏の夜回りの雰囲気

12 暗闇で問いかけられて振り向けば携帯電話の青い点滅
  歩きながら電話するなよ・・・もしもしで振り向くよね!

23 親知らず抜くしかいえぬ歯医者には藪の気有りと心得ておく
  心得たら通えません・・・
  結局三首 夏に涼しそうな快談選んでしまったようです。
票者: このバトルの参加作者
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