感想: |
初夏の感じをなんとかしよう、というが多かったが、初夏の「感じ」に対して抽象で表現しようとするとなんとも心許ない。いかに具体的なものにひきつけるかが結句勝負になると思うのだが。
12 油虫いましがたより同居なる
隙間に逃げ込んだものと見られる。あまり殺意のないところがミソ。
14 赤い薔薇一輪貰ふ誕生日
「薔薇を貰った」と特記する状況。惟いもよらぬ、か。
21 勝ち負けを決し立夏の心地良し
何の勝ち負けなのか、までいうとはっきりする。早朝野球とか。
24 帰り道牡丹も薔薇も大き過ぎ
「大き過ぎ」が嘆息である。これか27番を今期の一等賞にしたく。
27 髪切ってスキップラララ夏に入る
スキップラララ。初夏の気分を自分で増幅する気持ち、よくわかるのです。 |