株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』
……その51

by ごんぱち



○十月某日『お金バラバラ…という感じ』

 政府が経済対策として、地域振興券みたいなものをばらまくとか。
 小銭で票を買うという発想と言えばそうなのだが、よくよく考えると他に穏便に国内に通貨を増やす事というのは出来るのだろうか。

 大元に立ち返って考えると、ファンド破綻による株価下落、に伴う企業価値の低下、に伴う銀行の貸し渋り、に伴う企業の経営困難、に伴う労働者の賃金や環境の悪化、に伴う消費の低下、に伴う企業経営困難――という辺りでグルグル回る感じ。
 ここに金を注入すると、企業は銀行からの借入金以外に資金が入るので、労働者の賃金や環境は改善され、労働者は消費を行うようになり、企業の経営は上向き、株価は上昇し、企業の担保価値は上昇し、銀行は貸し付けを行うようになる、と。

 さて、どうやって金を注入するのが効率的なのか?
 一番簡単なのが減税である。何しろ数字をいじるだけだ。しかし、答弁にもあったようだが、非課税になるような低所得者には関係がない。それに、この場合貯蓄に廻るだけという可能性が高い。少なくとも、商品券のように時限付きには出来ない。
 企業に直接資金援助をするのは? これは最悪に近い。どこの会社に幾ら支援をすべきかを調べるのはあまりに困難であるし、当然援助欲しさに贈収賄が横行する。政治家や役人が一人残らず清廉潔白だったとしても、暴力団だの何だのが名前だけの企業を作って援助金を詐取する事も出来る。
 では、銀行に入れれば? これも難しかろう。銀行に泡銭を持たせれば、成績を上げる為だけにいい加減な企業に貸し付けて、「会社潰れちゃいました、エヘッ!」で終わりだ。そもそも、ただ金をくれてやったら、猫に鰹節、銀行員達で分配すれば良いだけの話。
 とすると、国民に一律に金をばらまくというのは、必ずしも愚策とばかりは言い切れないのかも知れない。消費者というのは、それなりに商品を取捨選択している訳で、選択されるような商品を用意出来る企業に金が落ちるのは、下手な銀行の貸し付け審査や、政府の調査よりも正しい判断の可能性がある。
 ……まあ、食品偽装で不当に安いだけの商品を出している会社に金が集まる可能性はあるが。


<株の話>
 サブプライムの膿がドロドロと出て、ついに日経平均が7,000円台に突入した。
 会社の業績が悪くなった訳でもないのだから、慌てても仕方ないと思うが、まあ、のんびりしていられないような額を投資をした人も結構いるのだろう。
 こちとら、こんなタイミングで売る予定はない。
 で、バブル以降の最安値に近付くとか何とかで、全体的にあまりに株価が下がっているので、少し買い足してみる事にした。
 王将フードサービスを1,080円で100株購入。例によって優待狙いで。本厚木駅前に出来てたから、一度行ってみようと思っているのだ。
 これでひろぎんウツミ屋証券の口座の実弾は5,000円ぐらいしかなくなった。実質、買える銘柄はない。

 しかし……まだあるんですなぁ。

 虎の子の50万円が、松井証券の口座に。
 何年も前からじっくり機を待っていた感のある金、使うべきは今ではなかろうか。今の値段なら、優待狙いでちびちび揃えられる。
 つことで、銘柄を物色してみる。
 お馴染みのゲオがバカみたいに安くなって、配当利回りが3パーセント越えをしているので、優待も折り込んで一本買い付け。70,100円で1株購入。
 お食事券系は、大分数が揃って来たのでもう少し別のヴァリエーションを、と、コンビニ商品券が貰え、更に配当利回りも3パーセント越えのスリーエフを538円で100株購入。
 優待ばかりも何なので、配当利回り狙いで一本、と、いうことで、利回り5パーセントとかになっている、灯台下暗し、松井証券を一本。663円で100株購入完了。
 まだ幾らか現金が残っているけれど、二度に買うべし、二度に売るべし、という奴で、一気に買わずに間をあけてみる事にした。
 すると。
 更に下がった。
 世界的に経済対策をするだの何だの言っているというのに、あっさりバブル期以降の最安値を更新した。
 じゃあ、もう一本買い付けておこうか。
 東映アニメーションが、クオカードくれるらしいので、この辺りを狙ってみよう。
 指し値で1,821円100株――成らず。
 ありゃ、駄目だったか。
 明日になったら、また下がるかな――。
 と、思ったら、一気に1,900円台を越え、2,000円台まで回復してしまった。
 日経平均も8,000円台に回復し、経済対策の話も色々と出て来ている。

 ふむ。
 東映アニメーションの買い付けには失敗したが、株価が上がる事自体は良い。
 ここからV字回復して欲しいところだ、というか、まあ、これで上がらないようでは、資本主義の制度的破綻だと思うので、自分一人が沈むとかの話ではなくなる。

 また洒落にならないぐらい下がったら買い付けだし、そうでなければ、放置してちびちび優待と配当を貰っていくという寸法。
 恐ろしいのは、会社の倒産だけ。とはいえ、基本、自分が客として利用しようと考えている会社しか買っていないので、会社自体の価値はあると思うのだが。まあ、この辺は勘だけども。
 いずれにせよ、今度の配当シーズンが楽しみだねぇ、という事で。

チムニー(3362) 1,075円×1000株
ゼンショー(7550) 384円×100株
エイベックス(7860)  763円×100株
吉野家(9861) 87,700円×1株
松屋フーズ(9887) 1,176円×100株
王将フードサービス(9936) 1,299円×100株
ゲオ(2681) 70,800円×1株
スリーエフ(7544) 589円×100株
松井証券(8628) 626円×100株

 ――続きは、次回。







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