第26回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!

 梅の夜のうたたねの夢書きとめる 兎六
 早春の雲間にららら科学の子 越冬こあら
 願いごと喉につかえし恵方巻
 雪の莫い東京にいて「否」と云ふ
青野岬
宮武赤胡
以上の句が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票 備考
06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる 兎六 6
15 早春の雲間にららら科学の子 越冬こあら 5
18 願いごと喉につかえし恵方巻 青野岬 4
20 雪の莫い東京にいて「否」と云ふ 宮武赤胡
08 闘魂を初可燃ゴミ出しそびれ ようこさん。 3
02 スタットレスタイヤが減ってしょうがない 駄々 2
03 神棚にとまりし蠅の命乞う ようこさん。
09 春寒の未明人身事故多発 越冬こあら
13 瞑目の人そのままになづな出づ 宮武赤胡
17 日曜のステップ踏めば芽吹きたる お気楽堂
01 若き兵泣いて笑って二月逝く 青野岬 1
07 待春の日向のノート二三冊 兎六
11 アロエ咲いて遠くの人の訪ね来る 兎六
14 雪国で雪かきしない味気ない 駄々
16 歳三と豊玉のさかひ梅香る お気楽堂
21 春暁のビル屋上の水タンク 越冬こあら
8*5=40


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。

推薦作品と感想
感想: 08 闘魂を初可燃ゴミ出しそびれ
 「初可燃ゴミ」なんてすっとぼけていておもしろかった。
 そりゃ、闘魂も出てこないっすね。
09 春寒の未明人身事故多発
 人身事故というと、ダイヤが乱れて大変なんて考える。
 急な寒さに、保身的な気持ちになるのでしょうか。
15 早春の雲間にららら科学の子
 雲間に見える幻想でしょうか。
 早春の冷たい空気はそういうものを見るのに悪くないなと思いました。
18 願いごと喉につかえし恵方巻
 ひょっとして飲み込むべき願い事だったのかな、とか、ふかよみしてみたり。
 気持ちの表現が素直で、好感を持ちました。
20 雪の莫い東京にいて「否」と云ふ
 この雰囲気。個性が前面に出てていいなぁ。
 今月のいちおしです。
選者: 当バトル参加作者

感想: 02 スタットレスタイヤが減ってしょうがない

せっかくスタットレスに履き替えたのに、いっこうに雪は降らない。
でも普通のタイヤに戻した途端に雪が降ったら困る。
もう少し、このまま様子を見ようか……我が家もこんな感じです。

03 神棚にとまりし蠅の命乞う

小さな虫(蝿)にも命がある。
しかも止まっていたのが神棚では、余計に無駄な殺生はできないですね。

06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる

梅の花を愛でながら眠ると、どんな夢を見るのでしょう?
なんとなく猫になった夢を見そうです……根拠はありませんが。
そんなイメージ。可愛い句だと思います。

09 春寒の未明人身事故多発

まだ寒いのに暦の上ではもう春。
そんな季節の境目に、あの世とこの世の境目を重ねてしまいます。
人身事故が多発する夜は、彼岸から誰かが呼んでいるのかもしれないです。

14 雪国で雪かきしない味気ない

去年の冬は大雪だったのに、今年の冬は本当に暖冬でした。でも雪かきは(特に年配の方には)本当に大変な作業だと思うので、それがないことを寂しく思うのは、都会に住む者のエゴなのかもしれません。
選者: 当バトル参加作者

感想: 05 春一番私を置いて何処へ行く
 私も、いつも、置いていかれます。

08 闘魂を初可燃ゴミ出しそびれ
 この無駄なパワーが心地良い。

11 アロエ咲いて遠くの人の訪ね来る
 アロエの花から連想すると、訪ねて来られたのは、異星人の方でしょうか。

17 日曜のステップ踏めば芽吹きたる
 楽しい、楽しい。

20 雪の莫い東京にいて「否」と云ふ
 謎の中に深いドラマを感じました。
選者: 当バトル参加作者

感想: 03 神棚にとまりし蠅の命乞う
虫に天罰下るか否か
06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる
のんびりとした空気がよかったです
08 闘魂を初可燃ゴミ出しそびれ
ゴミに出さずに持ってれば良し
15 早春の雲間にららら科学の子
アシモの次はアトムかな
17 日曜のステップ踏めば芽吹きたる
うきうき気分がよかった
選者: 当バトル参加作者

感想: 02 スタットレスタイヤが減ってしょうがない
暖冬ですねぇ。雪国育ちとしては、いわゆるスノータイヤやチェーンをいつ着けていつ外すかというのは結構タイミング難しいことを知っております。外したら雪!ってことも多々ある。

06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる
覚えているなんてスゴイ。

07 待春の日向のノート二三冊
訳もなく昔やっていた交換日記なるものを思い出してしまった。

15 早春の雲間にららら科学の子
ああ、これから本格的春になるという期待感とららら科学の子は何ともいい感じ。

20 雪の莫い東京にいて「否」と云ふ
何に?何でもいいか。とにかく「否」、いい、羨ましい。なかなか言えないもので。
選者: 当バトルの参加作者

感想: 06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる→実に正統派ですが他が結構ひねってるので、あえて。
13 瞑目の人そのままになづな出づ→ある種の無常観の中に、ほのかな息吹を感じ。
15 早春の雲間にららら科学の子→アトムが飛んでいるのが見えたのかな。楽しい句です。
18 願いごと喉につかえし恵方巻→何をお願いしたのかな。ほほえましくなる句です。
20 雪の莫い東京にいて「否」と云ふ→解釈を読み手に委ねる。イメージを広げさせる句。
選者: その他のQBOOKS作者

感想: 05 春一番私を置いて何処へ行く
 さ〜てね、あたしゃ知らんよそんなこと。

06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる
 ほほぉう、書き留めたくなる程のいったいどんな夢だったんでしょう?妄想が掻き立て
られます。

13 瞑目の人そのままになづな出づ
 ん〜〜〜〜ん?よくわかんないけど「深い」気がする。

16 歳三と豊玉のさかひ梅香る
 え〜〜〜〜っと、よくわかんないんだけど、「わかった」気がする。

18 願いごと喉につかえし恵方巻
 ああ〜〜っと、わかりやすさ抜群。と思った。
選者: 当バトル参加作者

感想: 01 若き兵泣いて笑って二月逝く
 一月の気分が抜けていよいよ、というところ。
06 梅の夜のうたたねの夢書きとめる
 夜のうたたね、というのがキーかしら。人を待つ様子。
15 早春の雲間にららら科学の子
 「白日夢」なんて片付けちゃつまらない。いたんです、本当に。
18 願いごと喉につかえし恵方巻
 何を願おうか、なんて考えながら物を食うのは難しいことです。
21 春暁のビル屋上の水タンク
 あったかいのです。金属製のタンクも暖かい気がしますが、でも春なので実際はひんやりします。春ですから。(宮)
選者: 当バトル参加作者

 ◆Q書房QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
 ◆作品の著作権は各作者に帰属します。
 ◆掲載記事に関する編集編纂はQ書房が優先します。
 ◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。
 ◆お問い合わせはQBOOKSインフォまで
Edited and published by QSHOBOU Japan. No reproduction and republication is permitted.