二.業態別傾向 パートタイマーと言っても仕事は様々。 同じ社内であっても、事務員も入れば現場職員もいる、清掃やメンテナンスをやっている事もある。当然、それぞれの立場で考え方も変わって来る。 ……もっとも、会社の雰囲気が良ければ、どの業種でも概ね気分良く仕事が出来ているものではあるが。その1 チームプレイ プロジェクトの推進――というような正社員ぽい話というよりも、店員や施設の介護職員のような意味合いで。 誰が何時から、彼が何時まで、誰かがサボれば誰かにしわ寄せがいく。 このタイプのパートタイマーは、和を以て尊しとなすと考えるようになっていく。 みんな一緒に仕事をしているので、一人の我が儘が通らない。一人の天才よりも、五人の凡才。 ストレスの原因になるのは、もう何よりも休む事。自分が休めば他の誰かが出なければならない、従ってそうそう簡単に休む事が出来ない。その辺りにストレスが溜まり易い。年末近くになると103万の壁でシフト繰りで厄介な事になるのがこのタイプ。逆に、誰かが辞めても補充は容易い。みんなでフォロー出来るから、新人研修や引き継ぎも比較的手を抜いてもどうにかなる。但し、あまり無茶をすると示し合わせてごっそり辞める可能性もある。自治区と思って接するが吉。新人が立て続けに辞める場合は、チーム内でしか通用しない裏マニュアルが出来上がっている可能性ある。一度業務手順を実態に合わせて修正する必要がある。その2 個人プレイ そのパートタイマー一人で、その業務が成立するもの。事務職などがこれに当たる。ノルマで仕事を割り振る事になる。 自分の仕事、というプロ意識が高くなりがち。仕事の一角を任されているというプライドがあるため、やりかけの仕事を振られたり、途中の仕事を持って行かれたりする事を嫌う。この辺りは、普通の正社員と大して変わるものではない。自分でペース配分している為、ヒマそうだからと言って予告なく別の仕事を振られる事を嫌がる。 仕事の管理能力を測るには、忙しくしている時に一時間程度の仕事を「明日までの期限」で朝に頼んでみると良い。その日の午前中に出来上がっているか、「明後日までなら出来る」と言うなら、かなり信用出来る能力の持ち主、何でも任せられる。明日に数時間残業して仕上げるなら並、あなたが割り振る仕事を配慮する必要がある。引き受けた後に「やっぱり提出を明後日まで伸ばしてくれ」と言い出すのは無能、どんな仕事も期限通りに終わらせなかったり、忘れたりする。大事な仕事を任せる時は、しっかり監視する必要がある。 これは、スケジュール管理能力と、自分の能力の認識、仕事の内容把握の問題。その3 時間ベースの労働 主に接客業で必要とされるのが、時間いっぱいいる事自体が仕事であるという労働。 この手の業務は、自分自身の意思で休んだり仕事を切り上げたりまとめて先に仕事を片付けたり、という事が出来ない。目的がハッキリ理解出来ていないと、単に退屈で工夫の余地のない仕事と認識される。 あなたの目からは、パートタイマーの能力が分かり辛い。把握する為には、パートタイマー相互の言葉に耳を傾けるしかない。幸い、チームプレイである事が多いので、パートタイマー同士の関わりは深い。その4 ノルマ型の労働 処理すべき作業があり、それを仕上げれば基本的に仕事がなくなるタイプの労働。 有能であれば、時間を余らせる。ノルマ型で残業が多い場合は、ペース配分なり仕事の割り振りなりに問題がある証拠。逆に時間を余らせてヒマそうにしている場合は、仕事が少なすぎる証拠。いずれにせよ、仕事の出来不出来が分かり易い。 尚、時間を余らせているパートタイマーに仕事を追加する場合は、一週間程度前から予告なり何なりしておく事。自分なりのペース配分があってやっている事なので、イレギュラーな仕事を好まない。本当にヒマそうにしている場合は、帰らせたり、年休の消化をそれとなく勧めてみる。仕事を増やす場合は少しづつ、出来れば昇給と同じタイミングで。同じ給料のままで仕事だけ増やされてニコニコしていられる人間は余程の金持ちだけ。その5 ペース固定ノルマ型 工場のラインのように、仕事の行程そのものが固定されており、急いで済ませる事が出来ないもの。 自分で決めたペースで働けない為、かなりストレスが溜まる。 この手の仕事の場合、恐らくあなたは仕事内容そのものには口出し出来ない立場なので、休憩、年休の取り方や、シフト調整等、仕事環境の整備に力を注ぎ、仕事そのものはトラブルが起きるまで何もするべきではない。その6 特殊技能系 特にそれを目的に雇った訳ではなかったが、パソコンのメンテナンスが出来る、大型車の運転が出来る、絵が描ける、外国語が出来る等々、パートタイマー自身に由来する能力が重宝される場合がある。 長く勤めているパートタイマーが辞めた時「あれ? これって、誰がやってたっけ」という事になりがち。このタイプは「私がいなければこの職場は成り立たない」と考えており、実際それはさほど間違っていない。 が、このままにしておくと、退職された際に一気に業務が滞る。大抵の場合パートタイマーに能力給もボーナスもない、「有能だから給料を上げて引き留める」事は出来ない。せいぜい、ポケットマネーで酒でも奢るのがせいぜい。さっさとそのパートタイマーからノウハウを学ぶなり、パートタイマーの技能なしでも業務が成り立つようにマニュアルを作成するなりした方が良い。そのような用意がどうしても出来ないならば、何としても辞めないように努力をするしかない。つづきTOP