株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』
……その31

by ごんぱち



○二月某日『このひどい控除いっぱい』

 今年も、なかちょう大通りに渡された黄色い横断幕が目障りな季節となってまいりました。
「確定申告は自分で書いてお早めに」
 はい、年に一度のキャッシュバック、確定申告の季節です。
 ……いや、バックされるとは限らない事は知ってますよ、そりゃ。

 三年目にもなった事だし、結構勝手も分かって来た。
 まずは必要書類を用意する。
 源泉徴収票に、保険の控除通知書、それから証券会社の年間取引報告書。で、後は……特になし。
 物書き収入があれば、経費とか帳簿とかあり得るんだけど、ないもんは仕方なし。でもまあ、これもきっと来年の糧になるから。多分。

 じゃあ、気を取り直して国税庁のホームページへアクセスだ!
 別にブックマークは付けてないので、ぐーぐる検索、キーワードは「国税庁」で。
 ええと……ああ、あった、「確定申告書等作成コーナー」。
 クリックして……ん、なんか上のプルダウンメニューがバタバタ開いて鬱陶しいなぁ。ボタン隠れるだろうに。デザイン失敗と思われる。

 ちょっと手間取ったが、まあクリックは出来たので、と。
 ふむ、作成コーナーだ。
 前年と違って、テキストベースになっているのは、恐らく「うちのパソコンからは出来ない」みたいな意見が頻出したんだろう。
 「要カラープリンタ」「モノクロプリンタも可」「画面が簡素化」と、どんどん要求スペックが落ちてるのは良い傾向だな。

> ▼平成18年分の作成コーナーはこちら
>
> 利用する作成コーナーを選択してください。
>
> ■所得税の確定申告書
> ■青色申告決算書・収支内訳書
> ■消費税等の確定申告書
> ■贈与税の申告書

 所得税の確定申告をクリック、と。
 ええと、申告書AとBは、どっちだったっけ……。
 前はどうだったか、立ち上がってそこの本棚に置いてある控えを持って来るのが面倒なので、「当てはまる申告書がお分かりにならない場合」を選ぶ。
 該当する収入をクリックして、進むと――申告書Bである事が判明した。
 いやぁ、最初からそうだった気がしたよ?

 では。
 株式の収支を入力。
 年間取引報告書の、「お前がが株を買う時に払った金」「お前が株を買った時に払った金」「もうけにかかる税金」(意訳)を入力。
 実質的に取引のあった口座は、ウツミ屋証券と松井証券なので、二枚分入力。
 さあて、今年の儲けはいくらかなー?

> 本年分の特定譲渡損失の金額の計算
> 特定譲渡損失の金額 39,086円

 ……マイナスでした。

 まあいいさ、いいさ、来年の利益で相殺すればいいだけさ、ふんっ。
 それでこそ、確定申告した意味があるってもんさ、ふんっ。

 しかしまぁ実際のところ、含み損はともかくとして、売買で出た損失ってこんなにちょっぴりだったんだなぁ。
 NDソフトウェアを損切りしたから、結構損したようなイメージがあったんだけど。

 さて、次は給与所得。
 源泉徴収票の内容を入力して、と。
 画面の作りが、基本的に用紙と同じようなレイアウトだから、入力に手間がなくていーやね。
 えーと、入力した数字と、納税額が……あれ? なんか合わない。どーしてだ?
 ぢっと源泉徴収票を見る。
 あ、雇用保険分が控除されてるのか。
 今年は、年末調整で何も出してなかったから、そういうの入ってないと思った。

 後は、配当所得。
 配当は、振込にでもしていない限り、金額を書いたものが一切なくなってしまうので、帳簿頼りで、少々うろ覚えでもあるけれど、入力入力。証券会社の取引履歴と、ひと株辺りの配当額を調べて何とか割り出した。
 配当金額が7,600えーん。
 小さいな、まことに小さいな。
 リスク回避のために、前半は株式じゃなくて現金で持っていたせいだな、これは。
 えーとそれから、配当の源泉徴収された税金の、7割を入力しろ? 残りは市税? ややこしいな、そんなんそっちでやれば良かろうに、と思うがまあ、色々あんだろう。

 んじゃ次は社会保険料控除。
 源泉徴収票通りの雇用保険9,251円と、取立を黙らせる為に一ヶ月分だけ払った年金13,860円と、そして。こいつが大物、国民健康保険の292,800円。

 で、結果は?
> 源泉徴収税額 13,927円
> 申告納税額 △13,927円

 はい、全部戻ってまいりました。
 恥ずかしながら戻ってまいりました!
 ――別に本当に恥ずかしがっている訳ではないです、これの面白いところは、横井庄一さんのセリフと同じなのに、状況が全然違うところです。
 ちなみに横井庄一さんというのは、グアム島で孤軍奮闘していた日本の兵隊さんです。兵隊さんということは、太平洋戦争以前の人です。
 それからそれから(ボケ倒し失敗)。

 んー、しかし、この金額の戻り方は、どう考えても、国民健康保険の仕業だな。

 むしろ、国民健康保険で全てがフォロー出来ているのだから、他の社会保障控除とか、書いても全然意味がないんじゃないか、と。
 具体的な話をすると、 控除てぇヤツは、よーするにその金額の大体1割が戻って来る金額になる訳だから、今回の場合は139,270円を超えた額は、控除という意味では全く無意味なものになっているじゃねえかこのヤロウということ。
 収入に山谷多い作家だから、というのはどうでも良いとして。
 社会保険庁のCMとかでよく言われるところの「年金は社会保険料控除に使えるのでお得だぞ、低所得のフリーターや、学生や、ホームレスもガンガン払いやがれコノヤロー」(意訳)というのは、一定水準以下の収入の人間にとっては、何の意味もない付加価値なんだなぁ。
 少なくとも「すわ、20歳になった、年金をはらおうぢゃなゐか」と思い始めたところの、大学三年生氏のハートをゲッツ(ダンディ活用)するには、全く意味のないキャッチコピヰである。

 さて、ここでふと思い立ったのだが。
 株式売買の所得でも、所得にまとまってしまうので、社会保険料の控除対象にはなる。
 年金はデッドラインの25年分は払っておこうと思っている(年金資金に注ぎ込まれる税金分が、大きくマイナスになる可能性が高いので)。
 よーするに、株式投資で利益が出たら、その年にはその分の年金を払う、という控除と所得の操作を行う事で、負担を最低限に抑え、控除のもったいないをなくす事が出来るのではなかろーか。

 具体的な数字を挙げるなら、
・株式売買益が20万円出た
・その年は、年金を20万円分払う

・株式売買益が出なかった
・その年は、年金を払わない

・株式売買益が100万円出た
・その年は、滞納分と全納含めて年金をいっぱい払う

 みたいなことだ。

 当方、今年で33歳とかそんなんなので、割とギリギリになってしまっているが、先述の大学三年生氏が20歳からその手を使って上手くやったら、結構得出来たかも知れないなぁ。
 要するに、大学生で大して収入のない二年間は年金を滞納しておいて(24ヶ月分332,640円)、仕事を始めたらまとめて払う。まとめたら超えてしまうなら、1年分づつ払っていく。
 そーすると、33,264円は得する可能性がある。
 ……まあ、収入がないと、無意味だけども。年金は今のところ遡って2年までしか払えないので、最初の1年目が勝負という感じか。
 ちなみに。
 前納した場合、1年当たり3,490円の早割になるそう。
 さて、どっちがお得でしょう、と。
 ――セーフティネットなら、年金じゃなくて、個人資産運用と、生活保護の領域だろうの会。

 しかし盲点だったなぁ。去年にそれやってたら、所得税も、国民健康保険とかも少なくなって、住民税も減って、控除の無駄もなくなってたんだろうなぁ。
 収入が安定しない人間は、その辺の努力を上手くせんといかんなぁ。ううむ。利口な税金の払い方、かぁ。
 差し当たり、エクセル本の原稿料を経費と年金で相殺出来るように、払い方を調整してみようかしらん。


 それでは、申告書が出来上がったので、プリントアウトして、市役所の特設会場へ。
 市役所前に――なんか、自転車置き場が増設されてるんですが。
 ロビーに入って、エレベーターに乗って。
 はい、会場のある階に到着。
 中には、と。
 受付の机が二つ。
 提出するだけの場合は脇の、こっちか。
 しかし結構人がいる。
 待合い椅子だかなんだか知らないが、大きい教室ぐらいある広さの部屋にずらりと並べた椅子の4割ぐらいが埋まってる感じだ。2月22日の木曜日で平日だってぇのに、混んでるなぁ。去年はもっと空いてた気がするんだけど、何か違ったのかな? 日にちとか。
 向こうの机では、恐らく代書というか、手伝いというか、そういうのをやっているんだろうなぁ。つまり、この場で書く人は、あの椅子で延々待つ羽目になる、と。
 つまりこれが「自分で書いてお早めに」の所以なんだなぁ。
 そうこうするうちに、自分の番が回って来た。
 申告書一式を渡して、源泉徴収票と、社会保険料の控除の証明書と、株式の年間取引報告書も渡す。去年は源泉徴収票ののり付けだったが、今回はホチキス止めに変わったらしい。バチンバチンとやっておしまい。
 払い戻しの事なんぞの簡単な説明を聞き流して、会場から出た。
 さて、これでひと仕事おしまい。
 残すところ、払戻金の振込と、住民税の支払いと、国民健康保険の支払い。今回は前回と大違いなんだろうなー。ちょっと楽しみでもある。


<株の話>
 日経平均は良い感じに上がっているものの、逆張りかよ、と突っ込みたくなる感じに下がっているチムニー。一時は2,890円まで回復した株価が、26日終値で2,580円。
 最高値で売っていれば、という気はもちろんするが。
 でも放置。
 待てば回廊の日和あり。走って走ってギィになりました、火がボーボー、火宅の人。
 まあ機が来るまでは、配当や優待で、ちびちびやってれば良いんじゃないかと。
 チムニーは客目線で買った株なので、あんまりヘンテコな事にはならないと思うし。はなの舞は、安い割にはあまり子供っぽさがない上に、ボックス席がきちんと仕切られててなかなかに快適。







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