株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』……その27
by ごんぱち
○十月某日『国は大騒ぎ』
国勢調査によれば、日本の人口が減ったという。
戦後以来初の減少と。
減少という現象という駄洒落は、恐らく有史以来五億回ぐらい言われているに違いない。
すわ、人口が減った、納税世代が減って年寄りが生きていく方法がなくなって、なんと恐ろしい事に年寄りが死んでしまうという許されざる事態が起こるのだ――というタイプの短絡発想な発言は、流石にこの二十一世紀の科学時代にはなかろうと思うけれど、それはそれ、あんまり喜ばしい状況じゃあないなぁ、と思う人もいるのだろう。
しかし、やっぱりこれは喜ばしい事だと思うけどなぁ。
そりゃあ、年金とか税金は大変だろうさ、けれど、どこかで折り返さにゃいかんじゃないか。
人口が減るのは許せないとなれば、じゃあ一体日本人が日本列島から溢れるまで増加すればいいのか、という事になる。
それは極端、か? そうなった時に折り返せば良い、か?
「そうなった」
か、否かを、一体誰が見極められるのか。
美貌の記憶を残したいと、老いるる前に辞める女優がいたとして「まだ若いじゃないか」と言う意見がある。しかし、その言葉がかけらる程美しいうちでなければ、彼の女優の意図は達せられない。
芋粥が好きな人間がいたとして、飽きるまで食べればその時点でその芋粥は不味くその後に残るのは重く深いな腹だけである。旨いままで箸を置いた時、「もう一口食べれば良いのに」と声をかける事が果たして適切であるか。
足るを知るべきだろう、たって半畳寝て一畳、生きる為に必要な金銭については、必要な額あけあれば良い。それ以上については、ゲーマーのやり込み要素の如く、それ自体に楽しみが伴わない限り追い求める意味がない。決して、不安を解消する為のものではあり得ない筈だ。
恐らく、我らが老いた時、若者の数は減るだろう、悠々自適の生活を送られるのは、ほんの一握りのブルジョワだけだろう。
だがその代わり、我らは子々孫々に、使い潰されなかった人間に適した地球環境を遺す事が出来る。それで良いじゃないか、そうやって生きるが良いじゃないか、少なくとも、人間が永遠に数を増やし続けるという発想は、絶望でしかないじゃないか。
戦争に依らず、疫病に依らず、災害に依らず、ただ穏やかに数を減らす、こんなに素晴らしい事はないじゃないか。
そして、気付いているだろうか、減り過ぎたその時は、今と同じように何となく殖え始めるものだ。ライフゲームでシミュレートするまでもなく、世界が広ければ殖えずにはいられなくなるのだ。
そんな穏やかなサイクルの為なら、多少は高い税金を払っても良いような気がするのだ。
<株の話>
今年もいよいよ終盤に入って来た。
何となく上がり調子に移行しつつあるようだが、収支は赤字で終わりそうだ。
ゲオは一応プラスになっているが、チムニーと松屋フーズが、低いところから上がってくれない。
もっとも、超長期で考えればそうそう元本割れするとも思えず、焦る事もないかなぁと思わないでもない。
ということで、売らず、買わずでぼんやりとホールドを続けるのであった。
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