第25回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!

 冬の夜濃くなっていく紅茶かな カナ
 かぜひいたみたいと言ってそれっきり
 すみっこにいるお年玉あけている
兎六
 QBOOKS規定に準拠し、該当者無しとさせていただきます。
以上の句が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票 備考
26 冬の夜濃くなっていく紅茶かな カナ 5
11 かぜひいたみたいと言ってそれっきり 兎六 4
29 すみっこにいるお年玉あけている カナ
02 けんばんの重たきピアノ冬林檎 兎六 3
08 枯蔦の抵抗せし築五十年 宮武赤胡
09 ものいえば寒きくちびる明太子 ようこさん。
24 戦友も丸く変わりし年賀状 青野岬
28 寒の暮小言幸兵衛ご帰宅す 越冬こあら
01 春と言うその口からも白い息 瓜生遼子 2
04 成人式振袖ギャル語意味不明 お気楽堂
05 本閉じて今年もどうもありがとう 駄々
12 あけましてメール返らぬことも知り 瓜生遼子
17 霜焼はマウス握らぬ小指だけ お気楽堂
18 朝靄を風と争ひ消す日の出 彦星
19 年明けは上客となり子ども様 青野岬
21 七日粥各自チンする大家族 越冬こあら
22 終ひには半紙真つ黒筆始 お気楽堂
30 路線バス暖めきれぬ冬の朝 彦星
03 新年の番組欄の長さかな カナ 1
06 抜きかけた刃おさめて師走行く ようこさん。
13 氷雨から雪に変わるな雨となれ 彦星
14 じゃがいもの芽のしたたかを見舞う車庫 宮武赤胡
15 呑まれ酒外には椿紅と白 瓜生遼子
23 成人式行かぬ息子の遅き朝 越冬こあら
27 目を閉じて南へ心をワープする 駄々
11*5=55


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。

推薦作品と感想
感想: 15 呑まれ酒外には椿紅と白
 酒に呑まれるように呑んでいて、外には椿が咲いている。
 酔っているなぁという、一種の安定感。

18 朝靄を風と争ひ消す日の出
 早起きして初日の出を見たという経験がないのですが、こういう初日の出を見たいと思
いました。

26 冬の夜濃くなっていく紅茶かな
 冬の夜の時間の流れ。
 寒い日の室内って、濃くなっていく紅茶の感じです。

29 すみっこにいるお年玉あけている
 破調のリズムのぎこちなさが、情景とあっている。
 ちいさいころ、めったに会わない親戚と会ったとき、こういう感じになっていました。
今も。

30 路線バス暖めきれぬ冬の朝
 乗客も少ない。座ってもしばらく背中を丸めて、寒さをしのぐ。
 経験あるので、一票。
選者: 当バトル参加作者

感想: 06 抜きかけた刃おさめて師走行く:殺伐とした句ですが、もうすぐ正月だからまあ穏便に収めてやるか、というハッピーエンドなので好感が持てました。
14 じゃがいもの芽のしたたかを見舞う車庫:芽が育つとジャガイモが痩せるので嫌ですが、生命力を感じますよね。
26 冬の夜濃くなっていく紅茶かな:だんだん酸化していく紅茶の様子に目を留めた観察眼が天晴れ!
28 寒の暮小言幸兵衛ご帰宅す:親父さんでしょうか、好きなこと言わせてあげてよ家くらい。
21 七日粥各自チンする大家族:同じ食卓に着かなくても、伝統の七草粥を食べる家は幸せだと思います。
選者: その他のQBOOKS作者

感想: 02 けんばんの重たきピアノ冬林檎
 ピアノの重さと林檎の重さが伝わってきました。

05 本閉じて今年もどうもありがとう
 お礼を言われても……と思いましたが、素直な気持ちに好感が持てました。

08 枯蔦の抵抗せし築五十年
 お屋敷の解体作業状況でしょうか。痛ましい限りです。

11 かぜひいたみたいと言ってそれっきり
 うまい。携帯電話での会話でしょうか。

26 冬の夜濃くなっていく紅茶かな
 上下するティーバッグから漏れ出す紅茶色の神秘。
選者: 当バトル参加作者

感想: 02 けんばんの重たきピアノ冬林檎
子供かな。かわいい。鍵盤をひらがなにしたのがきいてる。

05 本閉じて今年もどうもありがとう
今年もどうもありがとう、で中七下五を使ったところが句のやわらかさになってる。かわいい(2回目)。

09 ものいえば寒きくちびる明太子
寒いくちびるときたら青くてぶるぶるかしらと思うところに明太子。
思わせぶり。
ものいえば唇寒し秋の風(芭蕉)とも違うイメージのたらこ・たらこ・たらこで面白いと思った。

11 かぜひいたみたいと言ってそれっきり
脈はないな!
ひらがなが多くて、さらっとした感じなのが句の意味というか雰囲気に合ってる。

12 あけましてメール返らぬことも知り
あけましてメール返らぬ、とドンマイ!な感じで読むか
あけましてメール/返らぬ事も知り、と切って何が誰が帰ってこないんだよーと悩むか、みたいに、よみかたが色々あって面白いかも、とおもった。
私はあけおめメールは返しません。めんどいから
選者: 当バトル参加作者

感想: 01 春と言うその口からも白い息
シンプルだけど、情景が鮮やかに思い浮かぶ良い句です。

03 新年の番組欄の長さかな
新年のテレビ番組欄って物凄いことになってますよね(笑)

04 成人式振袖ギャル語意味不明
着慣れない艶やかな着物と、下品な言葉の落差が強烈。
日本は今、大変なことになってます……!

21 七日粥各自チンする大家族
うはは〜!
「作るのは面倒だけど、ちゃんと押さえておきたい」って気持ち、わかる!

22 終ひには半紙真つ黒筆始
今年、我が家では畳まで黒くされてしまいました(泣)
選者: 当バトルの参加作者

感想: 調子に乗っていろいろ書いてみる。

02 けんばんの重たきピアノ冬林檎

 鍵盤って冷たいから、寒いときなんて手が回らない。
 冬林檎はどこから?って思ったけど、多分私の語感がないせいでしょう。
 それにしても、季語をどう入れるかは難しいものです。
 でも赤と白と黒の色合いが綺麗だったから投句。

03 新年の番組欄の長さかな

 うん、長いですね。そして結構つまらないですよね。
 納得はできるけど、「うん、そうだね」ってところで終わってしまいました。

04 成人式振袖ギャル語意味不明

 私ゃ、一応いまどきの女子大生ですが、ギャル文字ギャル語ともにわかんないです。
 それは成人式のときだけじゃないけれど、成人式のときに悪い意味でその訳の分からなさが引き立っちゃうものなのかしら。
 まぁ文字も言葉も進化していくものだから、あさっての方向に進化した例として認めてあげてもよいのでは。
 といっておきながら、友達がギャル文字でメール送ってくると読まずに食べてますが。
 さっきのお手ご用事なぁに〜♪

 そういえばハナミズキ(ひととよう)のカラオケにも ギャル文字バージョンってのがあるんですよね〜。

 これも私の中では「あ、うん、そうだね」ってところでSTOPしました。

07 姫はじめ叶わぬものなら初夢で

 姫はじめ て何?と調べてしまいましたがな。
 そないな言葉があるたぁ知らんかったのぅ。
 じゃけどわしゃそげんこっちゃしりゃせんでえがったがね。
 わしゃあまんだあかさんじゃけんのぅ。
 てことで投票せず。

08 枯蔦の抵抗せし築五十年

 これ結構好きでした。
 枯蔦に抵抗せし じゃなくて 枯蔦の抵抗せし なんですね。
 読み違えてた。

09 ものいえば寒きくちびる明太子

 きょとん という感じ。
 見る視点・表現の視点が違うんだな〜と思わせてくれる一句。

16 一人だけ寒さをしのんでベランダへ

 お酒はおともにいくのかしら。
 夜空を観にいくのかしら。
 それとも朝日を観に行くのかしら。
 いろいろ想像すると楽しい。

19 年明けは上客となり子ども様

 かわいい!
 くすっと笑える句。
 投句。

22 終ひには半紙真つ黒筆始

 一人が書き出すとみんな書きたくなる。
 ちっさい半紙のいろいろなところにいろいろな人が書初めてるのかな。
 心あったまる。投句。

24 戦友も丸く変わりし年賀状

 丸く変わってよかった。
 よいと思います。投句。

26 冬の夜濃くなっていく紅茶かな

 ムードがある句。夜の濃さと紅茶の濃さがあいまっていい感じ。

28 寒の暮小言幸兵衛ご帰宅す

 幸兵衛でよかった。
 たとえ小言幸兵衛でも。投句。

30 路線バス暖めきれぬ冬の朝

 結構寒いよね、路線バス。
 なんだかもうちょっとな感じ。



最後のへんは力尽きました。
二行三行になってます。
投句って難しい。感想書くのはもっと難しい。(りょこ)
選者: 当バトル参加作者

感想: 09 ものいえば寒きくちびる明太子
寒くて唇なめかんです。他の土地でもなめかんというのかな?
13 氷雨から雪に変わるな雨となれ
異常気象だろうが雪国にとっては天国
17 霜焼はマウス握らぬ小指だけ
かじかむ手は氷のよう
19 年明けは上客となり子ども様
できることなら来ないでくれ
24 戦友も丸く変わりし年賀状
どんなひとでも気のいいあいさつ
選者: 当バトル参加作者

感想: 11 かぜひいたみたいと言ってそれっきり
  あらー、気になりますね、こじらせてなければいいけど。
  
12 あけましてメール返らぬことも知り
  無視されたって事かな?メール、たまに行方不明になったりするから微妙。
  
23 成人式行かぬ息子の遅き朝
  昔は行かない方が普通でしたが。
  
28 寒の暮小言幸兵衛ご帰宅す
  あはは、おもしろい。皆から疎まれてるんだろうなぁ。
  
29 すみっこにいるお年玉あけている
  上手い!子供の頃の気持ちを思い出しました。
選者: 当バトル参加作者

感想: 01 春と言うその口からも白い息
春とこと 嘘の口からも 白い息 にみえちゃった

08 枯蔦の抵抗せし築五十年
建物を支えてくれてた蔦?

09 ものいえば寒きくちびる明太子
唇を寒いというやつに熱き辛子付けてやる

11 かぜひいたみたいと言ってそれっきり
おきお付けください、皆様

27 目を閉じて南へ心をワープする
西には行かないで、お金もないし、
選者: 当バトル参加作者

感想: 04 成人式振袖ギャル語意味不明
 意外とTVでは映さんのですが、道端で見かけて、きれいだなと思ったら日本語を喋らなかったという(笑)。
18 朝靄を風と争ひ消す日の出
 日の出の風景なんだけれども、そこに大河ドラマのオープニング張りの演出がドドーンと。かっこいい。
26 冬の夜濃くなっていく紅茶かな
 冬は不思議で、自分の身を守ろうとして着込んだり、カフェインを強くしたり。濃縮されていく、自分。
29 すみっこにいるお年玉あけている
 目に浮かびます。しつけと欲求がせめぎ逢う、なんともいえない様子が。
30 路線バス暖めきれぬ冬の朝
 かなり早朝。これだけの情報で時間まで想定できるのがじつに見事。

 いや、面白かった。(宮)
選者: 当バトル参加作者

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