作者と読者の掲示板 (part2)

誹謗中傷、公序良俗・法令に反するもの
また、金銭授受が発生する契約、取引、またはその宣伝等を固く禁じます。
それらは告知無く削除します。


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◇┳第四回新世紀バトル全感想3-投稿者:棗樹(そうじゅ)(11/17-05:49)No.6
 ┣┳エントリ8: 朱蕊鏡花さん 『ウツボカズラ』-投稿者:棗樹(11/17-05:52)No.7
 ┃┗━便乗感想エントリ8【ウツボカズラ】朱蕊鏡花さん-投稿者:檸檬(11/17-14:54)No.30
 ┣━便乗感想エントリ6【No change】 nobody knowsさん-投稿者:檸檬(11/17-13:46)No.28
 ┣━便乗感想エントリ7【死ニソコナイ爺の有効な活用】兎み鷹さん-投稿者:檸檬(11/17-14:12)No.29
 ┣┳便乗感想エントリ9【誤診】天野 拓さん-投稿者:檸檬(11/17-16:49)No.31
 ┃┗━檸檬さん、どうもです!-投稿者:天野拓(11/22-11:05)No.85
 ┣━便乗感想エントリ10【青夏(せいか)】風邪青顔さん-投稿者:檸檬(11/17-17:22)No.33
 ┣━便乗感想エントリ11【失業中】引土象さん-投稿者:檸檬(11/18-14:46)No.44
 ┣━便乗感想エントリ13【アズサ】山下凌さん-投稿者:檸檬(11/18-16:59)No.46
 ┣━便乗感想エントリ14【”A・KA・NE”】あべかめりさん-投稿者:檸檬(11/18-17:02)No.47
 ┣━便乗感想エントリ15【国際謀略おとぎ話】WaiFさん-投稿者:檸檬(11/19-00:20)No.55
 ┣┳エントリ9: 天野 拓さん 『誤診』-投稿者:棗樹(11/19-05:14)No.66
 ┃┗┳棗樹さん、ありがとうございます!-投稿者:天野拓(11/22-11:29)No.86
 ┃ ┣┳「誤診」拝見しました。そこで棗樹さんに質問。-投稿者:薫葉豊輝(11/23-01:03)No.94
 ┃ ┃┣┳薫葉さん、御感想ありがとうございます-投稿者:天野拓(11/23-09:23)No.97
 ┃ ┃┃┗━一番大切なのは、面白さだと私は思っています!-投稿者:薫葉豊輝(11/24-00:09)No.99
 ┃ ┃┗━お答えします-投稿者:棗樹(11/24-06:07)No.102
 ┃ ┗━こちらこそありがとございます-投稿者:棗樹(11/24-04:54)No.101
 ┗━エントリ10: 風邪青顔さん 『青夏(せいか)』-投稿者:棗樹(11/26-04:07)No.123


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6第四回新世紀バトル全感想3棗樹(そうじゅ) E-mail 11/17-05:49

QBOOKS作者の棗樹です。新世紀バトルには川谷珠子という名で参加しています。
少しずつアップしている全感想の続きです。
エントリ1−7の感想は過去の「作者と読者の掲示板」に在ります。

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7エントリ8: 朱蕊鏡花さん 『ウツボカズラ』棗樹 E-mail 11/17-05:52
記事番号6へのコメント
 不要な改行が多いです。作者は意図的にやっているようですが、かえって読みにくいと思います。それはさておき。

 作者は刑事物がやりたかったのか、官能がやりたかったのか。
 「男の情け」「武士の情け」が強調される一方で、桜子と美耶子のあいだには「女の友情」めいた感情の交流があるようですし、「夫婦の情愛」や「特殊な性的嗜好の持つ魅力」も物語を成立させるうえで外せない、重要な要素となっています。謎解き、人情、官能。すべてを40枚程の短編に取り込んでしまうのは、少し無理があったような気がします。

 SMの描写になったとたん、筆が冴えた印象があります。桜子の手を借りて美耶子が夫の受けた行為を追体験する場面には膝を打ちました。首の傷を隠すため、桜子が美耶子にスカーフを贈るエピソードも、女性特有の細やかさが現われていると思います。
 しかし、桜子自体は、偏ったプロ意識や「性の伝道師」的な役割意識に凝り固まっている印象が強く、その人物像がとらえにくかったです。

 刑事達が登場する場面は、どたばたとして、こなれていない印象があります。

(「我喜屋さん、仏の例の所有物の白瀬紀一郎本部長宛の手紙は偽造では無く、署長が持参し、確認したところ、被害者は本部長の大学の恩師だそうです。そして自殺と判明したそうです」/「何、あれは本物だったのか」と我喜屋は取調室に戻った。)

(「課長、現場に有った養命酒の件はどうでしたか」と我喜屋は言った。)

 刑事達が事件現場を最初に訪れた場面では、養命酒があったとは書かれていません。「仏の例の所有物」もそれまで所有物が話題になることはなかったのですから、事件の真相をあぶり出すための、ご都合主義的な話の振り方に思えます。

 また、死体のある事件現場に臨みながら(我喜屋と新垣は五分ほど固まった。)では、あまり現職の刑事らしさは感じられないと思います。このような描写は多々見受けられました。

 用語の使い方も若干正確さを欠くような気がします。

(「自害・他害、どちらも傷害ですからね」)

「他害」は「他害行為」を指すと思いますが、「自害」は「自殺」という意味だと思います。「自傷行為」の間違いでしょうか。それは「傷害事件」になりえるのでしょうか。

(未必の故意の嫌疑を掛けられている)

「未必の故意があったとの嫌疑」「未必の故意による殺人の嫌疑」がよりふさわしいのではないかと思います。

 主人公・我喜屋は愛すべきキャラクターだと思いますが、その魅力が十分に引き出されたとは思えません。ラストの美耶子に沖縄土産を渡すエピソードにも、人柄の良さのあらわれ以上のものは感じられませんでした。

 タイトルにある「ウツボカズラ」は、沖縄ではよくみかける植物なのでしょうか。食虫植物の持つおどろおどろしさと官能的なイメージは、作品の官能描写の醸す雰囲気に通じると思いますが、我喜屋のキャラクターとは重ならない気がします。例えば、ウツボカズラが桜子の家のどこかにあって我喜屋が目をとめるようなエピソードがあれば、作品との繋がりは深まったと思います。

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30便乗感想エントリ8【ウツボカズラ】朱蕊鏡花さん檸檬 URL11/17-14:54
記事番号7へのコメント

作中人物の中で、”美耶子さん”がリアルな人のように、
活き、生きていたと思う。この女性のしっとりとした気丈な色気は
本当にすばらしい!と思った。

それに比べ、他の男性陣はなんとなく、ぎこちなく動いていた気がする。

ので、

美耶子さんが桜子さんに攻められるシーンを冒頭に持ってきて、
美耶子さんの視点で物語が運べばよかったのじゃないかなあ、と思った。

普通に、刑事な物語としても、それはそれで、私は結構楽しめたのですが、
なんといっても、あまりに美耶子さんの記述の部分が神々しかった(笑)のです。全体にあのカンジが行き渡った作品を、是非とも読んでみたいです。

力のある書き手だと思いました。これからさらに期待!という感じでした。

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28便乗感想エントリ6【No change】 nobody knowsさん檸檬 URL11/17-13:46
記事番号6へのコメント
この話で描きたかったのは、それぞれの女性への想いと、惹かれる理由・好み、みたいなものだったんじゃないか、と思う。

が、しかし。
はじめに母の状況や母に対する気持ちがきて、美華、由季と続くわけだが、
1回目読んだときには、上に書いた話の中心みたいなものが見えなくて、
分断された女性への記述が3つ続いている、という印象しかなかった。

ひとつひとつの文章の書き方、というのもあると思うが、
一番考えなければいけないのは、たぶん、”どう読ませたいか・どう読んでもらうか”という部分ではないかと思う。
主人公と母の生い立ちといった、単調になりがちで飽きやすい部分に、
後半に出てくる由季への想いとか気持ちとかそういうものを絡ませるとか、
なにかしらの工夫が必要だったのではないか、と思う。
あるいは、最初に由季と宗平のなんらかの交流シーンを書いておくとか。
それだけで随分、同じ書き方でも印象は変わると思う。

懸賞=相手を喜ばせたい気持ち、という発想はとても面白いと思った。
こういうのをもっと、活かせるとよかったかも、と思う。



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29便乗感想エントリ7【死ニソコナイ爺の有効な活用】兎み鷹さん檸檬 URL11/17-14:12
記事番号6へのコメント

「奥さん、旦那さんはなにやってるの?」まで主人公が男だとばかり思っていた(笑)ので、びっくりした。よく読めばゴミダシのシーンで穴を掘ってる女性と比べる場面があるのだが。あと、文章が、つながるつながる(笑)ひとつの文章が長いわけじゃないのに、なんというか、ああ、イキツギをどこでしたらいいんだ〜、という気にさせられた。まあ、これは、私の読解の問題かもしれない。

話は、隣の女とカレーを食べだした頃からが面白く、悪意の濃さも増していて、本領発揮、といったカンジだった。主人公の亡くなった子どもの話や、
爺さんの押し付け的な善良さやその善良さがズレた狂気なエピソードも、はじめから彼女と絡めて進めたほうが(途中にはそういう部分はちゃんとあったのだけれど)、よりリアルに不気味さを感じられたかもしれない。

大きな波に飲まれたくない、っていう感じは、全体から伝わってきたと思う。テレビ、とか、爺さんの変貌とか、セレクトした部分にはとても共感を覚えるが、人を殺してしまうことを軽く書いている部分については、やはりどうしても共感はできない。

殺すとか、埋めるとかじゃなく、善意の狂気性・凶器性、ある種逆の悪意に満ちた希望の、別な表現方法もあったのじゃないかなあ、と思う。









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31便乗感想エントリ9【誤診】天野 拓さん檸檬 URL11/17-16:49
記事番号6へのコメント
なんというか、そのまんま、だ(笑)
良くも悪くも。

限りなくノンフィクションに近いフィクション、という感じ。
大学病院ってほんと、こんなカンジだ。

疑問がふたつ。
ひとつめは、夫婦喧嘩から物語が始まったのは誤診のためだけのもの?
ふたつめは、矢島医院が消えたようになくなったのはファンタジーっぽくするため?

ひとつめの疑問の、夫婦喧嘩。エピソードが誤診意外にあまり活きて来なかったのは残念な気がする。あるいは、旦那も実は仮病だと思っていたとか、そういうのがあってもよかったかもしれない。腹痛って他人には伝わらない痛みだからこそ。

二つ目の疑問の、矢島医院の消滅。ずーっとリアルにきていたのに、
ここだけカラーが違って、浮いている。なぜ、消滅する必要があったのか。
名医だったから?というのが多分理由なんじゃないかなあ、と思うのだけれど。このあたり、もう少し、詰めてもよかったかもしれない。

コメディタッチだけど、リアルさのが勝っていたように思う。
別な見せ方も、あったかもしれない、と思う。

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85檸檬さん、どうもです!天野拓 11/22-11:05
記事番号31へのコメント
檸檬さん、御感想ありがとうございました。
エントリー9の著者でございます。

> なんというか、そのまんま、だ(笑)

確かに……フィクションだかノンフィクションだか、ハッキリしない中途半端に仕上がったというのが、時間をおいて読み返してみたところの私自身の感想です。
ストーリー性、大袈裟にいえば文学性に乏しい部分につき、日々勉強中です。

>旦那も実は仮病だと思っていたとか、

いい、アイデアですね!参考にさせていただきます(笑)


> 二つ目の疑問の、矢島医院の消滅

拙作を読んだ知り合いの開業医から、「これは僕へのレクイエムですか?」とのコメントを頂戴しました……

ストーリー性を持たせようとすれば不自然な展開になってしまう。
贅肉を落とそうとしたつもりが無機質な文章になってしまう。
小説とは、文学とは? もちっと謙虚に再考したいと思っております。




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33便乗感想エントリ10【青夏(せいか)】風邪青顔さん檸檬 URL11/17-17:22
記事番号6へのコメント
『……ああ、夏は、コレだから嫌だ。何でもかんでも明るみに出せばいいってモノでもないだろうに。はっきりくっきりしやがって、汚い部分のみが目に付くじゃないか。』

この一文、最高によかった。
こういう実感があるので(笑)
やっぱり、実感のある文章はいいなあ、と思う。
まあ、すごく個人的な好みですが。

文章は、読みやすいし、普通に上手いと思う。
ストーリーも普通に青春。
たぶん、欠点はこの普通さだと思う。
なにもかもが普通すぎて、インパクトに欠ける気がする。

私は海、好きだから、ああ、湘南の海みたいなあ、って思うけど、
そういうのもなかったら、「ふうん、そうか」で終わってしまいそうだ。
折角のよどみない文章がもったいない。

新世紀バトルの中に入ってしまうから、こういう感想になってしまうのだと思う。他のはとってもヘビー、というか、大人の表情な文章が多い中、
この作品は本当に、10代、といった感じ。提出先が違えば、全然違う
感想になると思う。

作品としては出来上がっていると思うが、この場にはちょっと軽すぎたか、
という印象です。


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44便乗感想エントリ11【失業中】引土象さん檸檬 URL11/18-14:46
記事番号6へのコメント
”はじめから最後まで、全部が同じ意味の文章です”
という感じなのです。
金太郎飴的。
マラソンでいうと、走って走って走っているのにゴールに着かない、
という印象なのです。

最終的にはいつも逃げてしまう、努力しなければ何もうまくいかない、
そういうことを描きたかったのだと思う。

文章がおかしいわけでもないし、何も起こっていないわけでもない。
それなのに、ストーリーに起伏がない。なんでだろう。

ひょっとしたら、主題を重視するあまり、
すべてが主題、になってしまったのかもしれない。
失業中、という作品なのだから、文章が淡々としているのもわからないでもない。
それでも、もう少し喜怒哀楽があってもよかったのではないかと思う。

一例をあげると、
中学生の自殺への主人公の言葉が「怖かった」というだけで次へうつっている部分とか。折角感情が書かれているのに、平坦に終わらせすぎてしまっているように思う。
こういった部分の積み重ねが、この、
”線路はつづくよどこまでも”的印象を作っているのではないかと思う。

この淡々さがなくなったら、きっともっと読ませる作品に変身すると思う。

でも、ある意味、うまくいかない人生は、しっかり切り取られていたかもしれない、とも思いました。








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46便乗感想エントリ13【アズサ】山下凌さん檸檬 URL11/18-16:59
記事番号6へのコメント
なんだろう、何かが足りない。
途中まではとても面白かったのに、最後でなんとなく失望してしまった。
え、それで終わり?という感じで。

不思議な能力を行使するアズサは、とてもイキイキと描かれていたと思う。
ストーリーも、よどみなかった。
鼻息、は、面白かったけど、ちょっとくどかった(笑)
この話には主題が2つあると思う。
ひとつは、アズサにまつわる不思議な能力のこと
もうひとつは、好きになった人はその人がどんな人間でも嫌いになれない、
ということ。

問題はこれではないかと思う。
主題が二つあることを考慮したラストを迎えられなかったことにあるのではないか、と。
ストーリーはひとつめの主題であるアズサの能力話中心に進んだのに、
ラストはもうひとつの主題である、どんな人間でも好きになった人は諦められない、というもので終わってしまったことだ。
もちろん、田舎に引っ込んで一時的に能力は閉鎖・終息状態だが、
すっかりなくなってしまったわけではないだろう。
そういう不気味さと、また同居しながら過ごす、その主人公の気持ちが
何らかの記述で、少しでもあるとよかったかもしれない。

”間違っていたのは自分のほうだったのかもしれない”
という気持ちに移行する理由が、いまいちはっきりしないせいかもしれないが。

なんにしろ、ラストに、何らかの不気味さを残したほうがよかったように思う。

まあ、枚数のこともあるが……。

ラストがしっかりいけば、完璧!だったかも、な作品で、
ちょっと残念だと思いました。


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47便乗感想エントリ14【”A・KA・NE”】あべかめりさん檸檬 URL11/18-17:02
記事番号6へのコメント
自作なので、省略。
みなさま、感想・投票など(笑)よろしくお願いいたします。


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55便乗感想エントリ15【国際謀略おとぎ話】WaiFさん檸檬 URL11/19-00:20
記事番号6へのコメント
目をパチパチしてしまうような、アクションな文章でした。
いや、もう、なんか、それに尽きるのですが(笑)
パワフルで軽快な竹取の翁、かぐや姫に桃太郎。
サルやキジやオニの記述は、解説書つきおとぎばなし、
という感じで、面白かったです。
でも、ドンパチが私には、ちょっと激しすぎましたが。
文章なのに、漫画の絵が見えるようで、
不思議な魅力があると思いました。

ああ、でも、ちょっと詰め込みすぎだったかも、とも思います。

戦闘シーンの繰り返し、かぐやの無理難題が繰り返されるエピソード、
娯楽としては楽しめるものの、ごちゃごちゃしてすこし読みづらく
なってしまったようにも思えます。そして、すこし、ストーリー的に
飽きてしまう部分も含んでしまったようにも思えます。
あるいは、ひとり、魅力的な主人公を据えて、
その主人公の魅力を戦闘シーンやなんかにかっこよく絡ませれば、
読者はより酔えたのではないかと(自己投影できるから)
思いました。

なにはともあれ、
”チャーラーでお腹いっぱい”というような力のこもった押しの強い作品
だと思いました。

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66エントリ9: 天野 拓さん 『誤診』棗樹 E-mail 11/19-05:14
記事番号6へのコメント
 医療の場面は、描写が的確で臨場感がありました。医療用語が多く使われていても、読者は状況をスムーズに把握できます。誤診につぐ誤診のエピソードはよく練られ、興味深いものでした。また、主人公の心身の状態、苦痛の度合いや不安、動揺もよく伝えられています。
 ところが、医療の場面を離れたとたん、文章は粗く単調なものになっています。場面と場面の繋ぎ方もぎこちないです。細部まで力を緩めることなく丁寧に書き込んで欲しいと思いました。

 医者や看護婦の人物造形には、硬直的な印象を受けました。勧善懲悪の色合いが濃く、良い医者・良い看護婦はあくまでも清く正しく、そうでない医者・看護婦は腹の底まで真っ黒、のようなイメージが与えられている気がします。
 正しい診断がついて手術・退院となった主人公に対する、医者達それぞれの反応も、作者の頭の中にある人物像のイメージ通りに「作られた」印象を受けました。

 また、気になったのは、小説の終わりで、

(所詮能力のない医者は責任感も謙虚さも持ち合わせていないという真実を私は知ったのだ。)

(マトモな医者に出会える手掛かりとはいったい何なんだろう?/私は久しぶりに空を見上げてみた。/ゆっくりと動く雲の隙間から僅かに青空が覗いている。/マトモな医者を探し求めるのは、あの青い空間になんとか入り込もうとするようなものかもしれない。)

等々、「作者がこの小説を通して言いたかったこと」と思われることを、あえて主人公に言わせているところです。それまでの文章の中で作者の主張は十分伝わっているのですから、かえって興ざめです。もっと余韻のある締めくくりを工夫して欲しかったと思います。

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86棗樹さん、ありがとうございます!天野拓 11/22-11:29
記事番号66へのコメント
棗樹さんのお書き込みを怯えながら(!)待っていた著者でございます。
御感想、御教示まことにありがとうございました。

> ところが、医療の場面を離れたとたん、文章は粗く単調なものになって

このおことばがグサリときました。
そもそも医者というものは医療現場を離れれば、世間そのものについていけない傾向があると自分でも思っています。
小説でいえば、医療の場面から離れた部分の「文学性」に乏しく、やはり「世間知らず」であることは否めない。反省すべきだと感じたとともに、最大の問題点だと自覚いたしました。


>勧善懲悪の色合いが濃く
> 作者の頭の中にある人物像のイメージ通りに「作られた」印象

特に悪を懲らしめることに快感を覚える(水戸黄門のごとく)勧善懲悪を忌み嫌っているはずの私自身が書いてみれば、結局は(悪い者は徹底的に悪い)パターン化された人間像しか描けなかったわけです。
本当は、悪人の中に宿るやさしさ、表面上ひねくれた形の本心などといった人間らしさを描きたいのですが……これはもう鍛練しかありません。

拙作は、休日1日かかって書き上げ、ロクに見返さないまま投稿したものです。原稿書きのルールというか、イロハも無視したような文体はコテンパンにケナされても仕方がないなあ、と覚悟(?)していましたが、これほど御丁寧なコメントをいただけて、感激のあまり思わず涙腺が弛んでしまいました。なによりも、最後まで真剣に読んでいただけたことに心から感謝申し上げます。


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94「誤診」拝見しました。そこで棗樹さんに質問。薫葉豊輝 E-mail URL11/23-01:03
記事番号86へのコメント
 『誤診』拝見しました。
 医学の舞台裏を知ってる方と、誤診された経験のある方なら、それをなぞればいいだけですので、比較的書きやすい作品と思われるのですが。(あと、構成は、時系列を並べただけの域なので、どこかで裏返したり、人為的な山谷を盛り込まれると、魅力が増すと思われます)

 しかし、専門的な作品だけに、私のような医学関係の部外者から見ますと、非常に(作家としての)「武器」をもたれているのではないかと痛感し、羨ましく思っております。

 それだからこそ、今後はストーリー性を意識することが課題かと思われますが、とにかく専門知識がないと、書けない作品という時点で、それだけで武器となり、他と差をつけられると多くの方に判断されるでしょうし、その点は、特色がありますよね。
 実際、知識の無い者には、この順序で、ラストへ到れませんし。(誤診から正当な診断に到る過程を、想像では書けない=技術勝ちではないかと)

 でも、ストーリー。面白さを造る技法。それが今後の課題かと思われます!

 最後に。棗樹さんのご指摘される

「この小説を通して言いたかったこと」と思われることを、あえて主人公に言わせているところです。それまでの文章の中で作者の主張は十分伝わっているのですから、かえって興ざめです。もっと余韻のある締めくくりを工夫して欲しかったと思います。

 という箇所なのですが、私は、それを主役が言ったシーンでようやく感動を覚えました。そこでようやく無味乾燥的な作品世界に温かい血が流れた気がしたので、その箇所は、気に行っています。
 なので、棗樹さんの言われる
「もっと余韻のある締めくくりを工夫」
 とは、どんな工夫が考えられますか。よろしければお教えください!

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97薫葉さん、御感想ありがとうございます天野拓 11/23-09:23
記事番号94へのコメント
 薫葉豊輝さま、拙作を読んでいただいて、ありがとうございました。

>ストーリー。面白さを造る技法。それが今後の課題かと思われます!

 私もそう思います(笑)!

「問題小説」を前提とした作品ということで、エンターテイメント性を持っていながら、バッサリと社会の深層にまで切り込むようなテーマを描きたい、と……まあ、頭の中では名作だったんですが、書いてみれば「私の医療過誤体験・30歳、主婦」みたいな単なる「手記」レベルの仕上がりになっちゃったわけです。
 術後ベッドに横たわって、麻酔から覚醒していくシーンから始めようかとも思いました。でも、「PHP:特集・私を変えた出会い〈あの老医師との出会いに感謝〉」のようなホノボノした物語になりそうな気がして、時系列に書いた方がまだマシかな?と。

 私は38歳にして、今年から創作を始めた者です。
 懲りずに、やった!書き上げたぜ!これで脱稿だ投稿だ!と各種新人賞に応募しまくっておりますが、このQ booksで、多くの方々から御感想をいただいて、ようやく冷静に自分の文章を見返している次第です。
 いろいろな読み方があっていいし、要は読む側の感性なのだから、なんて陳腐なことばもありますが、実際に読んでくださった方々が、いかなる御感想を抱いたか、ということを知ることは大変大変勉強になります。
 拙作のしめくくりについていえば、敢えて主人公に語らせなくとも、とっくに見抜いているよ、という方もおられれば、最後にもガツン!とパンチをきかせて欲しいと思われる方もおられて、それはそれでいいと思うのです。ただ、皆様口を揃えて「ストーリー性に乏しい」と仰れば、それは絶対的な私の問題点だなと謙虚に反省すべきだと考えております。

 本業の医療をネタにすれば、自分自身が肝を冷やした経験もさらしだすことになりますから、自分の首を絞めることにもなりかねないな、と半ば怯えながら書いてもいます。
 今後とも御教示よろしくお願い申し上げます。

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99一番大切なのは、面白さだと私は思っています!薫葉豊輝 E-mail URL11/24-00:09
記事番号97へのコメント
天野拓さん

 はじめまして、薫葉豊輝です。

 人には得意、不得意あると思うのですが、天野さんの得意なのは医学で、不得意なのは、構成力と私は見ました。それと物語のとらえかたでしょうか。

>時系列に書いた方がまだマシかな?と。

 例えば、この時系列がやっかいなXでして、読者をいかに引き込むか。それを習得するには、専門書ではダメで、面白い小説(エンタメ)をどんどん読むしかない点が、小説の難しいところかと思われます。

 これは賛否あるかもしれませんが、小説は描写がどうこうで括れず、結局面白さに集約されるものだと私は思うので。

 ちなみに私はお菓子レベルにまで傾倒しているので、もう少しリアリズムをという声をかけられることがよくありますが、今はなるべくリアリズム寄りにならないよう注意している。そんな心理が働いています。

 それもこれも、小説の面白さを研究しているため、その位置からなかなか動けないという論理に支配されているのですが、それでも、まだまだ面白さのポイントを完璧に習得しているわけではありません。
 とにかく小説の上達は、1にも2にも(小説の)読書だと思われますので、お互い、読書に精を出して出版業界の底を支えましょう!

 本(主に小説)が売れない時代だけに、本好きこそが、出版業界の救世主だと強く自認して!

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102お答えします棗樹 11/24-06:07
記事番号94へのコメント
拙い感想を丁寧に読んでいただきありがとうございます。そう、読んでくださるのは作者の方だけとは限りませんでした。背筋が伸びる思いです。

天野さんへの返信にも書きましたが、私はこの作品に温かいものを感じていたので、最後の主人公の言葉にはそれほど心を動かされませんでした。このあたりは、薫葉さんとは温度差があるようですが、仕方のないこととご理解いただけるのではないかと思っています。また、

< 拙作のしめくくりについていえば、敢えて主人公に語らせなくとも、とっくに見抜いているよ、という方もおられれば、最後にもガツン!とパンチをきかせて欲しいと思われる方もおられて、それはそれでいいと思うのです。

天野さんからこのようなお言葉をいただいていますが、私としても異論を挟むつもりはありません。
とはいえ、薫葉さんにはせっかくお出ましいただいたのですから、リクエストにはお答えしようと思います。天野さん、すみませんが、少しいじらせていただきます。

> 「もっと余韻のある締めくくりを工夫」
>  とは、どんな工夫が考えられますか。よろしければお教えください!

私なら、(所詮能力のない医者は責任感も謙虚さも持ち合わせていないという真実を私は知ったのだ。)

(マトモな医者に出会える手掛かりとはいったい何なんだろう?/私は久しぶりに空を見上げてみた。/ゆっくりと動く雲の隙間から僅かに青空が覗いている。/マトモな医者を探し求めるのは、あの青い空間になんとか入り込もうとするようなものかもしれない。)

の部分は、いったん削除するだろうと思います。空を見上げる描写や最後の一文(体を反らしたせいか、下腹の傷跡が少しだけ疼いた。)は好きなので残したいです。しかし、それだけだと唐突な締めくくりになってしまうので、矢島医院を訪れるのが主人公だけでなく夫を付き添わせるとか、矢島医院の老医師の姿が見えない代わりに若い開業医が開業準備を進めている、などの場面を用意するような気がします。作品は夫婦の会話から始まっているので、夫を出す方が収まりがいい気がしますし、また、老医師が消えるエピソードも少し強引な印象があるので、若い医師にその消息を伝えさせる場面があると、ほっとするのではないでしょう。そして、主人公夫婦はその若い医師の背中にこっそりエールを送る。こんなラストはどうでしょうか。

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101こちらこそありがとございます棗樹 11/24-04:54
記事番号86へのコメント
返信をいただきありがとうございました。言葉の足りないところがあったと考えていましたので、改めて申し上げる機会を作っていただいたこと、感謝しています。

医療の場面の文章には、その筆力はもちろんのこと、作者の観察力や視線の温かさ、ユーモア等も感じていました。ストーリーや小説的な仕掛けに凝るのも楽しいことですが、天野さんなら、ご自身や周囲の人々についてそのまま書くだけでも、十分面白い小説に仕立てることができるのではないかと思います。

> そもそも医者というものは医療現場を離れれば、世間そのものについていけない傾向があると自分でも思っています。
> 小説でいえば、医療の場面から離れた部分の「文学性」に乏しく、やはり「世間知らず」であることは否めない。反省すべきだと感じたとともに、最大の問題点だと自覚いたしました。

私は天野さんが「世間知らず」だとは思いません(笑)日々診察なさっている患者さんは「世間」そのものではないでしょうか。その「世間」を厳しくあたたかく見据える視線を、天野さんには感じるのですが。

> 本当は、悪人の中に宿るやさしさ、表面上ひねくれた形の本心などといった人間らしさを描きたいのですが……これはもう鍛練しかありません。

私自身、そう願っても書き切れていない部分が大きいです。お互い精進してゆきましょう!!


>これほど御丁寧なコメントをいただけて、感激のあまり思わず涙腺が弛んでしまいました。なによりも、最後まで真剣に読んでいただけたことに心から感謝申し上げます。

自分の感想が作者のみなさんにどのように受け取られているか、恐々としておりました。天野さんにこのように思っていただけたこと、本当にうれしく思っています。

最後になりますが、

> 拙作は、休日1日かかって書き上げ、

それは才能です!!羨ましい!!

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123エントリ10: 風邪青顔さん 『青夏(せいか)』棗樹 E-mail 11/26-04:07
記事番号6へのコメント
 真夏の光と影をうまく使っていると思いました。描写がそのまま主人公の苛立ちをくっきりと浮かび上がらせています。
 主人公と頼子は中学二年生なのですね。第二次性徴を迎え、身体はそれぞれの性に分化しているけれど、心理的にはまだ未分化な状態なのでしょうか。頼子はやや「女」に傾いているようですが、主人公はまったく中性的な感じがします。
 例えば、駅で最初に会ったときの頼子の服装に対する反応ですが、

(ワンピースはチューブトップになっているらしく、胸元より少し上で水平に切れていた。その上に、ノースリーブのパーカーを纏っているので、肌が随分露出しているが、不思議と背伸びしすぎた感は無かった。)

 中二男子だったら目のやり場に困ってしまいそうな服装だと思うのですが、非常に冷静ですよね(笑)。また、頼子が湘南平展望台に行こうとしていたことがわかったときの主人公の反応も、思春期の男の子らしからぬところが見受けられます。性への意識からの動揺よりも、苛立ちの方が先に立つ、そんな印象があります。

(母さんはそんな様子には目もくれず「女の子から電話よ!」とか、滅茶苦茶はしゃいでた。)

という一文から、主人公が男だという事実は覆しようもないのですが、最後まで読み終わったとき、主人公は自分のことを「僕」と呼ぶ女の子であってもおかしくないな、と思いました。むしろ、その方がしっくりくる気がします。作者は女性かな、とも思いました。ちがっていたら、大変失礼なことですが。

 話を戻し、作者の設定通りに考えてゆきましょう。

 主人公である男の「僕」は、とてもつかみづらいキャラクターです。

(だから、朝七時に電話が来たとき、「まだ日本にいたのか」と言うのが最初に思ったことだった。)

(恥ずかしながら、僕はこういう鐘とか鈴とか、そういうのを鳴らすのが大好きだ。神社のガランガラン鳴らすアレを、一度落としてしまったことさえある。
 今日も、例によってガンガン鳴らして、その余韻に浸りながら、彼女を振り返った。)

 そのような幼い面を残す一方で、

(……ああ、夏は、コレだから嫌だ。何でもかんでも明るみに出せばいいってモノでもないだろうに。はっきりくっきりしやがって)

と、鋭いところもあります。幼さと鋭さのアンバランスは魅力的ですが、何故に主人公がここまで苛立つのか、疑問でもあります。思春期特有の憂鬱、焦燥感だけでは説明できないような何かを感じるのです。夏だから?湘南の海が汚いから?そんな単純なものでもなさそうです。

(それらが全て交じり合って、僕の記憶の中の海が、変わらない湘南の海が、そこにあった。綺麗な記憶の欠片と共に。)

 過去の記憶は主人公の心理状態を解く重要な鍵になりそうですが、作品の中では消化不良のような気がします。
 主人公が女であれば、自分の性への違和感や、同性から想いを寄せられることへの戸惑い、戸惑いながらも頼子に惹かれる自分への苛立ちなどが予想され、ずっとわかりやすいと思うのですが、これはまた別の話でした。

 主人公の人物像がはっきりしないせいでしょうか、彼に想いを寄せる頼子のキャラクターもよくわかりませんでした。

(佐藤頼子は、クラスメイトだ。クラスの、二番目くらいに可愛い子。)

という文や、主人公の誘い出し方、湘南平まで歩かそうとするやり方から、可愛くて個性的な女の子を思い描けるのですが、主人公のどこに惹かれるのか、主人公の苛立ちをどのように思っているのかなどを示唆する部分がないと、頼子の「人物」はやはりつかみにくいです。

 他に気になったのは、江ノ島神社→プリクラ→植物園→(岩屋)→龍恋の鐘→小一時間ほど前に通った場所へと移動する部分が、一箇所ごとにスタンプを押しているように平板で繋がりの悪い文章になっていることです。それぞれ面白いエピソードが書いてあるので、もったいないなと思いました。

 また文章には、主人公の鋭敏な部分がよく現われた部分と、幼さや性格のよさが現われたと思える部分が、同じ重さで存在しているような気がします。どちらかに重心を移しておいてもらえると、物語の方向性がとらえやすかったと思います。