株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』……その11
by ごんぱち
○六月某日『控除の月』
役所から封書が届いた。
国民健康保険の納付書である。
年金は払わない気満々だが、こっちは払う気になる。
医療の設備やら何やらが、個々の力では出来ないのは事実だし、まあただ金をばらまくだけなのに、給料とか印刷代とかプリンタ代とかで目減りする年金よりなんぼか精神衛生上よろしい。
さて、一括前納しているが、金額は――87000円――あれ? 前より上がってる。
これは何が原因なんだろう。収入が増えたからか、それとも単に値上りしているだけか。
まあいずれにせよ、控除に利用するだけの話なのだが。
控除というと、何やらこの先の税制の見直しで、配偶者控除だの、個人住民税の生命保険料控除と損害保険料控除が廃止だのという話がある。一応国民健康保険に控除廃止の波は来ないようにも見えるが、どうだかこうだか。
国のでかい借金を、国民からぶんどるという気満々な気配がする。
当方、介護施設のバイトであり、事務方の仕事をしている訳だが、ここにもそういうぶんどり波が来ている。
まずは、障害者向けの支援費制度の見直し。
元来、障害者の介護施設利用料は、支援費制度になってから収入(納税額)に応じて単価と上限が決められていたが(それ以前は定額だった様子)、これが介護保険同様受けるサービスごとになるらしい。
今まで負担ゼロ円だった人が、突然一万、二万円の負担になるという訳だろうから、こりゃまた厄介な話だ。
「障害者から金を取るな」と言うと、逆に障害者の人権を認めていないという風に聞こえるかも知れないが、自分で労働が全く出来ない障害者の場合、結局ひっかぶるのは扶養義務者になるのだ。そこには、自立支援だなんだという意味合いは全くなくなり、結局のところ扶養義務者の介護意欲を著しく殺ぐ事にしかならんと思うのよ。
次に、県から指導があったのが、介護保険。
うちのような通所施設は、滞在時間でメインの利用料が決まり、その他の入浴やら何やらで色々と加算が付く。
この滞在時間というのが曲者だった。
自施設で送迎を行っている場合、当然最初に到着する利用者と、最後の到着する利用者の間にタイムラグが出来る。
滞在時間と呼ぶなら、到着時刻から帰る時刻までを含みそうなものだが、そうはならず「最後の一人が到着してから」「最初の一人が帰り始めるまで」と。
実情に合っていないところまでは、まあ仕方がない。四角四面はお役所の専売特許だ。しかし。
――今まで、そんな事明言しとらんかったのが問題だ。
明言されていれば、送迎時間なんかも調整、対処したというのに。
んで、過去の取りすぎた金額も自主的に返却しろ、と言って来た。
こういう場合は、大体次年度からにするものだが。明らかに、財源不足から来た、重箱の隅つつきだ。
次に狙われるのはどこだか。
六月は株主総会の季節なので、ゲオの株主総会に出席した。
会場が名古屋の方だったのでこれ幸いと、万博も覗いた。
万博は、そもそもの趣旨からすると博覧するものな訳だから、博物館的であれば良いと思うのだが、各国のパビリオンを見ても、ほとんど説明らしき説明がない。何の説明もなく工芸品とか置かれても。ああいうのは、説明やら能書きやらを読むのが楽しいのになぁ。観覧車とかどーでも良いからさ。
総会は、社長が景気の良い事を言っていたが、株価についてはテコ入れ策とかは行わず、市場の評価を待つという感じ。
暴騰の波はないんだろうなぁ。
その後の講演会は、講師がなかなか軽妙な語り口で楽しめた。
――と。
行って帰って16180円、取材費として記録しておくことにする。
領収書はないが、帳簿があるから平気――だと思う。
他に、今月は医者にもかかったが、これはどうだったっけ。
医療費って、一定額以上じゃないと控除の対象にならないんだったよなー。
確か。
で、軽く調べてみたところ、年間合計の自己負担金額が十万円以上(所得二百万円以下は所得の五パーセント)だった場合、そのはみ出た金額が控除の対象になるとの事。
自費にして十万円分も医者に行くと言ったら、まあ年寄りになるか事故に遭うか大きな病気をするか……まずない事ではある。
こういうのは、役に立たない方が幸せってなもんだろうなぁ。
保険関係は貰わないでナンボであると思う。
だから掛け捨てが一番。
大体、あの全員がある程度の金額を貰える保険商品って分からんよなー。その分安くする方がずっとお得である。そりゃ、現金持たせとくと、すぐにお菓子とか買っちゃう幼児や小学生ならともかく。
――続きは、次回。
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