株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』
……その40

by ごんぱち



○十一月某日『無駄だ!』

 講談社からの掲載謝礼が届いた。
 現金書留に現金が入っており、内訳を見ると所得税分が支払い済みだった。
 ほえ、そうなんだ。
 ひょっとすると、コバルトの謝礼も同じように税引き後の20,000円だったりしたのだろうか。


 自衛隊の装備受注に関して、事務次官に企業からの接待があった件が、罪に問われている。
 接待の何が悪いのかとっちらかっている人もいるかも知れないので補足しておくと、要するに、真っ当な手続きを踏んで受注していた時よりも、余分な値段を支払う事になった可能性が高く、つまりは税金を余分に使ったんじゃねーか、という辺りがダメな点。

 しかしまぁ。

 実に古典的な話である。
 いかんいかんと言いながら、罰せられたりしながら、やっぱり繰り返される犯罪の一つである。
 恐らくは、税金というものが出来た瞬間からあった事なのだろう。というよりもそもそも、税金という概念は、そもそもそれを取り扱う人間の私的流用という「役得」をある程度目的として生み出されたのではあるまいか、とも言える。
 システムの欠陥というより、本来の目的。
 そもそも、全ての人間にとって興味のある「お金」を、管理するのがやっぱり人間なのだから、「猫に鰹節」そのものである。
 だとして、この状況を打開するには、猫ではない者に鰹節の管理をさせる必要があるのだろう。
 昔のSFでは大体世界を破滅させる引き金であるところの、コンピュータ――自動的なアルゴリズムによる政治、というのが、お手頃な落とし処かも知れない。
 不正がし難いシステム構築という発想も存在するだろうし、部分的には実行されているとも言える。


 宮崎県知事のそのまんま東が、日本に若者を鍛える為に徴兵制のような制度が必要だと思う、という類の発言をして叩かれるかどうかの瀬戸際になっている。
 徴兵が良いとか戦争が良いという話ではなく、そういう厳しい経験をさせた方が若者は良くなる、とかいう意図であったと弁明している。
 まあ、東京都知事も色々過激な発言をしつつも再選されているのだし、広島か長崎でない限りは、進退がどうのという話にもならずになあなあで収まると思われるが。

 つっこむのもアホらしい話なのだが、この手の発言をする人間は、常に「徴兵されるには、あまりに老い過ぎている年齢」である。
 ちょっと表層を剥がせば、何のことはない、手垢で真っ黒になった「最近の若い者は」論に過ぎないのだ。

 いやいや、何しろ若者は年老いた自分よりも苦労をせずにのほほんと暮らしている。喰うに困らないし、教師に殴られた事はないし、腰は曲がってないし、老眼でもないし、徹夜しても一晩寝れば元気だし、走っても息切れしないし、転んでも怪我しない――ほら、若者は全然苦労が足りない! だから人を殺すような事件を起こしたり、暴力事件を起こしたり、泥棒をしたり、ほら、オレオレ詐欺なんてやったりする!
 そんなヤツらの性根を叩き直すには、軍隊に入れてやれ、頼むぜ僕らのハートマン教官! ヤツらのケツを蹴飛ばしてやってくれ! ついでにどことは言わないが仮想敵国様は、ヤツらの頭をAK47でぶっ飛ばして、年寄りよりも機動性のない肉塊にしてくれ!

 と。

 その了見がどれだけいじけていてみみっちく格好悪いか、まあ、ちょいと考えてみなさいな、と思う。
 どんな相手でも良い、他人が楽をしているようにしか見えなかったとしたら、まずは自分の目が嫉妬に歪んでいると思った方が良い。
 気付かないと困るので言っておくと、そういう「あなた」を、「何の苦労もしねえでぬくぬくと暮らしやがって」と、嫉妬の目で見ている誰かもおる訳なのよ。
 そもそも、大前提として「苦労した人=立派な人」なんて図式は、成り立たないのだし。
 もしもそうなら、政治不安で内戦や飢餓や疾病に苦しむ国家は、聖人の国って事になっちまいますが。

 そういう聖人溢れる国にならない為にも、あんまり政治に無関心ではいない方が良いなぁ、というのと、そのとっかかりとして税金を見つめるのは悪くはないんだろうなぁとは思うけれど。
 差し当たり、苦労のない我が身としては、目先の還付金狙いで、何か経費はなかったかしらんと考えるぐらいが関の山なのである。
 今年も残り一ヶ月。


<株の話>
 今年も今年で、利益はマイナス扱いになっている。
 こんな事なら、数年前のまとめて支払ったアレを、分割してどうにか出来んかったかと思わないでもないが、まあ今となっては仕方のない話である。
 あの時は、特に文筆収入も多めだったからなー。
 ま、それより稼げば良いだけなのだが。

 原油高の影響だの、外国市場の株安の影響だので、ズリズリと値を下げる株価。17,000円台近くまで行っていた日経平均が一時15,000円割れを起こすという有様である。ちなみに「為体」と書いて「ていたらく」と読ませる訳だが、脳内辞書で一発変換されないので脳内辞書で「使わない熟語」に登録中。ていたらくと雨音たらくの間に何らかの因果関係はあるのだろうか、とも思うが、これもさして意味がない。

 今のところチェックしている株価は、株を持ってるチムニー(3362)と、松屋フーズ(9887)それから、ゲオ(2681)だが、ゲオがダラダラと下がって、11月末終値で202,000円になっている。
 日興がレーティングを下げられたのが大きく影響もしている様子だが、そんな水物っぽいもんに右往左往するのもどうかなぁ。大体、レーティングを「下げた」という時点で、そのレーティングを付けた人間は、その前に「高いレーティングを付け過ぎた」という判断ミスを一回やらかしている訳なのだし、今回が正しいという保証はどこにもない。
 もっと割安感が出たら買おうかなぁとは思うが、どうも最近ゲオでゲームを買うことも、ビデオを借りる事もないので、あんまりモチベーションが湧かない。
 まあ優待でポイントが年間2,000点付く上に、配当が1パーセント(100年持っていたら、株価がゼロ円でも配当だけで元が取れるという事)を超えているので、優待配当合わせて2パーセント超の旨味がある訳で、それだけでも悪くはないと言えなくもないのだが。

 チムニーの優待券を使って、またはなの舞で呑んだ。
 先に4,000円分使ったので、残り6,000円分を使った。しかし、6,000円という額は二人で呑むには少々微妙な金額で、支払いを気にしてしまう。やっぱり10,000円分丸々持って金に糸目を付けずにやる方が良いやね。次回の参考にしよう。
 その時に、食べたクジラのスジ煮が、大変にまずかった。今までクジラベーコンとか竜田揚げとか、味の誤魔化されがちな調理法ばかりで気付かなかったが、これはまずいなぁ。水族館風の臭いというのかなぁ。
 なるほど、クジラの肉を嫌う熟年世代の気持ちが多少なりとも理解出来た気がする。

 丁度株が値下がりしている時なので、何か買ってみようかなぁ、と優待方面から銘柄をちらりと眺めてみた。
 株主限定ライブで有名なエーベックスや、すき家の割引券が貰えるゼンショーなんかが目に付きはした。買えるだけの実弾はあるのだが――んー、まあ、少し機動性があった方が良い時期かなぁ。
 凧糸と持ち金は出し切るな、というのがセオリーでもあるし。
 大体、チムニー一点に寄り過ぎなのがいかんのだが。
 ゆくゆくは、20万円前後の優待付きの銘柄を何種類も1単元づつ保有して、売り買いは全くしなくても、ちょっとした外食では全くお財布が傷まない、という風な組み方にしたいんだけどねぇ。
 まあ、今の持ち玉でも20銘柄ぐらい揃えられなくはないんだけども。
 ……チムニーを損切りすれば。

チムニー(3362)1200株×1,908円
松屋フーズ(9887)100株×1,370円


 ――続きは、次回。







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