第3回平成の短歌バトル結果

おめでとうございます!

もし犬になったら朝は楽しかろ散歩にご飯ぺろりとごろり 越冬こあら 

第3回の勝者は越冬こあらさんです!

作品 作者 得票
もし犬になったら朝は楽しかろ散歩にご飯ぺろりとごろり 越冬こあら 6
梅干のしょっぱ辛さの匂い在り白紙のノートをめくる風から 瓜生遼子 4
「真実はうそでくるんで甘くしたんだからちゃんと一人で飲んで」 安芸賢治 3
天に向くハンドレールに手を添えて二段抜かしで我発進す 越冬こあら 3
伝えたい 言葉はたくさん あるんです うまく言葉に ならないだけで 桐生遥歌 2
痛みなど 気付かなければ 痛くない 気付いた時には もう遅いけど 桐生遥歌 2
理窟ではわかってるわと涙声星よ流れろ地球よ廻れ 越冬こあら 2
もし君にひとつだけ過去をばらすならシャツのボタンは留めてからにする 宮武赤胡 2
もう死のうもう死のうもう死のうもうこれを送信したら死ぬ 嘘 安芸賢治 1
もう死ぬと云ひてやまぬ君の口を閉じさせるため鼻をつまみぬ 宮武赤胡 1
一瞥を過去の男に呉れてやれ夢の間に間に魔の浮くなれば 宮武赤胡 1
27[3*9]


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 越冬こあらさんは三期連続優勝、グランドチャンピオンに決定しました!



推薦作品と感想
感想: ◆安芸賢治
「真実はうそでくるんで甘くしたんだからちゃんと一人で飲んで」
 
 どういったことがあったのか知らないけど。小説になりそうな言葉。

◆越冬こあら
天に向くハンドレールに手を添えて二段抜かしで我発進す

 今回は「自殺」が多い。隠れテーマだったのか? 悲しいより勇ましくって好き。

◆越冬こあら
もし犬になったら朝は楽しかろ散歩にご飯ぺろりとごろり

 ああ、楽しそう。でも実際は寂しかったり、人間に殴られて困ったりするんだろうな。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 「梅干の〜」は帰省だろうか。ちょっとした意識のブレが見える良句。
「天に向く〜」はこあら師範の本領発揮。暑さにめげない快活さ(空元気?)が「我発進す」にあらわれています。
「もし犬に〜」もいい句だが「朝」に限定したあたりに不満を感じる。けど、お気楽な感じが「ぺろりにごろり」に出ていていい。(みやたけ)
票者: このバトルの参加作者

感想: 理屈では・・・リズムがよくて、読みやすかった。
伝えたい・・・ストレート、それでいて共感しちゃう。
もし犬になったら・・・犬、好き。犬の愛らしさが伝わってくる作品だった。
票者: このバトルへの参加作者

感想: ●痛みなど 気付かなければ 痛くない 気付いた時には もう遅いけど
自分のやってることのイタさも、気づかなければイタくない。
気付いた時にはもう遅いけど。

●もし犬になったら朝は楽しかろ散歩にご飯ぺろりとごろり
わたしは犬になりたい。
わたしは犬になれない。
そんな真実に直面したときは、

●もう死ぬと云ひてやまぬ君の口を閉じさせるため鼻をつまみぬ
つまりこうしてもらいたいのでした。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 「真実は…」破天荒だが、句からストーリーが浮かぶ。ドラマチック。
「天に向く…」ディスカバリー号も無事帰還。良かったねえ、宇宙への夢は止まないねえ。未来に向かう若々しさが感じられてロマンチック。
「一瞥を過去の…」ああ、どろどろしい。だけど情念に咲く赤い薔薇のような妖艶な美しさがある。どうしたんですか、宮武さん。むしろちょっと斜に構えたしゃれた作風だと思っていたのに今回妙に色っぽくって良いですよ〜。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: もし君に……どんなシーンでの句なのかがいまいち分からなかったけど、どうにも色っぽいというか、大人っぽいムードがあるというか……まだまだ尻の青いガキンチョな私としては憧れたわけですよ、ハッハッハ(照

もし犬に……まったくだ。それにしても 朝は という限定が悲しいなぁと思いました。

もう死のう……嘘かよ!!でも、実際死にたいと思うとき、最後に逃げてしまうものなんですよね。なんだかんだいっても生きようとしてしまうというか。最後の嘘に茶目っ気を感じ、前記のような感情を受けてしまったので。
票者: このバトルへの参加作者

感想: もし犬になったら朝は楽しかろ散歩にご飯ぺろりとごろり
  楽しい想像。幸せそうな犬と、犬を幸せにできる飼い主に一票。

理窟ではわかってるわと涙声星よ流れろ地球よ廻れ
  天を仰ぐほか無いという気持ち。
  短い言葉なのに二人分の情景が伝わりました。

梅干のしょっぱ辛さの匂い在り白紙のノートをめくる風から
  梅干しの匂いの風。親戚の方の家の匂いでしょうか。
  子供の頃の夏休みが懐かしくなりました。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 痛みなど 気付かなければ 痛くない 気付いた時には もう遅いけど
 前半を読んで、ツッコミたくなる丁度のタイミングで「もう遅いけど」と意外な展開に持っていかれた。

「真実はうそでくるんで甘くしたんだからちゃんと一人で飲んで」
 五七五と区切ると「んだからちゃんと」というふうに切り取れて、可愛らしい。

梅干のしょっぱ辛さの匂い在り白紙のノートをめくる風から
 空虚なノートの無味無臭の中に匂いを追う感性が清々しい。
票者: このバトルの参加作者

感想: もし君に…ちょっと緊張、みたいな感情の動きが面白くて。
伝えたい…技術としてどうかなんてどうでもいい。自分が若いってちゃんと分かってて素直に正直に詠んでるところをとても評価したい。
梅干の…やっぱり夏の匂いのする句は選んでしまいます。梅干のにおいがパソコンから漂ってきて口がすっぱいです。
票者: その他のQBOOKS作者