株日記外伝
『知識ゼロからの確定申告』
……その2

by ごんぱち



●9月某日『僕はあの予告編で嘘をつく』


 ――と、その前に。

 確定申告に当たって、一番面倒で厄介そうなものをすっ飛ばしていた。
 収支の扱いが分かりづらい、株式取引である。

 新たな事実。

 筆者の口座は一般口座で、特定口座ではないのだ!
 ウツミ屋証券に口座開設した時は、丁度税制の変わる過渡期だったらしい。

 どーん!
 という事は、税額を自分で計算せにゃあならんのだ。
 って、そういう面倒なのは嫌だから、特定口座に切り換え切り換え。
 念のため、『知識ゼロからはじめる株式投資』を読んでから口座開設をしたぐらいの人だと、否応なく特定口座だと思うのでその辺の心配はいらない。

 さーて、ずっと先延ばしにしていた特定口座切替の手続きをしよう。
 いつぞやに送られてきた(そして放置されていた)ウツミ屋証券から届いたメールに載っていたURLが、まだブックマークに残っていたのでアクセス。
 もちろん、ウツミ屋証券のトップページからでも入れる。「証券税制改正について」てなリンクから、各種書類のページへ飛べた。

 やり方は、と。
 書類をダウンロード、印刷してから、郵送するのだそうな。
 ――その辺、アナログだよなぁ。
 多分印鑑が必要になるからだろうけれど、電子署名とかちゃちゃっと出来んのかなぁ。
 そりゃ、セキュリティとかあるけどね。
 その書類は、PDFファイルで配信されている様子。では、てんで書類と記入例を印刷。

 ダウンロードが終わったので、開いて――。
 ……不正な処理?
 再起動してもまた不正な処理。
 うーむ、まあ、慣れっこだけども。
 低スペックネタは、前の株日記でさんざやったので、慌てず騒がず、家族が使っている別のパソコンを使用して、と。
 ……PDFファイル、読めないんですが。
 なんだ、PDFリーダー(表示ソフト)ないんかい!
 即刻、PDFリーダーをダウンロード、インストールした。こういうのを泥縄という。泥で縄を作って用意した気になっていると、いざ事が起きた時に結局慌てるの意(違う)。
 やれやれ、印刷完了。

 書類名は「特定口座開設届出書」だそうな。
 ……しかし、書き込むとこは少ない書類だな、これ。
 住所と氏名と生年月日と、印鑑。それに顧客コード(口座IDのことだと思う)か。後は、信用取引と、源泉徴収をするか否かのチェック欄のみ。

 この他に、株を今の口座から新しい特定口座に移す為の「特定上場株式等保管依託依頼書 兼 特例上場株式等にするための保護預かり上場株式等に係る出庫依頼書」ってイギリスの正式名称のよーな書類も要るらしいが……。
 でも、取得証明が必要だとか書いてあって……えーと? それは、つまり?

 ……そうだよ。
 こういうゴチャゴチャした手続きがなんだかよく分からんかったから、特定口座に切り替えず、放置してたんだ。
 放置には放置の理由がある。
 放置民。
 放置新聞。
 地放置ャンネルHBC。

 面倒とは思いつつも、書類があれば何とか分かるだろう。
 てな感じでダウンロード。
 不正な処理……。
 うわーーーん!
 もういい、PDFリーダーのヴァージョンアップする!
 サイトに接続、上位版ダウンロード終了。
 さて、インストール!
「Bドライブの空きスペースをもう20メガ空けやがり下さいませ、このIT弱者の娼婦の息子下衆野郎様」
 というメッセージが英語(今流行りの超訳なので、原文と異なる場合があります)で出て来た。
 有無を言わさずBドライブってのはどうよ? ったく。
 また別のパソコンを使う羽目に……やれやれ。
 これはしかし、ソフト制作者の怠慢である。断じてマシンパワーのせいではない、そうだとも。


 ひとまず書類が二つ、

・特定口座開設届出書
・特定上場株式等保管依託依頼書 兼 特例上場株式等にするための保護預かり上場株式等に係る出庫依頼書

 が、手元に揃った。
 まあ「〜出庫依頼書」の方は、ともかく後回しで、まずは「特定口座開設届出書」を書こう。

 名前と住所と印鑑と、信用取引はしないからチェックをしない、と。後は源泉徴収にするかどうかだけど……。
 源泉徴収の有無というのは、もしもアリにしたら税金で取られる予定の金額に手が付けられなくなるらしい。
 それは何だか面倒そうだけど、でも、申請し忘れで追徴課税とかはなさそうだしなぁ……。
 そもそも、それって株を買うのにも使えないって事か? それとも、口座から引き出す時に出せないって事なのか?
 今一つピンと来ないけれど――。

 下手の考え休むに似たり。

 まあいーや。
 使う使う、OKOK!
 徴収しちまえこの野郎!
 問題が出たら切り換えればいーのだ(多分、面倒なのでやらないと思うけど)。

 さて、次は「特定上場株式等保管依託依頼書 兼 特例上場株式等にするための保護預かり上場株式等に係る出庫依頼書」だけど……。
 「特定口座開設届出書」に、残高(株を含む)を特定口座に移行希望の場合には、この書類と取得費に関わる書類が必要、とある。
 うーむ。
 取得の書類ってなぁ、一体何かね? ウツミ屋証券から送られて来た書類と言えば、売買結果の葉書と、半期に一度の口座明細ぐらいのもんだが。
 でも、そういうものだったら、向こうにデータないか?
 違うのか?
 手続きいるのか?
 いらんのか?
 何だかやっぱりよく分からないよ。
 パトラッシュ。
 僕はとても眠いんだ。
 ぐーーーー(寝てごまかす)。

 アレだな。
 結局、この手続きで出来上がる特定口座という代物が、どうなっているのかを確認しないと始まらんね。
 中身が移ってれば、何も手続きは要らんって事だし、空っぽなら移す手続きが要るんだろうし、あんまり面倒ならひとまず全部現金化して一旦降ろしてから移動させりゃあ良いのだ。
 まあ、なるよになるしかないダバさ、と(中途半端に古いアニメネタ)。


 んじゃあ、「特定口座開設届出書」と、保険証もコピー。
 郵送には定型封筒定型封筒っと……ああ、あった。
 ……郵便番号欄が五桁だけどまあ、OK。
 まだこんなのある辺り、筆無精だか何だか。
 さあ、郵便局で切手を買って投函――。

 いや待て。
 大事な事を忘れている。
 この特定口座開設の手続き中は、株の取引って出来るのか?
 凍結されるとヤバイ。
 何となれば、九月二十四日付けで、ゲオ株の配当と優待の権利確定なのだ。
 こちとら確定前後の株価上昇、下降にかぶせて売買をしようと思っているのだ。何しろ、ゲオの優待は一株あれば充分なので、残りの十株は優待分が無駄になる。
 なので、二十四日を過ぎるまで放置決定。
 また放置か!
 いや、今月中には出すって。
 無論、売れた場合は買い直すために、もう少し投函時期が遅れるかも知れないけど。

 それからどしたの?

 ええと。
 権利確定寸前に値下がりという、アホな事態が起こり……。
 結局目標額に達せず売りそびれ、取引の問題は解消したのであります。はい。
 結局、書類は九月二十八日に投函しましたとさ。





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