第9回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ 兎六
秋めくや父には父の茹で時間
残さるる自転車に置く夜露かな
5/4の律な壊しそ日暮よ
越冬こあら
兎六
宮武赤胡
秋雨や腹に溜まらず身に付かず
弦切れて虫の音ばかり生きて、闇
越冬こあら
宮武赤胡
以上の句が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
10 酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ 兎六 5
01 秋めくや父には父の茹で時間 越冬こあら 4
12 残さるる自転車に置く夜露かな 兎六 4
18 5/4の律な壊しそ日暮よ 宮武赤胡 4
13 秋雨や腹に溜まらず身に付かず 越冬こあら 3
17 弦切れて虫の音ばかり生きて、闇 宮武赤胡 3
11 どこででも踊れるからだで風鈴 安芸賢治 2
14 髭面が包んでくれた秋茄子 越冬こあら 2
19 傘とじて秋雨しみる帰り道 沙汰 2
21 虫の音の止むまでと居て明けにけり 兎六 2
04 君が去り月は陰るよ名残夢 1
05 緑亀の釣れて秋吹くお祭り日 宮武赤胡 1
06 さよならと呟く声をけす野分 沙汰 1
20 石ころをけり叱られる蝉の墓 安芸賢治 1
5*7=35


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。

 重要なお知らせ→投句だけされて選句されない方がありましたので、お名前を伏せさせていただきました。

 色々の事情はありましょうが、せめて読んで選ぶだけ。いつもニコニコ月内選句といきたいものです。
 (みやたけ)

推薦作品と感想
感想: 感想返句形態。
01.秋めくや父には父の茹で時間
古い時刻表をめくる父 放屁
10.酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ
煮豆しかない 煮豆ならある 箸を
12.残さるる自転車に置く夜露かな
駅前に自転車 サドルをうばわれ
13.秋雨や腹に溜まらず身に付かず
秋雨を吸い毛穴からちらけた
14.髭面が包んでくれた秋茄子
不始末が消えぬ 八百屋の右小指
票者: このバトルへの参加作者

感想: 06.さよならと呟く声をけす野分
 野分ってのがいいね。野分って云うと部屋の外には出て行かないニュアンスがある。そ こが効いている。
10.酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ
 この感じ、よくわかる。今回の第一等。
11.どこででも踊れるからだで風鈴
 どこででも踊れる、と云うのは風鈴にぴったりの説明。
13.秋雨や腹に溜まらず身に付かず
 寂れた生活感。
21.虫の音の止むまでと居て明けにけり
 朴訥で万葉集的だが、こういうのもいい。(宮)
票者: このバトルへの参加作者

感想: 01.秋めくや父には父の茹で時間
04.君が去り月は陰るよ名残夢
10.酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ
17.弦切れて虫の音ばかり生きて、闇
18.5/4の律な壊しそ日暮よ


01.秋めくや父には父の茹で時間
 やめればいいのに、変に意地っ張りで、可愛いお父さんを想像しました。
17.弦切れて虫の音ばかり生きて、闇
 好きです。
18.5/4(しぶんご)の律な壊しそ日暮(ひぐらし)よ
 律を奏でるのは、作者なのか日暮なのか。  オケの練習中、蝉の声に、「だまれ!」と叫びたくなるときがあります。  ごめんなさい、なんか風流じゃない感想で。
票者: このバトルの参加作者

感想: 01.秋めくや父には父の茹で時間
 私も母とは茹でる時間が違います。
 妙に納得。
18.5/4の律な壊しそ日暮よ
 ひびきが好きです。  蜩の声は何拍子なんだろう
13.秋雨や腹に溜まらず身に付かず
 春雨じゃないから……。ごめんなさい。
 なんとなく好きです。おどけているようで。
14.髭面が包んでくれた秋茄子
 男同士のような気がします。
 表向きはむさくるしいといいながら、楽しんでいそうです。
20.石ころをけり叱られる蝉の墓
 墓石を蹴って、子供に叱られたんですね。  ひどい兄(姉)ちゃんだ。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 05.緑亀の釣れて秋吹くお祭り日
10.酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ
12.残さるる自転車に置く夜露かな
18.5/4(しぶんご)の律な壊しそ日暮(ひぐらし)よ
21.虫の音の止むまでと居て明けにけり


直感で選んでしまいました。回を追うごとに素敵な作品が増えてますね。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 01.秋めくや父には父の茹で時間
12.残さるる自転車に置く夜露かな
17.弦切れて虫の音ばかり生きて、闇
18.5/4(しぶんご)の律な壊しそ日暮(ひぐらし)よ
19.傘とじて秋雨しみる帰り道


01 パスタの湯で時間とか想像しました。
 うちの父は湯で時間が長くてのびのびのまずいラーメンをつくります。それを思い出しました。
12 自転車の夜露が朝ついていて、ちょっとどうしようと思ってそのまま乗った学生時代を 思い出す。自転車の夜露が秋っぽくてよい。
17 自宅の帰り道は鈴虫が散々鳴いています。暗い中に鈴虫って、ほんと聴覚にきれいで、 まさに秋!ですよね。
18 まあ、こんなもんです。ひぐらし。
19 雨ってどうしてこんなにも秋っぽいのでしょう。秋のあめはつめたいけど、かさをあまりささないのでうたれることが多いです。でも、うたれるんじゃなくて、ほんとに「しみる」んですよね。 (未)
票者: このバトルへの参加作者

感想: 10.酔ふた目に豆だけを見て豆を食ふ
酔眼朦朧。焦点の合わない様がよく現れている。
11.どこででも踊れるからだで風鈴
「踊れるからだ」というフレーズが◎。
12.残さるる自転車に置く夜露かな
自転車置き場、都会の悲哀。
17.弦切れて虫の音ばかり生きて、闇
「生きて」の後の読点は不要。突然弦が切れたのは、三線(サンシン)でしょうか。唖然と した様子がうかがえます。
19.傘とじて秋雨しみる帰り道
確かな季感が伝わって来ました。
票者: このバトルの参加作者