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パートタイマーや派遣労働者が奮闘をしいられている昨今。彼らとのつきあい方を説くことにより、あぶり出されてくるパートタイマーたちの主張と願望。日本の雇用は何処へ行くのか!? 和田知見が鋭く、時にはコミカルに、逆説としての現代社会をとらえる。

第一章 0102030405
第二章 060708
第三章 09
第四章〜第五章〜おわりに 10


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和田知見(わだともみ)
1974年神奈川県生まれ。北海道大学(文学部行動科学科社会心理学講座)を卒業後、代々木アニメーション学院ジュニア・ノベルズ科で小説修行、特育生として卒業する。現在は介護非常勤相談員という異色の肩書きを有し、パワフルな作家活動を行なっている。インターネット文芸では、ショートショートストーリーの名手として多くのファンを獲得しており、集英社『コバルト』ではベスト・ショートショートの五代目・八代目マスターになるなど、オンライン・オフラインを問わず活躍中。インディーズ文芸QBOOKSのスタッフでもある。著書に『知識ゼロからはじめる株式投資』(実業之日本社)『サルでもわかるEXCEL講座』(英和出版社)などがある。
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No.01

 会社で人を使う、というと、いわゆる肩書きの存在する役職を考えるだろうか。
 課長なり部長なり社長なり、使う「長」の付く者と、使われるヒラ社員。
 しかしながら、ヒラ社員の「下」に、正社員ではないパートタイマーや、アルバイターが組み込まれた職場にあっては、ヒラ社員は中間管理職の更に下、下部管理職とでも言うべき立場になる。
 企業体力の低下と、平成不況大リストラ時代の影響からか、社会保障や福利厚生に余分な金のかかる正社員の枠を、パートやアルバイトに置き換える職場も少なくない。
 かく言う筆者の勤める職場も、この二十年の間に正社員とパートタイマーの比率は完全に逆転した。かつて単なる欠員補充だったパートタイマーが、堂々たる主戦力になっているのである。
 主戦力であるパートタイマーの管理という重責を負わされようとしているヒラ社員氏にとって、パートタイマーとの接し方のノウハウを知る事は非常に大切である。
第一章 パートタイマーはどんな人?

 パートタイマーと言ってどんな人間を想像するだろうか。
 少し想像してみて欲しい。
 想像しただろうか。
 さて。
「そんな人間、あなたの友達にいますか?」

1.誰がなるか?
 主婦が家計を助ける為、引退した年寄りが老後の蓄え維持として、就職も出来なかった若者が何となく、リストラされた正社員がやむを得ず、学生が小遣い稼ぎに。
 パートタイマーになる人間のイメージはこんなところだろうか。
 さて。
 これは、根本的に分類の仕方が間違っている。
 大雑把過ぎる。人が見えて来ない分類である。
 人が最も嫌がる事は、カテゴリーに当てはめられる事である。当てはめられて「こういうタイプの人」と、十把一絡げにされる事である。「今時の若い者は」「最近の年寄りは」「若い芸能人はみんな」そういうのと、概ね同じ発想。個々人の差異を想像する力がない事を表しているに過ぎない。
 テレビの前でブツブツ言うだけならそれでも良いが、生身のパートタイマー相手にそんな了見で接したら、円滑な関係が築ける訳もない。

 ならばどうすれば良いか?

 先入観を生む大きな枠からではなく、小さな要素から考え、その小さな要素が、「我が社の××さん」にどれだけ当てはまるのか考えてみる事である。

2.何故、敢えてパートなのか?
 時給は安く、社会保障制度は不完全、職場では良いように使われ、簡単にクビを切られる。
 そんなパートに何故なるのか? 正社員の方が良いの決まってるじゃないか。
 と、思う人もいないとは思う。
 人が何かを選択する時、捨てられる選択肢は、その人にとって捨てるべき理由があって捨てられるのである。
 ここでは、パートを選び、正社員という道を選ばなかった理由について分析をする事で、パートタイマーに関する理解を深める。
 
一.他にもやる事がある
 主婦業であったり副業であったり本業であったり学業であったり、他に何かがある為。
 パートは時間通りに帰れるが、正社員は定時には帰れない。パートは半日という選択肢もあるが、正社員はフルタイム一本。
 正社員になるという事は、人生の優先順位を仕事にする事。だとすれば、他に重要なものがあれば正社員にはなれない。
 何故こうなったのか、誰がこうしたのか、そうしないとどうなるのか、理由は分からない、それが慣習。
 言い方を変えれば、正社員になったら得られるべき収入差で、時間を買った状態。そういう意味で、彼らの勤務外の時間は残業手当ではまかなえない程高価で、人生がみっちり詰まっているのだ。

二.正社員になる程ではない
 家族の誰かがある程度稼いでいるから、生活そのものが慎ましいから、財産があるから、正社員でなくても暮らしていける。
 単純に労働条件で見れば、あちこちに転勤させられ、時間通りに帰る事も出来ず、病気だろうが育児だろうが休む事も困難な正社員の労働条件は、パートタイマーに遙かに劣る。

三.正社員として働く能力がない
 同じ業種の仕事を続けると飽きるクセがある、毎週通院しなければならない、正社員の激務に耐えられる自信がない、会社へ滅私奉公というのが出来ない。
 パートは出来て、正社員は出来ない、そういう人も多分いる。

四.正社員になりたいのになれない
 面接をどれだけ受けても落ちてばかり、合った仕事が見つからない、ともかくパートで小銭を稼がなければ生活自体が難しい。
 贅沢を言っているから? 能力が低いから? 履歴書に傷があるから? 彼が悪いのか、会社が悪いのか、それとも社会が悪いのか。




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