第10回短歌バトル投票用リスト
*ようこさん
言葉には力があるねはげましもおちこみもまた軽いひとこと
ゆらゆらと雛にこぼれる窓からのまぶし陽の色寒くても春
練習もうまく出来たとほこらしげ卒園式を指おりて待つ
*香坂 理衣
婀娜ひとり水に映るは花の貌白皙の肌霞む初春
巡る風嚥下する陽に滲む夏顧みる空蒼き双眸
浮き沈む塵のさなかに芽吹く紅交わる煙火また紅に染む
*桐生遥歌
Ipod持たずに今日は雨の音 聞くのも少しいいかもしれない
たった今、わからないものをわからないと言える勇気がただ 欲しいんだ。
花が咲き、散らばって、風、吹き飛ばし。 残ったのはただ、私と茎と。
*お気楽堂
一言も告げず終わりし我が恋は卒業写真とともに仕舞ひぬ
朧夜に卓を囲みて白発中東南西北ロンでハコテン
白梅の枝に結びし恋文を扇にのせて君に捧げん
*沙汰
高き壁立ちはだかる君死ねばいいそしたらやっと君を愛せる
やめようか 春を迎えるその前に荷物詰める手ふと留まる
三月は深き紅の淵を貸したままかえってこないこの愛も恋も
*越冬こあら
黒いゴミ箱と純白冷蔵庫圧力釜と文化包丁
嘘は止す自分が嫌にならぬよう息を止めてもまだ死なぬよう
嫌な奴が皆死に絶えて良い人を皆送るまで生きるんだ俺
*兎六
留守電の録音時間短くて今日はたまたま眠れない夜
三年で君の口調がうつったと気付いてはいる真夜中の二時
本当は春夏秋冬おなじ音五オクターブで鳴く換気扇
*宮武赤胡
未だ未だ君は機上の人なるらし星の裏手に今朝の髣髴
ファミコンのスイッチを入るしわぶきの指確かなり大正の女
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