ごんの株日記……その3
by ごんぱち
●十一月某日『真夜中の資料請求』
新聞によると、株価が百円を切った会社は倒産間近だとか。
なんぼ何でも、倒産した会社の株なんてビタ一文の価値もない。素人以下でもそれぐらいは分かる。
要するに、買うなって事か。五十円ぐらいのを、ちょびっと買おうと思ったのになぁ。ちぇっ。
安物買いの銭失い、が文字通り起こり得るというわけだ。
しかしよく考えてみれば、今現在どんな高値だろうが、下がれば百円以下にはなるという事。「出血した人間は死にます」ってのとあまり変わらない理論だ。
――等という話は、証券会社に口座を開いた人間がやるものである。
さて、口座開設への道。
色々HPを廻ってみたが、マシンパワーがなくても見易い、というのはかなり大きな事ではないかと思う。それはつまり、客の状況に対する想像力なのだ。
サービス業は、相手を理解する事から始まる。良い意味で「足元を見る」というヤツである(絶対良い意味で使う言葉じゃないだろう)。
そんな理由で、ウツミ屋証券に決定。
別に、もう色々廻るのが面倒だったからではない。
ダメだったら解約すればいいや、とか思ったからでもない。
下手の考え休むに似たり。
ウツミ屋証券のページに再び接続した。
口座開設と、い、う、と。
ちゃんとそれ用の項目がある。そういう飛びたい項目が目に見えるところにあるというのは、実に大きい。
実際に繋ぐとどうなるか、というシミュレート画面があったので、オンライン株式取引用ページのデモをチェック。ブラウザの縛りがあったが……どうやら動く様子。
実際にやって動かなかったら、とも思うが、まあ、多分平気の筈。電話でも取引出来る様だし。手数料は高げだけど。
何はともあれ、少しでも買えば様子が分かるはず。まずは口座開設。
一応、最終確認として手数料金表をチェックする。
前回取引手数料は見たが、よく読んでみると、単純に口座から金を引き出すのも三百円要るのか。それほど無茶な額ではない辺りが、商売上手というか、狡っ辛いというか。
口座に関するルールもチェック。
PDFファイルだった。しかし、たまに使われてるけど、本当に安全なんかいな、これ。今一つどういう方式なのか、よく分からない。
ともかく、ざっと流し読み。どうという珍しい記述もなし。
面倒になるぐらい色々な注意書きを読んだ後、口座開設ページへ飛ぶ。
口座開設の手順が、一つ一つ説明してある。
ふーん、お断りの相手というのもあるのか。
・法人――ライターは個人事業者だな。関係なし。
・未成年――だったのは、十年近く前である。OK。
・非居住者――神奈川が独立でもしない限り大丈夫。
・インターネット環境――ブラウザの相性に疑問は残るが、まあ、見れてるし。
そして次……資料請求?
書類に記入後郵送?
郵送って必要になってくるんだ?
実質株主報告名義届出書、源泉分離課税の選択申告書・源泉分離課税の廃止申告書・申告分離課税等の申請書――とか、書いてあるけれど、まあ、必要になったら何だか分かるだろう。
さて、資料請求のフォームに記入を開始。
――ありゃ、住所氏名電話番号なんかはともかく、口座番号まで入力しろって?
どうも、郵送が絡むのは、書類の確認の為らしい。
ああ、郵送って、書類の確認だけなのか。
ともかく項目を埋める。
ええと、職業は本来「自由業:小説家もしくはライター」だけども、社会にそれなり適応した大人なので、バイト先を書いておく。
えーっと……スレッドの中に、社会福祉法人とか、通所介護施設とかはなさげですなぁ。その他に決定。所在地……バイト先のページが、こんな形で役に立つとは。
銀行の口座は、いつも使っている方と使っていない方があるが、いつも使っていない方にしてみよう。理由は、こっちの方が入ってる金額が少ないから(理由になってない)。
次に世帯主の記入? 当方両親と同居中で、すっきりさっぱり世帯主ではないから、父親の名前をっと。
役職?
知らん。
うちの世帯主は、家に仕事を持ち込まないというか、「俺は課長だ!」とか言わない人だからなぁ。ということで、母親に訊いてみる。助けてママン! 一応分かった。
他に口座の追加のサービスだか何だか、MMFだのなんだの、郵便局とかに行くと書いてありそうなアルファベットが並んでいたが、無視。そこまで調べると、本筋から外れるし、リターンはリスクを伴うのが世の理。何か得をしそうなものでも、迂闊に手を出してはいけない。今は株式に集中。同時進行で色々な事が出来ない、これが男性的性質という奴かも知れない。
入力の続き。何でウツミ証券を知りましたか? えーと、ネットだなぁ。URLも書け? んじゃ、YAHOO!さんのアドレスを(嫌がらせか)。
今度は、証券取引の経験を問うチェックボックスがズラリ。
ぜーんぶ、ない。
これで、入力終了。みーんな見直して、問題は(多分)なし。
しかし、本当に根ほり葉ほり訊くなぁ。
むしろ訊かれるべきは、証券会社の方だと思うんだけど。
こっちは、金を預ける側なのに。
なんか、一番最後に通信欄とかあったが、まあ知った事ではなし、空欄のままで。
送信。
ぽちっとな。
ふむふむ、宅急便で書類を送る、と。
もしも一週間以内で来なかったら問い合わせろ?
やはり間が空くんだ。
生憎、今日は十一月某日なので、続きは次回といきましょう。
追伸:資料は結局、五日後に来ました。
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