第2回平成の短歌バトル結果

おめでとうございます!
唸るもの飛行機幼児冷蔵庫噛み合わす牙無き頭蓋骨
夏一つばかり土の上に置いた氷砂糖に蟻寄るを待つ
越冬こあら 
宮武赤胡
第二回の勝者は越冬こあらさん宮武赤胡です! 越冬こあらさんおめでとうございます!

作品 作者 得票
唸るもの飛行機幼児冷蔵庫噛み合わす牙無き頭蓋骨 越冬こあら 4
夏一つばかり土の上に置いた氷砂糖に蟻寄るを待つ 宮武赤胡 4
樹林越し煉瓦造りの古家有りタイムマシンの未だ届かず 越冬こあら 3
静けさに 家路を急ぐ 星の空/昼の残り香 塩素の匂い ゆふな さき 2
不ぞろいの野菜を切るや魔の刻に蛙は哭きて闇を呼ぶらん 瓜生遼子 2
水張りのたらいに鮒は身を揺らし追う追う手は触るぬめぬめしさかな 瓜生遼子 2
メール打つ画面がとつぜん破裂して指の先まで嘘まみれです 安芸賢治 2
物憂くも 涼しいうちに 目は冴えて/グラス響くよ 冷えた珈琲 ゆふな さき 1
叶えてよ 昇る陽炎 夏期休暇/会えぬあなたの 影を映して ゆふな さき 1
ひとつとせ夜半の雨にも打たれつつバイクは西へ雲を追い越す 宮武赤胡 1
初めての 空を飛んだ 5月蝉 夏を知らずに 死んでいた 桐生遥歌 1
もう恋ができなくなった猫に嘘のつき方とか教わった春 安芸賢治 1
24[3*8]


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推薦作品と感想
感想: 「もう恋ができなくなった猫に嘘のつき方とか教わった春」
「猫」が好きです。嘘つきの猫なんてサイコーです。さらに恋が出来なくなってるなん
て、なんてすてきなんでしょう。

「樹林越し煉瓦造りの古家有りタイムマシンの未だ届かず」
 なんで選んだかな? フィーリング?

「夏一つばかり土の上に置いた氷砂糖に蟻寄るを待つ」
 ちょっとイタイ感じが、かわいそうでカワイイです。
票者: このバトルの参加作者

感想: 夏一つ……なんか夏っぽくて好き。小学校の頃公園で見た景色の気がする。
静けさに……夏は塩素の匂い。すっごい分かる!!
初めての……初々しくて若々しい切なさがいい感じですね。

今回はナツい短歌が多くて、個人的に季節ものは好きなのでよかったです。

(未)
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 樹林越し……物語の始まりみたいで好きです

夏一つ……昔、私もこれやりましたよ。興味心で(笑)

唸るもの……怖いです!でも好きです!なので。

なんだか簡単な感想になってしまってすいません(汗
票者: このバトルへの参加作者

感想: 唸るもの飛行機幼児冷蔵庫噛み合わす牙無き頭蓋骨
  なんとなく好きです。確かに唸る。

水張りのたらいに鮒は身を揺らし追う追う手は触(ふ)るぬめぬめしさかな
  水と鮒の質感。絵だけじゃなくて、音や触覚を写してある感じ。

叶えてよ 昇る陽炎 夏期休暇
会えぬあなたの 影を映して
  「叶えてよ」が、現代の短歌らしい気がしました。
  女の子っぽさがいいと思う。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: ●唸るもの飛行機幼児冷蔵庫噛み合わす牙無き頭蓋骨
ないないないない牙ない。

●樹林越し煉瓦造りの古家有りタイムマシンの未だ届かず
うちの引き出しにも猫型ロボットが来ません。どうなってるんだ。
私、のび太なんかよりもっとのび太なのに。

●ひとつとせ夜半(よわ)の雨にも打たれつつバイクは西へ雲を追い越す
浄土まで行くっきゃないッス。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 物憂くも 涼しいうちに 目は冴えて/グラス響くよ 冷えた珈琲
メール打つ画面がとつぜん破裂して指の先まで嘘まみれです
夏一つばかり土の上に置いた氷砂糖に蟻寄るを待つ


 この三作は、読んですっとその情景が目に浮かんだ。メール打つ画面〜は季語こそなかったけど、非常に共感が持ててしまった。
 他の作品は意味がわからないものが多かった。ここは、素人投稿が多いから、見る人間も僕と同様素人の人たちばかりだと思う。だから、そういう俳句に馴染みがない人間が読んで理解しやすいように簡単な解説をつけてほしい。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 「メール打つ〜」は結局自分自身の気取りでしかないが、そういった作者自身の気付いていないであろう「気取り」をも正確に描写できている。
「不ぞろいの〜」は不ぞろいのという言葉自体がいまひとつ語呂合わせのために起用された感が拭えないが、蛙が台所の裏から呼んでいる、という流れは切々とよくわかる。
「唸るもの〜」は、句の主人である「噛み合わす牙無き頭蓋骨」がでてくるまでのその段取りの上手さである。この辺の見せ方、常套手段とはいえ実に効果的である。
票者: このバトルの参加作者

感想: 静けさに 家路を急ぐ 星の空
昼の残り香 塩素の匂い
 昼間プールで思いっきり遊んだのでしょうか。素直な歌ですね。

不ぞろいの野菜を切るや魔の刻に蛙は哭きて闇を呼ぶらん
 「切る」「魔の刻」「蛙」キーワードが魔女を示唆していて、つまり、本当に切りたいものは他にありそうで恐ろしいです。

水張りのたらいに鮒は身を揺らし追う追う手は触(ふ)るぬめぬめしさかな
 「ぬめぬめしさ哉」とも「ぬめぬめし魚」とも読めて面白い。オウオウとヌメヌメの韻も効果的ですね。
票者: このバトルへの参加作者