第22回平成の短歌バトル結果

いがみ合いそれでも続くものがあるたとえば朝の卵焼きとか
ささやきがさやかにさます物語君と別れる夢を見てみた
弥生
越冬こあら

おめでとうございます!
以上の句を本バトルチャンピオンといたします。

No. 詠者 得票 備考
06 いがみ合いそれでも続くものがあるたとえば朝の卵焼きとか 弥生 4
17 ささやきがさやかにさます物語君と別れる夢を見てみた 越冬こあら
09 いつの間に痣の生まれし大腿部痛みの記憶抜け落ちてをり お気楽堂 3
12 真昼間のシャッター街の色タイル現実だけを選んで帰る 兎六
03 濡れた街歩合わす影と目も合いて君棲む世界耀いて見え 彦星
04 頼りなくでも温かい血が巡る低体温なきみのてのひら 弥生
08 真夜中に煙草買わむと対峙せし機械生意気お札吐き出す お気楽堂 2
13 靴の先を透明ボンドで貼りつけて春風たわわ皮膚呼吸する 宮武赤胡
15 おちゃわんのぱかりとわれたここちです電車に乗ってどこにも降りぬ日
01 あわなけりゃ良かったなどと言われても偶に会うのが楽しい私 彦星 1
02 暖かき春風にさえ散り逝くは野に生まれきて輪廻の虜
05 ぶくぶくと白濁の湯のその中で5才にかえる日曜の朝 弥生
10 竜巻に運ばれながらずる休みする方便を考えている 兎六
14 睡眠の隙に涅槃をおもう夜腕立て伏せの準備を始めぬ 宮武赤胡
16 諸君らの迎えた朝を某もラーメンライス味わっておる 越冬こあら
3*10=30


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推薦作品と感想
感想: 06 いがみ合いそれでも続くものがあるたとえば朝の卵焼きとか
たまごやきまぜるあいだにやきまわり

08 真夜中に煙草買わむと対峙せし機械生意気お札吐き出す
  ひょいとみるうしろにおりしおまわりさん

13 靴の先を透明ボンドで貼りつけて春風たわわ皮膚呼吸する
  けつまづきあわてふためくくつのさき
票者: 当バトル参加作者

感想: 09 いつの間に痣の生まれし大腿部痛みの記憶抜け落ちてをり
  ありますねえ。現在私の腿に5百円玉大青くないです黒いです
  さぞ痛かったろうに、覚えが無い。娘の腿にも鞭でたたいたような
  20センチくらいの痣これは教師から打たれたのではなかろうかと
  問いただすのですがやはり覚えが無いそうで。。。謎です。

12 真昼間のシャッター街の色タイル現実だけを選んで帰る
 それで無事に家まで帰れたのでしょうか?心配しています。

17 ささやきがさやかにさます物語君と別れる夢を見てみた
 ああ、犬と寝てるんですよねえ。濃密な目覚めの夢で
 枕とか涙でべとべとな感じが良く表現できてるなあと思いました
票者: 当バトル参加作者

感想: 04 頼りなくでも温かい血が巡る低体温なきみのてのひら
 「低体温」のあたりに生々しさを感じました。

08 真夜中に煙草買わむと対峙せし機械生意気お札吐き出す
 ウィーンと低い唸り声とともに、情けなく帰ってくる千円札。

12 真昼間のシャッター街の色タイル現実だけを選んで帰る
 休日の散歩風景でしょうか。デジカメを片手に。
票者: 当バトル参加作者

感想: 02 暖かき春風にさえ散り逝くは野に生まれきて輪廻の虜
「輪廻の虜」という捉え方がおもしろい。野の花や桜は微塵もそんな意識はないのだろうが。

06 いがみ合いそれでも続くものがあるたとえば朝の卵焼きとか
何となく、分かる。共に暮らす時間が長くなるほどに、そんな感じ。

10 竜巻に運ばれながらずる休みする方便を考えている
竜巻の中にいたらもはや「ずる休み」じゃなかろうが、それでも「方便」を考える人の良さがすてき。
今月の兎六さんの歌は三首とも好きで捨てがたかった。
票者: 当バトル参加作者

感想: 12 真昼間のシャッター街の色タイル現実だけを選んで帰る…寂れた商店街が目に浮かぶよう。
15 おちゃわんのぱかりとわれたここちです電車に乗ってどこにも降りぬ日…作者はそれなりに年輪を重ねた方と思われる。枯れ具合に。
16 諸君らの迎えた朝を某もラーメンライス味わっておる…ラーメンライスが好きだから。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 13 靴の先を透明ボンドで貼りつけて春風たわわ皮膚呼吸する
14 睡眠の隙に涅槃をおもう夜腕立て伏せの準備を始めぬ
17 ささやきがさやかにさます物語君と別れる夢を見てみた

歌の背後に物語りがあるのではないかと思ったから。
票者: 一般読者

感想: 04と06は、まずリズムがいいと思います。
04は、温かさの実態のたよりなさと、相手の存在のたよりなさがつながっていて、その関係の希薄さまで伝わってきます。
06は、「いがみ合い」というトゲトゲした言葉と、「朝の卵焼き」というあったかい優しさのある言葉の、対比が素晴らしいと思いました。
09は、いつの間にか作ってしまっていた痣に的をしぼって、よくある日常のシーンを的確に表現していると思いました。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 01 あわなけりゃ良かったなどと言われても偶に会うのが楽しい私
分かります。お互い会うことなんて意識してなくて、適当な格好なのに、それでも偶然に
あうのは楽しいんですよね。
03 濡れた街歩合わす影と目も合いて君棲む世界耀いて見え
見慣れた街がきらきらと耀く感じ、なんだかすごく共感できました。
17 ささやきがさやかにさます物語君と別れる夢を見てみた
サ行音の爽やかさも、甘くて少し切ないところも、春らしくて素敵です。
票者: このバトルの参加作者

感想: 03 濡れた街歩合わす影と目も合いて君棲む世界耀いて見え
「君棲む世界」が世界のパースを決めています。
05 ぶくぶくと白濁の湯のその中で5才にかえる日曜の朝
5才ちゅとおとうさんおかあさんと一緒に入って……ない? そうか。
09 いつの間に痣の生まれし大腿部痛みの記憶抜け落ちてをり
これは「あるある」。
票者: このバトルの参加作者

感想: 06 いがみ合いそれでも続くものがあるたとえば朝の卵焼きとか
 日常のにおいが好きです。でも、もっと背景のストーリーが読みたい。

15 おちゃわんのぱかりとわれたここちです電車に乗ってどこにも降りぬ日
 なんか、こう、ぽっかりと、ぱっかりとしたかんじ。

17 ささやきがさやかにさます物語君と別れる夢を見てみた
 「見ていた」んじゃなくて「見てみた」んですか。
 始めは違和感があったけど、これはこれで悪戯っぽくて微笑ましいなぁ。リアルなのかもしれない。
票者: このバトルの参加作者

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