2.確定申告 何か難しくややこしいものだと考えられているものの一つが確定申告である。 パートタイマーによっては、それが一体どういうもので、何をするのかすら把握していない場合もある。 正社員にとっては余計に縁遠いものである。 が、それだけに、「私って、確定申告とかいうのは必要なんですかね?」と問われた時に、「他でなんか収入ありましたか? ああ、ないですか。んじゃ、医者にかかった自己負担が10万円超えてますか? なければ、年末調整で済みますよ」ぐらいの返しが出来れば、あなたの信頼度はアップする。 知っておいて損はない。一.確定申告とは 個人で、税金の再計算をして税務署に知らせる事である。二.何故、確定申告をするのか? 一つは、税金の払い忘れをして、延滞料を取られるのを防ぐ為。 もう一つは、税金の還付金を貰う為。 つまり、お金の為。三.確定申告が必要ではない事があるのは何故か?その1 確定申告の代わりにあるよ年末調整 所得税は年収に対してかかるので、月給を貰ったその場で正確な税額は分からない。その為に、翌年に改めて計算をするのである。 国は我々一人一人のあらゆる収入と納税額をデータベースで一元管理している訳ではないので、自分自身の手で計算をして申告をする必要がある。 だとすると、一つの疑問が湧き上がる。・何故「確定申告をしなくてもいい」事例が発生するのか? 確定申告が税金の再計算なら、収入のある国民全員が行わなければならない筈なのに、サラリーマンやパートタイマーの大半はやっていない。 何故か? 理由は単純である。・似たようなのを会社が代わりにやっているから 会社がやってくれる、税金の再計算と申告、それが、すなわち年末調整である。 年末調整なんてものがなく、国民一律に確定申告をするなら「私はやるべきなのか、やるべきではないのか?」というような迷いはなくなる。 但し。 そうしてしまうと確定申告会場がとんでもない混雑になり、かかる経費もバカにならないと思われるので、仕方がないと言えば仕方がない。その2 年末調整1ツデ、充分デスヨ! 会社員やパートタイマーの多くが年末調整だけで済むのは何故か? 会社に、収入と納税額と控除を全て把握されているからである。 逆に言えば、そのどれかが会社に把握されていないと、年末調整だけでは不十分になり、晴れて確定申告が必要な人になってしまうのである。四.「わたし、確定申告が必要ですか?」 「わたし、確定申告って必要なんですかね?」というような質問をされた時、どのように答えるか。 まず、絶対に間違いのない答え。・「心配な時はやっておくと良いですよ。簡単ですし」 これである。 仮に年末調整で全て片付いていたとしても、確定申告をしてはいけないという法はない。申告書も国税庁のウェブサイトを利用すれば簡単に作れるので、申告会場で延々待たされる事もない。 2、3年申告をして、還付金も追納額もゼロの状況が続けば「ひょっとして、わたしは確定申告が必要ないんじゃないか?」と気づくようになる。 もう少し気の利いた返しは、というと、・「え? 何か気になる収入か支出でもあるんですか? その時に教えてくれればそこから判断し、言いたくないようであれば、「心配な時は(以下略)」で。五.確定申告が必要な時 多少の洩れや誤解を恐れずに言うならば、確定申告が必要な時というのは、・会社が把握していない収入や納税や控除がある時 である。その1 収入 会社は、そのパートタイマーに「払った給料」しか収入として数えていない。 つまり、他の会社が払った給料は知った事ではないし、遺産を貰ったり、年金を貰ったり、株で儲けたり、同人誌作って儲けたり、ヤフオクで儲けたりしても、分からない。仮に知っていたとしても、税務署にわざわざ知らせてはくれない。 これらの収入は全てそのパートタイマーの収入として扱われる。これをまとめないと、単純な話基礎控除の38万円が一人の人間にいくつも適用されてしまう可能性もある訳で、これはつまり脱税である。 脱税には追徴課税というプラスアルファが付く為、逃げ延びたり踏み倒したりする自信がない限り良い事は何もない。 収入にはしかし、確定申告しなくても良い例外というものがある。 あるが。 それをちょっと訊きに来たパートタイマーに口頭で説明し、理解、記憶させるのは不可能である。 ここは、国税庁のウェブサイトを紹介しておくに留めた方が良いし、やはり「心配な時は(以下略)」で。その2 支出 控除の対象になる支出は、税金の減額に関わる重要な部分である。そういう支出が多ければ多い程、戻って来る税金が多くなる。金が返して貰える。 パートタイマーの支出について、会社の年末調整で把握しているのは、せいぜい社会保険料(国民年金と、国民健康保険)ぐらいのもの。 それにしたところで、事前に調査用の用紙を渡して数字を書かせるのだから、お粗末な話。 年末調整の時に、社会保険料の金額を出し忘れた場合、確定申告で出せば問題ない。 さて、一般的にあり得る控除の対象となる支出は、医療費である。 支払った医療費の自己負担分(領収書に書いてある金額)を年間で合計し、10万円を超えた額が控除の対象になる。但し、「後、500円使えば10万円超えるのに! そうだ、病院に検診に行きましょう」というような行為には全く意味がない。超えた部分しか控除の対象にならないので、例えば医療費101000円の場合の医療費控除は、1000円、戻ってくる税金は最大で150円に過ぎない。ギリギリの金額だからと言って、領収書を必死に探す程の事もない。六.確定申告の仕方(手書き編) 確定申告というのは、パートタイマーにとっては、・申告書を作成して税務署に提出する という作業である。その1 申告書を貰って来る 確定申告の時期は、2月中旬から3月中旬である。それぐらいの時期になると「確定申告をしよう」というような表示が町のそこかしこに現れるので、何となく気付く。 その時期近くなったら、自分の今住んでいる地域所轄の税務署か、市区町村の役所に「確定申告会場」が作られるので、そこへ行き、確定申告の申告書を手に入れる。所轄の税務署が分からない場合は、国税庁ホームページで調べられるし、市区町村の役所に問い合わせても良い。その2 申告書に記入する 自分の家で、申告書に添付されている説明を見ながら、源泉徴収票や、社会保険料の支払い証明書、医療費の領収書、必要経費の帳簿などの数字をまとめる。 ボールペンで申告書に記入をする。印鑑の押し忘れのないように。押し忘れに備え、会場にも印鑑を持って行っておけば間違いない。 源泉徴収票などの必要書類を添付し、確定申告書を提出する。添付する必要のある書類は「申告書の裏面に貼付る」等の説明があるので、そのようにする。 どうしても記入の仕方が分からない場合は、必要な書類一式を持って確定申告会場や税務署に行けば、記入の仕方を教えて貰える。が、混雑しているのでとても待たされる。その3 記入済み申告書を提出する。 所轄の税務署もしくは、市区町村の役所の「確定申告会場」に行き、申告書を提出する。その4 金額の確定 税務署から追加納入の督促状が送られたらその額を支払い、還付金振込の情報が来たら口座残高を見てニマニマ笑う。 これで、その年の確定申告は終了。七.確定申告の仕方(Web編) 申告書の記入は、足し算と引き算が主とは言え、計算ミスや書き間違いもあり面倒である。 この手間を省く為の確定申告書作成フォームが、国税庁ホームページには存在する。 これを使うと、確定申告書を作りプリンタで印刷する事が出来る。 ネットに繋がるパソコンと、プリンタがあるなら、こちらの方がどれだけ楽か知れない。 Webを使った場合の利点は、・計算ミスがない 自動計算なのでミスはない。ミスはないから検算の必要もない。ミスがない事が分かっているから申告書を受けとる職員のチェックも自然と短くて済む。気分的にも時間的にも楽。・記入ミスの確率が低い 手書きの場合、あらゆる箇所に記入ミスの可能性はあるが、フォームを使う場合多少なりともミスのチェック機能があるので、間違いが少ない。そして、手書き文字ではないから見直しも楽。その1 国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーで、申告書を作成する。 自分の家で「確定申告書作成コーナー」にアクセスする。 電子請求のサービスの宣伝が書いてあるが、無視して先へ。あくまで、作成に使うだけなので。 源泉徴収票や、社会保険料の支払い証明書、医療費の領収書、必要経費の帳簿などの数字を入力する。良く分からない部分は、ヘルプを参照出来るし、Google等で検索してもいい。どうしても分からなければ、「確定申告会場」へ行って、散々待たされてから尋ねる事になる。 フォームに数字を入力したら、税額は自動計算される。また、入力したデータを保存しておく事も出来る。 入力終了した確定申告書をプリンタで印刷する。 印刷した申告書の必要な箇所に印鑑を捺す。押し忘れに備え、会場にも印鑑を持って行っておけば間違いない。 源泉徴収票などの必要書類を添付し、確定申告書を提出する。添付する必要のある書類は「申告書の裏面に貼付る」等の説明があるので、そのようにする。その2 提出する 確定申告会場に行き、提出する。○その3 金額の確定 税務署から追加納入の督促状が送られたらその額を支払い、還付金振込の情報が来たら口座残高を見てニマニマ笑う。 これで、その年の確定申告は終了。つづくTOP