第25回平成の短歌バトル結果

カーテンの開け閉め開けで過ぐる日々カスタネットは休んで休んで 越冬こあら

おめでとうございます!
以上の句を本バトルチャンピオンといたします。

No. 詠者 得票 備考
04 カーテンの開け閉め開けで過ぐる日々カスタネットは休んで休んで 越冬こあら 4
05 一日をぬめる体で泳ぎ切り真夜中の壁クイックターン 3
15 天球を突き抜けていく声がある地球儀よりも青い蒼い日 弥生
21 「らりるれろ」の中に殺人隠したらチェリーを噛んで急行列車 藤幹子
01 恒星の光の届くところから広がっていく宇宙空間 兎六 2
02 床板を偶然透過して落ちる殺人犯と冷めかけたピザ
03 資料庫の記録を全部引き裂いてしまえと誘う十四時の雨 1
06 日曜に広げたままのページから嘘つき女の笑顔は止まず 越冬こあら
11 結界をいとも容易く踏み越える霊感なんぞない者の勝ち お気楽堂
14 活蛸が廻って来るぞすし屋にてぬしはディビーよもやターナー? ようこさん。
16 街路樹にひょろりと陰を伸ばしては頼りなささえ愛しくさせた 弥生
17 ほんとうは小出しにする筈だったの削られた身で深呼吸する
18 ハイドンの告別のように消えてゆく雨音雨脚君の足音 沙汰
19 つかの間の晴れ間に見えし耀きにふれてしまえば消えゆくのかも
22 とほくへは行くな行かぬと言つたとてお前をさらふ大西日かな 藤幹子
23 われ女ひかり育み腕つよく逆巻く波を越へる者かな
9*3=27


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推薦作品と感想
感想: 02 床板を偶然透過して落ちる殺人犯と冷めかけたピザ
 とても、不思議でシュールで気に入りました。

15 天球を突き抜けていく声がある地球儀よりも青い蒼い日
 天球と地球の対比がおもしろく感じられました。

16 街路樹にひょろりと陰を伸ばしては頼りなささえ愛しくさせた
 陰をのばしたのははたして、誰なのでしょうか?
票者: 当バトル参加作者

感想: 04 カーテンの開け閉め開けで過ぐる日々カスタネットは休んで休んで
 「休んで休んで」の空白的なところが大好きです。
 すぎていく日々のなにもなさ。

17 ほんとうは小出しにする筈だったの削られた身で深呼吸する
 なにを全部出してしまったかわからないけれど、
自分がどうしようもなく頼りなくなってしまった感じ。
 まだ残っている部分が今の自分の芯かもしれない。

21「らりるれろ」の中に殺人隠したらチェリーを噛んで急行列車
 ミステリの軽くにおわす魅力。
 なにか背景がありそうなのですが、見つけられずじまいです。
票者: 当バトル参加作者

感想: 01 恒星の光の届くところから広がっていく宇宙空間
 宇宙空間……あこがれますねえ。

14 活蛸が廻って来るぞすし屋にてぬしはディビーよもやターナー?
 これは、ありでしょうか……でも、面白いんです。

21「らりるれろ」の中に殺人隠したらチェリーを噛んで急行列車
 なんか、カックイイっす。「はひふへほ〜」だったら、犯人はバイキンマンで決まりなんですが……。
票者: 当バトル参加者

感想: 11 結界をいとも容易く踏み越える霊感なんぞない者の勝ち
 こわい。
15 天球を突き抜けていく声がある地球儀よりも青い蒼い日
 きれい。
23 われ女ひかり育み腕つよく逆巻く波を越へる者かな
 つよい。
票者: 当バトル参加者

感想: 01 恒星の光の届くところから広がっていく宇宙空間
季節外れだけれど、オリオン座見たくなりました。
05 一日をぬめる体で泳ぎ切り真夜中の壁クイックターン
最後の力を振り絞って、勢いよく。
19 つかの間の晴れ間に見えし耀きにふれてしまえば消えゆくのかも
情景も、「ふれてしまえば消えゆくのかも」と考える心情も、なんだか儚いです。
票者: 当バトル参加者

感想: 03 資料庫の記録を全部引き裂いてしまえと誘う十四時の雨
  ああ、そうして狂ってしまえれば楽なんだけど。ストレスたまってますね。
  
04 カーテンの開け閉め開けで過ぐる日々カスタネットは休んで休んで
  「カスタネットは休んで休んで」このフレーズたまりません。右手で拍を数えるんだよね。
  それにしても、お疲れ様かも。一日ゆっくり「休んで休んで」
  
21「らりるれろ」の中に殺人隠したらチェリーを噛んで急行列車
  きっと探偵は「る」の世界にいて、列車の窓の落書きを発見するのだ。(楽)
票者: 当バトル参加作者

感想: 04 カーテンの開け閉め開けで過ぐる日々カスタネットは休んで休んで
打楽器の楽譜ってカレンダーのように出来ているのだなぁと。
06 日曜に広げたままのページから嘘つき女の笑顔は止まず
絵は浮かんでくるんだけど、何の事だかわからなくて、でも推理小説のようでいいなぁと。
18 ハイドンの告別のように消えてゆく雨音雨脚君の足音
ハイドンと雨の音と、足音となんかタチツテトの音が聞こえてきていいなぁと。音のある歌。文字だからこそ深みが増しますね。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 02 床板を偶然透過して落ちる殺人犯と冷めかけたピザ
なぜと言われると困る世界だけれど、その瞬間を見たら面白そうだな、と思い。床板より天井のほうが面白い様な気もしました。

04 カーテンの開け閉め開けで過ぐる日々カスタネットは休んで休んで
良いですね。下の句が特に良い。休んでるんだけど、手ではリズムを取っている、音楽の時間。それとカーテンの開け閉めの呼応が良い。

05 一日をぬめる体で泳ぎ切り真夜中の壁クイックターン
これも実感が。一日という時間がもう何かぬめぬめしたもので、その中を必死で泳ぎ切ってターンする。でもまた同じ一日がくる。辛いなあ。
票者: 当バトル参加作者

感想: 05 一日をぬめる体で泳ぎ切り真夜中の壁クイックターン
 クイッ、でターンなのです。水泳の、あの感じ。クイックターンという語を拾ってきたセンスがいい。

15 天球を突き抜けていく声がある地球儀よりも青い蒼い日
 どこかで合唱の練習をしているのが聞こえる。青い空、清冽な歌声は、どこまでも直線であります。

22 とほくへは行くな行かぬと言つたとてお前をさらふ大西日かな
 臨終の場と見た。ここでカーテンを締めるか否か。なぜか、開いてるものなんだな。そうなんだ。(宮)
票者: 当バトル参加作者

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