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その7

いとも美しき西洋版画の世界

 今まで、ただ、はちを探してウロウロするという動きだったけれど、たまには何か別の目的をもって動いてみよう、と、考えた。
 何か面白い見所はないかな。
 ネットで検索してみた。
 すると、八王子市夢美術館の特別展「いとも美しき西洋版画の世界」というのがあった。
 へえ、美術館か。
 行ってみよう。

 別件で町田に用事があったので、横浜線で八王子へ来た。
 八王子夢美術館は、と。
 北口から出て斜めの道を真っ直ぐか。
 何度か通ったような道だな。
 ぶらぶらと歩く。
 ああ、フリーマーケットやってる。
 フリーマーケットは、自由のフリーではなく、蚤を意味するフリーなんだぜ、という豆知識を交えつつ先へと進む。
 甲州街道と交わったところで、斜めの道は終了。西へ歩く。
 ああ、この角のセブンイレブンて、確かこの前のお祭りの時の会場の端っこの目安になってた気がするな。
 ぼちぼちと歩くうちに、大きなビルに辿り着いた。
 ビュータワー八王子。
 これだ。
 入り口から中へ入る。
 妙にがらんとしたロビーから、エレベーターで二階の八王子夢美術館へ到着ー。

 受付兼ミュージアムショップのカウンターで500円のチケットを買い、中へ入る。当然、撮影禁止なので写真はない。
 ずらりと並んだ西洋版画。
 ほー。
 細かいな。
 ルーペの貸し出しをするぐらい細かい。
 本当細かい。似顔なんか、写真のよう。
 なるほど、筆に墨を付けるよりも、版画の板に傷を付けてインクを染みこませて紙に印刷する方が、より細い線が描けるのか。版画を選ぶのは、ただ、複数枚作れるという理由だけでもないんだな。
 一方で油絵のように、緻密とは正反対の技法も共存していたのだろうから奥深いものだ。
 題材はキリスト教的なものが多い。七つの大罪なんてのもある。
 時代毎に分けた展示で、時代が進む毎に線が太くなり、写実性が薄れて来るのがちょっと面白い。
 写真が出たせいで、写実性に拘る必要がなくなった、と。なるほど。
 でも憶測だけど、職人的精緻さが持つ時間的、経済的、技術的作成コスト――とりわけ時間的コストが――芸術家の表現すべき内容と量的に釣り合わなくなったから、精緻さが省略されたんではないかなぁ。
 時間と労力とモチベーションが無限にあったとしたら、かつての版画の精緻さを注ぎ込んで表現したいと思った芸術家も多かったんではなかろうか。

 近代の版画に移行し、ピカソやミレーも出て来る。
 ここらでようやくカラーの版画が出て来た。
 こうして見ると、カラーの版画は本当に最近にならないと出て来てないんだな。初期の緻密な彫り方だと、多色刷りは難しそうだし。
 これなら、西洋で浮世絵がもてはやされたというのも納得出来る。
 こうして、全展示品を見終えて、八王子夢美術館を後にした。

 さて。
 はちはどうしようかなぁ。
 中に何かあるかと思ったら、結局撮影禁止だったし、それらしいものは見つからなかったし。
 まあ食事にでもするかな。
 そうメニューは……。

 八宝菜来たーーーー!

 店閉まってたけど。
 でも、八宝菜の写真はあったので、はち発見、目的達成。

 食事はかつやに入って、生ビールとカツカレーの一番肉の小さいヤツをご飯大盛りで食べた。
 福神漬けの類がないんだっけなぁ、かつやのカツカレーは。カレー自体に具がないだけに、ちょっと寂しい。

 さて、次回は堂々の最終回。
 怒濤の展開には、多分ならない。
 刮目――はせずに待て! こすると角膜に傷が付いて良くないから!




取材と写真:ごんぱち/08年12月7日日曜日■
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