第7回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
夏服の腋に挟んだ文庫本
ラジオ聴く今東京の底に居り
越冬こあら
宮武赤胡
 同票の句が得票数を超えたため、該当なしとさせていただきます。
 同票の句が得票数を超えたため、該当なしとさせていただきます。
以上の二作品が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
19 夏服の腋に挟んだ文庫本 越冬こあら 4
21 ラジオ聴く今東京の底に居り 宮武赤胡 4
01 飛行機のまっすぐ消える炎天下 カナ 3
04 短夜を惜しむ眠りの浅かりし 兎六 3
07 雨蛙呼びかけあっている生命 越冬こあら 3
12 青闇の硝子に映る金魚かな 瓜生遼子 3
02 紫陽花や威風堂々手を広ぐ 小澤陽月 2
08 あぜ道のどこまでも行けそうな夏至 カナ 2
11 夏草で足拭く田植えの季節かな 瓜生遼子 2
13 求人と焼酎の朝 水がない 安芸賢治 2
16 夏の月シャープペンシル買いにいく 兎六 2
18 蝸牛所狭しと立ち往生 小澤陽月 2
20 濡れ虫や紫陽花の下雨宿り  小澤陽月 2
05 梅雨寒の惑星暮らし半世紀 越冬こあら 1
06 白壁を青に染めるや朝顔の花 瓜生遼子 1
09 薔薇垣を大ジャンプして空青し カナ 1
10 日焼け止めは白の血管に照り返し 宮武赤胡 1
14 エリンギの函賞与日に目に留める 宮武赤胡 1
15 夏霞 笑顔に似せて紅を引く 兎六 1
40〔5*8〕


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想
感想:  今回、いい作品多い

01.飛行機のまっすぐ消える炎天下
 "スカっと爽快”なビールのCM、目に写ります

06.白壁を青に染めるや朝顔の花
 色彩がキレイ

12.青闇の硝子に映る金魚かな
 金魚が好きです。青硝子金魚蜂が付くと、もっと好きです

13.求人と焼酎の朝 水がない
 なんの面接でしょうか。二日酔いの体ムチ打ってるんでしょうね
 
19.夏服の腋に挟んだ文庫本
 いやあ、においそうで

次点
07.雨蛙呼びかけあっている生命
 呼びかけあってる生命、ってところが力強い。でも雨蛙ネタはもう過ぎたかな?
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 01.飛行機のまっすぐ消える炎天下
 今回の第一等。空の高さ、天気、あと爽快さと実に中身の充実した句である。
11.夏草で足拭く田植えの季節かな
 足を拭く、という肉眼がよい。たとえ後で手拭でぬぐったとしても。
12.青闇の硝子に映る金魚かな
 「青闇」という語彙がまさに夏の夜で、好い。
16.夏の月シャープペンシル買いにいく
 別にシャープペンシルでなくてもいいような言葉の甘さがあるが、シンプルな点は買い
たい。
19.夏服の腋に挟んだ文庫本
 これね、巧いのです。昼寝なのです。実に巧妙で◎。

 最近の盛り上がり、担当者としても大変にうれしゅうございます。(みやたけ)
票者: このバトルへの参加作者

感想: 04.短夜を惜しむ眠りの浅かりし
08.あぜ道のどこまでも行けそうな夏至
14.エリンギの函(はこ)賞与日に目に留める
19.夏服の腋に挟んだ文庫本
21.ラジオ聴く今東京の底に居り


04夏の夜って眠れないですよね。
08音が気に入って。
14ボーナスでエリンギって貧乏臭いな。せめてさくらんぼだろう。
19汗っかきのひとは大変です。
21あ、なんか感覚、分かる。

(未)
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 02.紫陽花や威風堂々手を広ぐ
すぱーんっと入ってきた。威風堂々で中七を使っちゃうのは惜しいと思ったけど、『手を広ぐ』にうまいことかかるのはこれかな、というかんじ。

04.短夜を惜しむ眠りの浅かりし
あるあるーって思ったので。でも起きて、何かしよう!とはならないんですよね。

10.日焼け止めは白の血管(ちくだ)に照り返し
血管と照り返し。日焼け止め→照り返しは安直だけど血管が入ってアクセントになって
る。

18.蝸牛(かたつむり)所狭しと立ち往生
気持ち悪い(笑)けど情景を思い浮かべると、納得できる。インパクトもあって好き。

20.濡れ虫や紫陽花の下雨宿り 
濡れ虫がきいてる。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 01.飛行機のまっすぐ消える炎天下
04.短夜を惜しむ眠りの浅かりし
07.雨蛙呼びかけあっている生命
20.濡れ虫や紫陽花の下雨宿り
21.ラジオ聴く今東京の底に居り


自分の好きな句を選びました。細かい感想までかけなくてすいません。個人的には20の句が一番好きです。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 05.梅雨寒の惑星暮らし半世紀
07の雨蛙と生命もそうですが、
梅雨寒/惑星ということばが衝突していて祭。
祭は自分のやりたいことでもあり、悔。

07.雨蛙呼びかけあっている生命
カエルボイスは、たしかに生命力びんびんです。
この句自体も字余りになってるおかげで、生命力びんびんです

08.あぜ道のどこまでも行けそうな夏至
どこまでも行くしかないでしょう。

19.夏服の腋に挟んだ文庫本
え、なんて本ですか? 題名は? 作者は?

21.ラジオ聴く今東京の底に居り
東京の底かー。炎天の底より好。東京の底の勝ち。
だれだよ炎天の底なんて書いたの。
それは私です。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 07.雨蛙呼びかけあっている生命
 蛙って、一匹が鳴きはじめるといっせいに鳴きますよね。生き物の不思議。

09.薔薇垣を大ジャンプして空青し
 大ジャンプから空につながって、薔薇と空で色彩鮮やか。
 薔薇垣を飛び越えてどこへ行くのか想像が広がりました。

11.夏草で足拭く田植えの季節かな
 ちょっと季節を強調し過ぎに感じるけれど、捉えているシーンがすごく好きです。田ん
ぼの泥は草で拭くのだ。

13.求人と焼酎の朝 水がない
 ある意味荒涼とした朝の風景。季語もアルコール度数が高い。
 なんとなく共感。

18.蝸牛(かたつむり)所狭しと立ち往生
 カタツムリがうじゃうじゃ。お互いの殻にのぼっちゃったりして。
 立ち往生しているくせにじっとしていない……ああ、確かに!
票者: このバトルへの参加作者

感想: 02.紫陽花や威風堂々手を広ぐ
 アジサイのBGMにエルガーの行進曲。
12.青闇の硝子に映る金魚かな
 色の無い世界。硝子の曲面が形すら虚ろにする。そんな中の金魚。
15.夏霞 笑顔に似せて紅を引く
 外面だけ整えることへの抵抗感。「似せて」のところが怖いです。
16.夏の月シャープペンシル買いにいく
 明日は期末テストでしょうか。シンと消しゴムは大丈夫?
21.ラジオ聴く今東京の底に居り
 無季の句ですが「東京の底」という語に夏の夜を感じました。
票者: このバトルへの参加作者