第6回平成の短歌バトル結果

おめでとうございます!

風は温かく時間はゆっくりと流れよ僕の死後この星に 越冬こあら

第六回の勝者は越冬こあらさんです!

作品 作者 得票
風は温かく時間はゆっくりと流れよ僕の死後この星に 越冬こあら 5
突然の言葉とともに落雷で 頭も部屋も黒が溢れる 桐生遥歌 3
禁煙のバスケ部室の焼け焦げの古びたやつを指でおさえて 安芸賢治 2
待ちわびて待ちわびてなを心臓を削る歯医者は哭くよチュイーン 宮武赤胡 2
どの看板にしろ自然の悲鳴だどの色にしろ気付け人類 越冬こあら 2
よかったのに()鬼が笑うというけれど 君と二人で語り合えたら 沙汰 1
ロッカーに半年前のテーピングテープが一つ転がっている 安芸賢治 1
流れ図に流され流れ行くワタシ大切なもの流れフルワス 越冬こあら 1
生きるも死ぬも通過していくただ一人汝(な)の部屋でなさけないおれ 宮武赤胡 1
18[3*6]


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推薦作品と感想
感想: どの看板にしろ自然の悲鳴だどの色にしろ気付け人類
流れ図に流され流れ行くワタシ大切なもの流れフルワス
風は温かく時間はゆっくりと流れよ僕の死後この星に


 バトル結果が競り合って面白くなりそうだったから。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 禁煙のバスケ部室の焼け焦げの古びたやつを指でおさえて
風は温かく時間はゆっくりと流れよ僕の死後この星に
生きるも死ぬも通過していくただ一人汝の部屋でなさけないおれ


どれも、雰囲気が好きです。
状況を、想像し、侘びしくなるのを選びました。
冬ですから。
票者: このバトルの参加作者

感想: 待ちわびて待ちわびてなを心臓を削る歯医者は哭くよチュイーン
 笑いました。だから一票。

風は温かく時間はゆっくりと流れよ僕の死後この星に
 強い人だと思う。人の親って感じがします。前回の天国の階段といい、越冬こあらさんの歌には、こうなりたいって思うことが多いです。

突然の言葉とともに落雷で 頭も部屋も黒が溢れる
「雑踏で〜」もそうなのですが、妙に魅力的です。まさか本当に落雷に遭ったわけじゃあないと思うのですが、本当に落雷があったような書き方。「大胆で力強い」ってのがぴったりくるかなぁ。なんだかパワーを感じます。
票者: そのほかのQBOOKS作者

感想: ・禁煙のバスケ〜 
自分の学校と重なって、読んでいて楽しかった。
・どの看板に〜
思わずうなずいてしまう。それなのにさらりとしていて後味が良い。
・風邪は温かく〜
情景描写がキレイです。 だけどどこか悲しげでそれもまた味になっている。 (桐生)
票者: このバトルへの参加作者

感想: 風は温かく時間はゆっくりと流れよ僕の死後この星に
 こあらさんは短歌になると宗教家じみてくるのはなぜだろう。
 雄大ですねえ。

突然の言葉とともに落雷で 頭も部屋も黒が溢れる
 ドラマですドラマ。「黒があふれる」というのはどちらというと夏の夕立のニュアンスな気がしますが、どうかしら。

ロッカーに半年前のテーピングテープが一つ転がっている
 半年前は活動をしていた、と読んだ。何かの用事で、半年振りにロッカールームに訪れる。これもドラマであります。(みやたけ)
票者: このバトルへの参加作者

感想: 突然の言葉とともに落雷で 頭も部屋も黒が溢れる
落雷と同時に発生する停電のように、言葉によって突然の衝撃と暗黒が訪れたと読みました。「黒が溢れる」という表現が新鮮です。

待ちわびて待ちわびてなを心臓を削る歯医者は哭くよチュイーン
痛いほうの頬を押さえながら、待合室で不快な機械音を聞く情けなさが伝わって来ました。

よかったのに 鬼が笑うというけれど 君と二人で語り合えたら
鬼が笑うのは「来年の話」で、「よかったのに」は過去のことなので、ちょっと状況は掴み難いのですが、この倒置法には、やられました。
票者: このバトルへの参加作者