第14回平成の短歌バトル結果

おめでとうございます!
泥棒も寄り付かぬ態のアパートでそれでも鍵は掛けて出かける お気楽堂

以上の句が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
18 泥棒も寄り付かぬ態のアパートでそれでも鍵は掛けて出かける お気楽堂 3
07 丹精をこめて咲かせし紅のサツキの蜜を花散らし吸う ようこさん 2
09 靴下の模様褒められさりながらうれしくもなし授業参観 2
13 古くさい光溢れる畦道で去年の恋と今すれ違う 弥生 2
14 悲しみで花咲くものかとラジオから諭されてなほ起きられません 宮武赤胡 2
16 切り株が新しければ周りにはひとりやふたり妖精がいる お気楽堂 2
17 花びらの浮かぶ湯船に身を浸し頭の中に描くモルディブ 2
22 煮て焼いて塩胡椒つけて味付けてこの脂肪でさえ食べてやる。 桐生遥歌 2
29 約束も方程式も汗のなか天井越しに灼ける太陽 兎六 2
04 どこまでも雲の流れは美しくその奥にある太陽を見たい 駄々 1
06 さようなら悔し涙をかみしめて僕はこれから家へと帰る 1
11 夏空に白球舞って5回裏鳴らないでくれ君のトランペット 弥生 1
23 ブラックのコーヒーに映る/『ゴメン、あと五分』/午後2時君を待つスタバにて 桐生遥歌 1
24 エスカルゴなら紫陽花にいるだろう名前かえても所詮ナメクジ 1
26 「恩義や」と生れ落ちたが死に始め盗って獲られて「紛議や」と逝く 越冬こあら 1
27 昼下がり湿ったベンチに腰かけてニンテンドーに命預ける 1
32 紫陽花の横に並んで咲いた傘 淡い雨音 只々静かに そめいよしの 1
3*9=27


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。

推薦作品と感想
感想: 13 古くさい光溢れる畦道で去年の恋と今すれ違う
 弥生さんこの歌いいです。私みたいなおばさんもいろんな場所でいろんな古いものにすれちがってけっこうじたばたします・・・去年の恋だったら。きっとすれ違う勇気はないな逃げるなとかいろいろ想像してしまいました

16 切り株が新しければ周りにはひとりやふたり妖精がいる
 いますよね。確かに。

17 花びらの浮かぶ湯船に身を浸し頭の中に描くモルディブ お気楽堂さんの3首目の歌で「泥棒も寄り付かぬ態のアパート・・」と歌っておられて・・そのあぱーとでの「モルディブなのかと思うと16のメルヘンとこのロマンティック底知れなさを感じ2首とってしまいました
票者: 当バトル参加作者

感想: 作品が多くなって嬉しいですね。その分選ぶのは苦労しますが。
(あと二つ三つ選びたいところ)

07 丹精をこめて咲かせし紅のサツキの蜜を花散らし吸う
  色っぽい歌に読めなくもない、その辺りが好き。

26 「恩義や」と生れ落ちたが死に始め盗って獲られて「紛議や」と逝く
  上手い!逝く時が「紛議や」ってのはお金持ちの証拠ですな。

29 約束も方程式も汗のなか天井越しに灼ける太陽
  太陽を「天井越し」で捉える感覚が好み。
  脳味噌も沸騰しそうな暑さの中、答案用紙に向かっているとも読めるし、
  思考回路も溶けるような状況が繰り広げられているとも読める。
  
今月は読む私がちょっとシモネタンカ風になっている。
彦星さん03も、それなりに面白いと思う。「いと寒く」ないのが残念。
票者: 当バトル参加作者

感想: 09 靴下の模様褒められさりながらうれしくもなし授業参観
 靴下。なにを、なぜ、ほめられたのか。褒めた主が誰かによって違うドラマ。
17 花びらの浮かぶ湯船に身を浸し頭の中に描くモルディブ
 モルヂブ……珈琲? 珈琲と花びらの町。……うん。
18 泥棒も寄り付かぬ態のアパートでそれでも鍵は掛けて出かける
 そのアパートで几帳面に生きる男。人物像が浮かぶ浮かぶ。(み)
票者: 当バトル参加作者

感想: 14 悲しみで花咲くものかとラジオから諭されてなほ起きられません
 ゆるやかな二段落ち。なさけない顔を見せる、というのは、魅力なのです。

16 切り株が新しければ周りにはひとりやふたり妖精がいる
 メルヘンタッチが好みであります。
 新しい切り株。無論、チェーンソーの切り口は不可ですね。

18 泥棒も寄り付かぬ態のアパートでそれでも鍵は掛けて出かける
 なんで、なんでもないことなのに面白いのかなぁと思ったら、きっちり最後に落としているんですね。
票者: 当バトル参加作者

感想: 11 夏空に白球舞って5回裏鳴らないでくれ君のトランペット
22 煮て焼いて塩胡椒つけて味付けてこの脂肪でさえ食べてやる。
27 昼下がり湿ったベンチに腰かけてニンテンドーに命預ける


11 戦いは始まったばかり?
22 誰かさんに言いたい
27 これもまた戦い
票者: 当バトル参加作者

感想: 07 丹精をこめて咲かせし紅のサツキの蜜を花散らし吸う
13 古くさい光溢れる畦道で去年の恋と今すれ違う
29 約束も方程式も汗のなか天井越しに灼ける太陽


07では、特に艶かしさを。
13では、初々しき昔の自分に対する気恥ずかしさと切なさを。
29では、心の中の焦燥感と焼けるような夏の匂いを。

それぞれ感じました。
票者: 当バトル参加作者

感想: 22 煮て焼いて塩胡椒つけて味付けてこの脂肪でさえ食べてやる。
23 ブラックのコーヒーに映る/『ゴメン、あと五分』/午後2時君を待つスタバにて
24 エスカルゴなら紫陽花にいるだろう名前かえても所詮ナメクジ


22 シャイな勢いとテンポの良さ
23 スタバの伝言板がコーヒーに映るてことなのでしょうが、やはりテンポが いいです
24 軽妙な嫌味とテンポの良さで軽く読み流せて3つとも楽しいです
票者: 当バトル参加作者

感想: 06 さようなら悔し涙をかみしめて僕はこれから家へと帰る
 ストレートでシンプル。わかりやすい。

09 靴下の模様褒められさりながらうれしくもなし授業参観
 褒められたのが「靴下の模様」だというところに現実味があり、グッと惹きつけられま
した。

14 悲しみで花咲くものかとラジオから諭されてなほ起きられません
 ラジオに諭されるなんて、それでも起きられないなんて……情けなく、しょうもなく、
そして、悲しい。
票者: 当バトル参加者


 ◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
 ◆作品の著作権は各作者に帰属します。
 ◆掲載記事に関する編集編纂はQ書房が優先します。
 ◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。
 ◆お問い合わせはQBOOKSインフォまで
Edited and published by QSHOBOU Japan. No reproduction and republication is permitted.