第23回平成の短歌バトル結果

手続きを済ませるたびにひとつずつあなたの跡も消し去って 春 お気楽堂

おめでとうございます!
以上の句を本バトルチャンピオンといたします。

No. 詠者 得票 備考
09 手続きを済ませるたびにひとつずつあなたの跡も消し去って 春 お気楽堂 4
12 もう少し待てばドラマの最終回のような夜明けがやって来るから 越冬こあら 3
02 このごろは煙の出ない線香のいつ火が点いたか誰そ知らせむ ようこさん。 2
07 スプーンをゆっくり回す溶け込んださようならごと飲み干す紅茶 お気楽堂
10 もう何も見てないじゃないか君達の怒りに燃える碧き瞳は 越冬こあら
15 幽霊は桜におなり来年も毎夜あの樹の下を行くから 兎六
03 時として猫体当たりで伝えんと繰るる言葉の痛痒きこと ようこさん。 1
05 触れられた髪から体全体へ 君のその手の波動が伝わる 亜沙
06 手のひらにささったままのトゲのように ちくりと痛むあの日の言葉
08 さよならの後に届いたエアメールごめんね転送先は知らない お気楽堂
11 春暁の空に地球は白ペンキ刷毛の跡付け生きよと促す 越冬こあら
13 気まぐれに食事を運ぶスプーンを視線を外すだけで拒んだ 兎六
16 髭剃りの仕事の声を聞きながらスパムメールの処理をしている 宮武赤胡
17 春雨のひとつひとつがおおきくて裸足の幼児ひとり駆け抜く
04 紛れ込む雑踏の中 ポケットの携帯ギュッと握り締めたり 亜沙 4 失格
3*9=27


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推薦作品と感想
感想: 03 時として猫体当たりで伝えんと繰るる言葉の痛痒きこと
 言語の前はボディランゲージ。この句もボディランゲージのように簡潔でいい。
09 手続きを済ませるたびにひとつずつあなたの跡も消し去って 春
 消しゴムで鉛筆のあとを消すような作業。完璧には綺麗にならないけれど。
15 幽霊は桜におなり来年も毎夜あの樹の下を行くから
 相手を「幽霊」と呼ぶ距離感がドラマといえるでしょう。
票者: 当バトル参加作者

感想: 06 手のひらにささったままのトゲのように ちくりと痛むあの日の言葉
  なんだかんだと忘れた頃にちくちくするはとてもいや
10 もう何も見てないじゃないか君達の怒りに燃える碧き瞳は
  舞台でのセリフのような勢いが生々しくて選びました
15 幽霊は桜におなり来年も毎夜あの樹の下を行くから
  美人の幽霊なら誰でも「花より幽霊」なんてこと言うんだろう
票者: 当バトル参加作者

感想: 02 このごろは煙の出ない線香のいつ火が点いたか誰そ知らせむ
04 紛れ込む雑踏の中 ポケットの携帯ギュッと握り締めたり
09 手続きを済ませるたびにひとつずつあなたの跡も消し去って 春

 (感想なし)
票者: 一般読者

感想: 04 紛れ込む雑踏の中 ポケットの携帯ギュッと握り締めたり
05 触れられた髪から体全体へ 君のその手の波動が伝わる
09 手続きを済ませるたびにひとつずつあなたの跡も消し去って 春


遠い過去の、淡い恋心を思い出させるような句です。
胸がきゅんと締め付けられるような思い、懐かしくも切ない感じが伝わってきました。
票者: 一般読者

感想: 04 紛れ込む雑踏の中 ポケットの携帯ギュッと握り締めたり
共感はしないがなんとなく納得。こういう場合、慰めていいのか励ましていいのか。

10 もう何も見てないじゃないか君達の怒りに燃える碧き瞳は
ある程度年をとると物事も違うふうに見えてくるが、何も見てないとしたら先行き不安だ。

12 もう少し待てばドラマの最終回のような夜明けがやって来るから
明けない夜はない。どんな辛いこともいつかは終わる。「もう少し」というのが確証ありか気休めなのかは誰を励ましているかによるが、優しさ十分。(楽)
票者: 本バトル参加者

感想: 02 このごろは煙の出ない線香のいつ火が点いたか誰そ知らせむ
12 もう少し待てばドラマの最終回のような夜明けがやって来るから
13 気まぐれに食事を運ぶスプーンを視線を外すだけで拒んだ

情景が目に浮かんだ時にうなずけるものをえらびました。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 07 スプーンをゆっくり回す溶け込んださようならごと飲み干す紅茶
 お気楽堂さんを男の人だと思っていたままだったら今回の3首飲み込みきれなかっただろうな。私のようなおばサンになると。さよならのみこんでしばらくしてゲップとかでちゃったら、ひとりでも笑えて淋しくないな。とかしばらくいろいろ考えられて楽しかったので1票入れます。

11 春暁の空に地球は白ペンキ刷毛の跡付け生きよと促す
 たまに宇宙から地球を見るっていいですよね。わたしもよく飛びますので、よくわかります。宇宙観でいえば「スリランかぁ」でございますわね。

17 春雨のひとつひとつがおおきくて裸足の幼児ひとり駆け抜く
 昔は子供がうじゃうじゃ走り回ってたんですけどね。少子化ですなあと、思った。
票者: 本バトル参加者

感想: 04 紛れ込む雑踏の中 ポケットの携帯ギュッと握り締めたり
 「ギュッ」とね。とてもよくわかる気がしました。

09 手続きを済ませるたびにひとつずつあなたの跡も消し去って 春
 何の「手続き」か明確にされていないところが、不安定な心境を写し出している感じがしました。

16 髭剃りの仕事の声を聞きながらスパムメールの処理をしている
 スパムメール、何とかならないもんでしょうかねえ。
票者: このバトルの参加作者

感想: 07 スプーンをゆっくり回す溶け込んださようならごと飲み干す紅茶
08 さよならの後に届いたエアメールごめんね転送先は知らない
 お気楽堂さんのこういう短歌、いいなぁ。ドラマだ。
12 もう少し待てばドラマの最終回のような夜明けがやって来るから
 誰を説得しているのだろう。頼りなさが切ない。
票者: このバトルの参加作者

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