コボウシインコを飼い始めて半年ほどになる。緑の身体に額が黄色いキビタイボウシや、グレーの身体に赤い尾羽根がかっこいいヨウムなどの大型インコとオカメインコとの中間の大きさで、大型インコと暮らしたいけど自信もスペースも無い、という我が家にはまさにうってつけの鳥である。 おしゃべりも上手で存在感に申し分ない。リビングで日常の私たちの会話を毎日聞いて暮らしているので、笑う調子や子供を叱りつけガミガミっとはじまる私の声の抑揚を絶妙に模倣して、合いの手よろしく言葉を挟みこんでくる。 その鳥がある日「ごにょごにょ〜っBAKAっ!」と言ったのを聞いて猛烈に反省し、その日から子供への小言から鳥が覚えたら困る言葉が消え、鳥の前での喧嘩も控え、暴言や侮辱語を意識して使わないように私は変わった。鳥がいなくても当たり前に悪い言葉は使わない家庭であれば、もともと悪い言葉など覚える隙も無かったろうに情けない。意味もニュアンスもわきまえず音だけで悪い言葉を真似てしまう鳥の記憶力には恐れ入る。 鳥が、いわゆる物まねをするということは、外敵と同じ音を出すことで仲間を装おい保身する為だそうで、意味をわかり発しているのではない。とはいうものの、餌を入れるとすかさず「ありがとう」、会話の合間に良いタイミングで笑ったりされると、わかってるんじゃないかと思えてくる。 鳥の効用に日々驚異を感じつ暮らしているが、新しく覚えた言葉を発声するのに2週間ほどかかるこの時間差が微妙に間抜けで面白い。世間が忘れた頃に「ぽ〜にょぽにょ」と壊れたように歌い始め、流行り廃りの激しさをも思い知る。鳥は陽気でよいのだが、「うるさい」というのもまた事実。効用あれば副作用もある。 カレーの世界では、インドにアルツハイマー病患者が少ないことに着目した武蔵野大と米ソーク研究所が共同でスパイスの効用を研究し、ターメリック(ウコン)に脳細胞の損傷を防ぐ働きがあると確認し、アルツハイマー病治療の新薬開発の研究が進められていると報道されて話題となっている。つまり、ウコンは記憶力によいということらしい。とすると、すぐに受験生をターゲットにした「記憶力にいい受験直前カツカレー」みたいな商品が出るだろうなと予言できるが、効用あれば副作用もあるのを忘れないで欲しい。病によって損傷された細胞に効くということは、正常な細胞の能力が良くなる事と同じではない。なにもかもカレーで解決できるわけがない。