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その1

「はち」を見つける散策

 この度、八王子の街をネタに連載する事になった。というか、そう決めた、割と自分で勝手に。
 で、ただ漫然と「何か目に付いた物」では企画的にダレるので、何か縛りを入れる事にした。そこそこ面白味があり、無理がなく、ちょっと読者さんも真似出来そうだけど、あんまりやらないようなもの。
 という事で、八王子にちなんで「はち」を見つける散策としてみた。
 ――安直は百も承知さ!

 当方海老名市民なので、八王子へ往復するだけで九六〇円かかる。これを節約する為、さいたま新都心で実施されるエイベックスの株主総会に行くついでに取材する事にした。
 朝の七時二〇分発の相模線で出発、八時過ぎに八王子駅に到着し、北口から出た。九時頃までに戻って来れば良い、使える時間は一時間。
 放射状に広がる道路を見ながら、「毎回別々の道を直進するって手もあるよなぁ」等と思いつつ、一本の道を選び進む。
 正直、車のナンバープレートなり、看板の電話番号なり、数字の8は一杯ある。でもそれは簡単すぎる。さりとて、そういうちっぽけな8だけを山ほど集めてコラージュする――とかは、逆に大変過ぎる。

 ――にしても、ないな、はち。

 時間も限られてんだよ、頼むよ。日を改めたくないんだよ。今なんか見つけたいんだよ。
 なんかないか、こじつけで良いから、ないか、ないか? ないか!
 どんどん駅が遠くなる。
 一時間しか滞在時間がないという事は、行きに三十分しか使えないという事だ。
 はち、はち、はちごろう、うっかりはちべえ、はちやりょうへい、はちのむさしはしんだのさ、かってにしんどばっと、勝手に芯ドバッと……。
 早足で進んでいると、一軒の家に看板が。
「尺八教授」
 あった、尺八教室だ!
 あったよ、やったよ、見つけたよ!
 良い感じに有り触れてない「はち」だよ!
 あー、やれやれ。
 教室とは言っても個人宅なので、ウロウロしていては不審者認定されるに違いないので、さっさと八王子駅に戻った。

 多分、尺八の先生的には、ワールドワイドに宣伝をする意図はないと思うので、看板は載せずに、道路に面した庭木のキウイの写真を。
 ちなみに、小学校の頃、給食に出たキウイを食べ過ぎて口の中が痛くなった事があった。
 数年経って、キウイにタンパク質分解酵素が含まれている事を知り、妙に納得した。知識と体験は相乗効果。




取材と写真:ごんぱち/08年6月23日■
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