第5回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
可も不可も甲斐性もなく蟻を追ふ 宮武赤胡
八十八夜(はちじゅうはちや)カモミール摘みにいく 
哭き哭きてもがきし身にも桜餅
宮武赤胡
福華
酸性の黴の宿だよ/人生は
居残りの音楽室に大西日
安藝賢治
越冬こあら
以上の五作品が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
18 可も不可も甲斐性もなく蟻を追ふ 宮武赤胡 5
07 八十八夜(はちじゅうはちや)カモミール摘みにいく 宮武赤胡 4
20 哭き哭きてもがきし身にも桜餅 福華 4
15 酸性の黴の宿だよ/人生は 安藝賢治 3
19 居残りの音楽室に大西日 越冬こあら 3
01 子らの眉剃り整えて春惜しむ 越冬こあら 2
03 新緑に透きとおるかな蝶の羽 瓜生遼子 2
04 苔生(む)してががんぼひとり瞬(またた)けり 宮武赤胡 2
05 チクタクもボンボンも無く夏来る 越冬こあら 2
08 風扇ぐ空にたなびく藤の花 小澤陽月 2
09 朧夜や霞んで見えぬ恋心 小澤陽月 1
11 桜海(おうかい)に溺れまかせつ素面かな 福華 1
12 世間の休みは我家でノンビリ 千早丸 1
13 陽炎のゆらゆらしなか菫咲き 瓜生遼子 1
14 薬玉にまみれて哄笑()商店街 安藝賢治 1
16 薄ら氷に早咲きの花滑り落つ 瓜生遼子 1
投稿者7名×5=35票 35

 

お詫び:集計表示に一部間違いがありました。訂正してお詫びいたします。

 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想
感想: 04.苔生してががんぼひとり瞬けり
 そういえば、ガガンボって大概ひとりで瞬いています。意外な発見。
09.朧夜や霞んで見えぬ恋心
 朧夜じゃなくても恋心は見えません。そして、つまりそこが問題なのです。
15.酸性の黴の宿だよ人生は
 「浪花節だよ人生は」と同等以上の説得力を感じました。
18.可も不可も甲斐性もなく蟻を追ふ
 ひとり昼下がりの公園で、背広姿で……。
20.哭き哭きてもがきし身にも桜餅
 癒し系の優しさが溢れます。
票者: このバトルへの参加作者

感想:  ピン!と来たものを選びました。
 テスト期間中なので、一つ一つの感想は書けません。
 せっぱつまっているので……
すいません……(汗)
 スタッフ注:01、04、07、18、20投票
票者: このバトルへの参加作者

感想:  どれも気負ってないところがいいのかな。ほんとのところはよく分からない。 ごめんなさい。
 スタッフ注:07、12、15、18、19投票
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 5.「チクタク」も「ボンボン」も、居間の柱にかけられている時計の音だ。古 くて、振子で、重くて、いつも五分くらい遅れている時計の音だ。…ろうなと思ってし まったので投票。
7. 山頭火は好きです。投票。
13.ああ、これはうちの近くの廃線のことですね。夏草に埋もれた線路は、錆びた陽射しを集め、風をはじいて虹色に輝くのでした。…なにを言ってるんだ、自分。投票。
18.19.なーんだ、これは自分のことだよ。…そんなはずないので投票。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 16.薄ら氷に早咲きの花滑り落つ
03.新緑に透きとおるかな蝶の羽
情景がきれい。

08.風扇ぐ空にたなびく藤の花
こいのぼりを連想していたら最後で「藤の花」。うまい。

11.桜海(おうかい)に溺れまかせつ素面かな
20.哭き哭きてもがきし身にも桜餅
気持ちはわかるし、表現が自然。
票者: 一般読者

感想: 03「新緑に透きとおるかな蝶の羽」
下記(↓)で言っていることと反しますが、 だって、清々しい情景が想像できるのですもの!

 07「八十八夜(はちじゅうはちや)カモミール摘みにいく」
新茶じゃなくてカモミール(笑) とっても現代的で良いと思います。

14「薬玉にまみれて哄笑 商店街」
楽しそうだなぁ 抽選会でもあったのかなぁ カランカラン鐘の音が聞こえてきそうです。

 15「酸性の黴(カビ)の宿だよ 人生は」
辛酸でも嘗めましたか?(汗) それでもオチョクッている風に詠む余裕が素敵です。

18「可も不可も甲斐性もなく蟻を追ふ」
うわぁ〜 何故か自分を見ているようだぁ〜
番外で一句。

20「哭き哭きてもがきし身にも桜餅」
「哭きて」というのは、赤ちゃんのことだろうか? なんとなく気に入ったのですけど、 「桜餅」って桃の節句(3月)だよな、と思ってしまったので。 でも餅に桜の葉を使っているのだから花見(4月)の頃でも言い訳で。 なんだ??? と迷ってしまいました。

「もりそば」と「ざるそば」の違いは? ――じゃなく。  俳句と川柳の違いはナンだろう?  いや、ちゃんと「意味」の違いは知っているのですが(本当か?)、 なんとなく「綺麗な情景を綺麗に詠む」だけではつまらないな、と 思ってしまう私は……間違っているんですかね、やっぱり(汗) (by千早丸)
票者: このバトルへの参加作者

感想:  俳句は余情を楽しむものであって、恋や人生といった、直接な語彙というの はやはり品がない気がします。視点の面白さはあれど、言葉の選び方でずいぶん損をしている印象を受ける句が多い気がしました。(みやたけ)
01.子らの眉剃り整えて春惜しむ
 「子らの眉」ということが親が眉をそっているように思えますが、夏に向けての清々し さの準備と見ればいいでしょう。
05.チクタクもボンボンも無く夏来る
 春は大風が吹き、冬は目に見えてさびしくなる。その中でも、無音でやってくる「夏」 の感触がやってきます。
08.風扇ぐ空にたなびく藤の花
 藤の花がたなびくということは、それだけの大風。「風扇ぐ」が簡潔で効果的です。今月の第一等。
19.居残りの音楽室に大西日
 「大西日」そう、教室の窓一杯に押し寄せる西日は、大きいのです。
20.哭き哭きてもがきし身にも桜餅
 犬に桜餅を食わせたのでしょうか。ほのぼのというよりも、コミカルな一景です。
票者: このバトルへの参加作者