第100回 平成の短歌バトル
いくたびのさくらのはなをのぞめどもおもいかそけくはらはらとちる

カレンダー通りの休みと言いかけて元旦祝日だと思い出す

さくらのめはるをむかえるためしのぶおもいかそけくゆきのふるらむ

たれそかそちのそらにはるをねがうかきくもかそけくひびかぬなにか

ダンサーが段差につまづき笑われるオレンジ色した黄昏時に

階上の足音響くあの子らは年明け地球にいなかったんだな

源泉の徴収票の受け取りの額を眺めてまあこんなもん

思い出は化石のように薔薇色で漆黒色となる時もある

初日の出見るため上った展望室ガラスにおでこの忘れ物あり

除夜の鐘ひびいて高くオリオンと並んで歩く星の参道

日のもとに嫦娥も沿いて新月の満ちゆく睦月となりしこの年

片手だけ手袋忘れしょうがなく手を取ってからこれで一年

面会の人のピークは過ぎ去りし大晦日の夕特養受付

卵割れ強制的なアスファルト検査の様な公共工事


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