Record01

●ヨケマキルartbook
●エウテルペ・オペラ・プロジェクト
●Q's Battle夏の陣
●ウエノポエトリカンジャム3(UPJ3.)
UPJ3.観覧記
(空人さん)

●佐藤yuupopicライブ
●第二回落語馬花
●ALL Night CAFEE
●豆畑の朗読会

あなたの観覧記がイベントを次回成功に繋げます。掲載された各イベントの楽しい感想を編集室までお寄せ下さい。EVENT RECORDとともに掲載させていただきます。
QBOOKS詩人バトル連戦連勝のあの詩人が、ヨケマキル・グレイテストヒッツなるフレーズで「ヨケマキルartbook」(ポストカード2枚セット付き)A5版モノクロ(50頁)をぶっ放した。危険がいっぱいなので編集室はタッチしないが、怖いもの好きなあなたは垂涎確実。詩人&ミュージシャン・ヨケマキルの危ない世界にしたたか酔って候だ!


指揮:橘 直貴 演出:細岡 雅哉 キャスト:フィオルディリージ(姉)……関 真理子 ドラベッラ(妹)……高柳 佳代 フェランド(士官/ドラベッラの恋人)……樋口 達哉 グリエルモ(士官/フィオルディリージの恋人)……吉川 誠二 デスピーナ(小間使い)……西本 真子 ドン・アルフォンソ(老哲学者)……細岡 雅哉 合唱:エウテルペ合唱団 管弦楽:エウテルペ楽奏団 ピアノ:末永 麻衣子 全席自由:5,000円


 
 あらすじ
 二人の青年士官フェランドとグリエルモは、彼らの友人であるドン・アルフォンソと女の貞操についてしきりに論じ合っています。
 それぞれの恋人がいかに貞操のあるすばらしい女性であるかを語り合う二人に対して、ドン・アルフォンソは、“女の貞操など実は存在しないのだ”と主張。それに立腹した青年士官たちは、口論の挙句に恋人たちが貞操を守るかどうか賭けをすることになりました。
 ふたりの恋人は、ドラベッラとフィオルディリージという姉妹。ドン・アルフォンソの指示によって行われたその「賭け」とは、まず二人の青年士官が戦地に行かなければならなくなったと恋人に告げ、恋人の下を去る(ふりをする)。そこへアルバニア人貴族に変装したフェランドとグリエルモがあらわれ、それぞれ友人の恋人を(フェランドはフィオルディリージを、グリエルモはドラベッラを)誘惑。
 姉妹がアルバニア人の誘惑に負けたら、ドン・アルフォンソの勝ち、貞操を守りきったら二人の青年仕官の勝ち、である。
“浮気は男の甲斐性、彼らを信じるだけ損ですよ”と浮気をそそのかすデスピーナ(ドン・アルフォンソに買収されている)。次第にアルバニア人貴族に心魅かれていく姉妹。その様子に気が気ではない青年士官(でもアルバニア人として誘惑は続行)。
 みどころ
 ちなみにこのオペラのタイトル「コジ・ファン・トゥッテ」とは、「女はみんなこうしたもの」という意味。さてこの賭けの、そして2組のカップルの恋の行方は……?
 お問合せ
 チケットのお問い合わせは氷月そらまでおねがいいたします。 8月中にお問い合わせいただいた方には、1割引(4500円)で販売いたします。オペラを一度も見たことがない方でも、きっと楽しんでいただけると思います。ぜひ見に、聞きにいらしてください。エウテルペ楽奏団公式HP:http://www.at.sakura.ne.jp/~euterpe/

インディーズ文芸バトルQBOOKS初の活字バトル「Q's Battle 夏の陣」は、参加作品数が僅かのため、今回は一次審査を取り止め、一括読者投票(最終選考)といたしました。ご了承ご了解下さい。只今、作品公開中です。より多くの皆様の投票を心よりお待ちしております。なお、次回「秋の陣」も作品の受付を開始いたしました。奮ってご参加下さい。

日本最大の詩の野外フェスティバル『声と言葉のビッグバン!』。
写真はウエノポエトリカンジャム2001の会場の様子。

'05年9月4日(日)正午。上野水上野外音楽堂にて日本最大の詩の野外フェスティバル“ウエノ・ポエトリカン・ジャム3〜声と言葉のビッグバン!〜”が復活を遂げた。(特集ページ『プレイバック、ウエノ。〜嵐のUPJ3、声と言葉が爆発した日〜』序文より)
ウエノ・ポエトリカン・ジャム3〜声と言葉のビッグバン!〜のレポートが公式サイトに正式UP。TOPページからご覧下さい。


UPJ3.観覧記

77人の声が震わせた
色鮮やかな“表現”というエネルギー。

空人さん  

 日本最大の詩の野外フェスティバル「ウエノ・ポエトリカン・ジャム3(以下UPJ3)」を観るために、上野・不忍池のほとりにある上野水上野外音楽堂に行ってきた。
 ウエノ・ポエトリカン・ジャムは2000年に第1回を、2001年に第2回を開催し、合計で1500人を動員。大成功を収めながらも、その後4年間は完全に沈黙していたイベントだ。今回、その沈黙を破り、新たな伝説を綴り出したUPJ3。僕は前2回のイベントを観ていないので、いったいどんなステージが繰り広げられるのか、心躍らせながら上野にたどりついた。
 不忍池に浮かぶ蓮の緑を横目に、11時30分ゲートオープン。会場は観客席がステージを包み込むように半円形をしている。ステージ、観客席ともに屋根がついているので、雨が降っても心配なさそうだ。ステージではジャンベの演奏が鳴り響き、やがて来る瞬間を盛り上げる。そしていよいよ12時。イベントの幕開けだ。
 MCが出演者を紹介し、ひとりひとりが順番にステージの中央へ向かう。持ち時間(3分、もしくは5分)を使いきり、精いっぱいの声と言葉による表現を行う。原稿を持つ手が震えるほど緊張している人、魂を解き放つような絶叫、リズミカルに言葉を放つラップ……。さまざまなスタイルを持つ表現者が、次々とステージに現れ、消えていく。僕はその勢いと濃密さに、第1ステージ(16人が登場)が終わる頃に軽い息切れを覚えた。想像を超える“表現の洪水”に飲み込まれ、自分の頭のなかで整理しきれない感じ。混乱、とも言える興奮。パフォーマンスの良し悪しとか、軽はずみな批評を受け付けるレベルではない無邪気な“エネルギー”。きっと僕はそんな力に押されていたのだと思う。

 
佐藤yuupopicさんのパフォーマンスと開演前の会場

 このイベントの目的で、もうひとつ、ひどく個人的なことで恐縮なのだが、注目しなければならない詩人のステージがあった。僕の詩友である佐藤yuupopicのパフォーマンスが、それ。彼女はUPJ3の運営にも携わっており、この日のために多くの時間と労力を費やしてきたと聞いている。朗読する詩もこのイベントのためだけに書き下ろされた新作で挑む。彼女の登場は第2ステージの後半。そして心待ちにしていた時間がやってきた。
 彼女の新作『ウエノ』は、主人公「俺」が、亡き祖父である「じいさん」に語りかけるように、つむぎ出される言葉によって創り上げられていた。その詩の世界は聴き手を一瞬にして主人公の視点にし、遠い過去に想いを馳せさせる。そしてこの地、上野に対する愛情が「じいさん」への感謝と渾然一体になったとき、「俺」「じいさん」「ウエノ」への想いがグルグルと溶け合うように、もしくはそれぞれが目に見えない強力な絆で結ばれるように、昇りつめていく。朗読はちょっと焦ったかな、と思わせる部分もあったが、この日のために書き下ろされた作品は、聴き応えのある内容だった。ステージを去るときに軽やかに振られた右手と少し微笑んだ彼女。その姿を、僕はしっかりと脳裏に焼き付けた。
 その後も、イベントは淀みなく進み、ステージから繰り出される声と言葉の洪水も、その勢いを増していく。第4ステージでは若手お笑い集団「西口プロレス」から、2人の芸人がパフォーマンスし、かと思えば「中原中也賞」の受賞者である生粋の作家・アーサー・ビナードが登場。そして第5ステージではさらに混沌さを増し、型破りな牧師・アーサー・ホーランド、1971年に中津川フォークジャンボリーで一躍脚光を浴びた三上寛、ポスト前衛短歌のパイオニア・福島泰樹など、個性豊かなパフォーマーが、鮮やかなステージを魅せてくれる。
 そして、77人すべての演目が終わる20時。このイベントの代表者がステージ中央に登場し、深々と長い一礼をし、8時間にもおよぶUPJ3は幕を閉じた。僕がこのイベントで得たものは、そのステージの良し悪しを超えた「表現することへのエネルギー」という、たったひとつのことではないだろうか、と思う。声を出し、その肉体すべてを使って搾りだされる力は、多くの観衆の心に届き、何かを残した。UPJ3は表現者それぞれに関して言えば、作品を披露する場であることに違いないが、この大きなイベントという枠で語るならば、それはまさに「表現することへのエネルギー」の強さ、浸透力を見せつけた場だったのではないか、と。そして、その有り余るエネルギーは、このステージに立った出演者と観衆の心にいつまでも留まりつづけるにちがいない。現にその観客であった僕が、鼓膜を震わせた数々の声と張り詰める緊張を、いまでも鮮明に蘇らすことができるのだから。05/9/16



QBOOKS詩人・佐藤yuupopicさんが、またまたライブだ。ステージは、作家戸川昌子さんオーナーの「青い部屋」。これは一筋縄ではいかない予感が!


これがあの佐藤yuupopicさんだ!

作家戸川昌子さんのCD「ラスト・チャンス・キャバレー」
佐藤yuupopicさんのメッセージ
※鳥井賀句氏イベントへ2回目の出演させて頂きます。今回はソロです。真夏らしい詩をリーディング予定です。あと、初めて人前でうたううたも歌います。佐藤出番は20:30-20:40の10分間でゴザイマス。イベント自体の終わりも23:00なので最後まで楽しんでゆかれても終電の心配もありませぬ。前売り予約受付中です!
青い部屋アクセス:JR渋谷駅から六本木方面に六本木通りを徒歩7分、渋谷2丁目交差点角、八千代ビルB1F TEL:03-3407-3564) OPEN&DJ START/19:00→CLOSE/23:00 CHARGE/前売り:2,500円・当日3,000円(共に+1drink) DJ:鳥井賀句/松田尚久 BAND:SONS&DOUGTHER/DARKSIDE MIRRORS/まる福 詩の朗読:泉俊行/佐藤yuupopic

落語は今、ブームなのだ!





金原亭馬吉さん(左)と柳家初花さん



写真は落語馬花のチラシ。
サーカス劇場プロデュース
Life 1st stage


 ラジオは〈世界の終わり〉を告げていた。その時……
 人を狂気に陥れる謎のウイルスが突如として蔓延。町中が感染者であふれかえる中、横暴な刑事と腐れ縁の男が場末のカフェへ逃げ込んだ。彼らはそこで奇妙な人物“マスター”と出会う。マスターの出した酒で酩酊状態になる二人。そこにわけありの一組の男女が飛び込んでくる。
 ここは終末を過ごす人々のオールナイト・カフェ。未来への絶望に過去への想いが交錯する。彼らはカフェに残るのか、それとも去るのか?
 フィンセント・ファン・ゴッホの絵画『オールナイト・カフェ』をモチーフに描く密室劇……のはずが、物語は奇想天外な方向へ!? 新ユニットLifeの第一弾公演は、ゴッホも激怒のち爆笑の狂宴。世紀末をやり過ごしてしまった僕たち私たちに用意された“オールナイト・カフェ”が、今ここに開店!


作家・中沢けいさんが主催するホームページ「豆畑の友」のオフ会を兼ねた朗読会。
写真は中沢けいさんの最新刊『うさぎとトランペット』(新潮社)のカバー。










●「豆畑の朗読会」会場

 
■ MY VIEWING ■
私のイベント観覧記

観覧記は、件名「私のイベント観覧記」・イベント名・お名前・メールアドレス・観覧文(約400字以内)を明記し、ルクツゥン編集室までお送り下さい。お待ちしてます。


UPJ3プレイベントレポート
佐藤yuupopicさん
(イベント詳細)
UPJ3プレイベント●第五弾in東京
"昼下がりの言葉たちへVol.1@渋谷区上原中学校ランチルーム"
http://www.upj.jp/
日時:'05年日時:8月6日(土)(終了)
会場:渋谷区立上原中学校・ランチルーム
料金:無料
進行:馬野 幹×佐藤yuupopic
内容:※UPJ3当日出演者選考は行いません。
8月3日〜6日(土)まで中学校のランチルームを開放して催される古本カフェイベント最終日に、UPJ3協力のオープンマイクを実施。ゲストによる”本”にまつわるお話とリーディング、とワークショップスタイルを取り入れたオープンマイクの二部構成。※オープンマイクの他にも、期間中には様々な催しが行われます。
【一部・本にまつわる話+リーディング】
出演者(敬称略・五十音順 ※出演順とは不同)
近藤洋一(ゲスト・鉄腕ポエム主催)/佐藤yuupopic(UPJ3スタッフ)/ジュテーム北村(ゲスト・生涯1オープンマイカー)/馬野 幹(UPJ3スタッフ)/ゆとりのある(UPJ3スタッフ)
【二部・ワークショップ+オープンマイク】
三つのテーマの中から一〜三つ選び、実際にその場で詩を描き(制限時間:30分)それをリーディングするというワークショップ形式のオープンマイク。
 1.渋谷
 2.禁煙
 3.宇宙
9/4UPJ3プレイベント●第五弾in東京
"昼下がりの言葉たちへVol.1@渋谷区上原中学校ランチルーム〜オープンマイクイベント「スペースランチルーム」"

 みなさまのご参加、ご協力のおかげで、無事成功の元に終了することが出来ました。本当にアリガトウございました!
 古本カフェイベントと云うことで、古本市が催される中(わたしも「谷内六郎の絵本歳時記」購入。ちなみに谷内六郎・絵と文/横尾忠則・編 なんて最強!)、校舎の中でたくさんの本に囲まれ、地域や学校の図書館に足繁く通い、夢中になって本を読みあさった、生徒時代に、ひゅん、て気持ちタイムトリップ、そんな思い。人々の手と手の間を旅してここにたどり着いた、本達の、匂い。ああ、図書館(本当は簡易的に設置された本棚並ぶ特設スペースだけど)の匂いだ。コーラやジュースが100円のカフェ。麦茶が飲み放題。ああ、文化祭みたい。ワクワクする。
 そんな中ではじまった一部でステキな言葉たちをプレゼントして下さったゲストの近藤洋一さん、ジュテーム北村さん、本当に有り難うございました。真夏の、学校の、昼下がり。そこにはそれぞれ別の温度と色彩を持った風が吹いていました。
 二部はゲスト、スタッフ含め、その場で与えられた
 1.渋谷
 2.禁煙
 3.宇宙
 上記三つのお題(上記写真をLet'sクリック☆)でその場で詩を成し(わたしも実は、生まれて初めて、即興のお題で詩を描くのでした!ちなみに「渋谷区立宇宙学校」と云うタイトルの謎な詩になってしまいました。センスなくてスミマセンでした……いつか、日の目を見る日が……来ないか……)、参加総勢14名のオープンマイク。チャーミングな17歳の現役高校生詩人からオトナ詩人、いろんな都市でたくさんのオーディエンスの前で、のリーディング経験を豊富に持つ猛者と、初めて人前でリーディング経験をする人々。が、まるで一つのクラスみたいに、学校の机に向かって、生まれたての、あんまりにステキな昼下がりの言葉たち、と出会えた時間。それぞれの宇宙が、声と言葉によって描かれた数分間。胸が温かくなり、鼻の付け根の辺がキュウ、てなって、涙がこぼれそうになりました。うれしくて楽しいのに、変ですね。
 あんなにもハッピーな場をご提供下さった、桑原渋谷区長、上原地区委員会のみなさま、上原中の先生方、企画者のNPO法人場の研究所の高野さん、スペースランチルームスタッフのみなさま本当に有り難うございました(オイシイお手製のサンドイッチやシャーベット、よく冷えたジュースやお茶、お菓子、心づくしのおもてなしまで!)。
 そしてゲスト、参加者のみなさまが出演のみならず、後かたづけ(会場のバラし、本の箱詰め、運搬、机や椅子運び、ゴミ捨て、モップがけに至る!)まで、心細やかに手を貸して下さったこと、大きな感激と感謝の念を抱き、またもやみんなと一緒ににこにこしながら、涙がこぼれそうでした。みなさん、本当に有り難うゴザイマシタ。
 これまでのプレイベントとは全くまたカラーの異なるイベントとなりましたが、今回のように地域の人々と共に、声と言葉に向かい合うようなイベントをまた催せたらステキだなと思いました。
 UPJ3は、本当に、みなさまの力あってこそのイベントだな、と再確認することが出来た、本当にハッピーな昼下がりでした。 何度も何度もアリガトウございました、てお伝えします。 愛を込めて。
UPJ3制作担当 佐藤yuupopic


落語馬花(第2回)特別レポート
ながしろばんりさん
柳亭こみち 湯屋番
金原亭馬吉 抜け雀
柳家初花 家見舞
中入り
立川龍志 片棒

 いい会場であった。門前仲町の駅から六番出口、モスバーガーの入った高いビル。とりわけ看板も何も無いところ、脇の入り口から九人乗りの小さなエレベーターがゆっくりと上昇する。たどり着いた先、八十は入ろうかという客席に打ちっぱなしの外壁、毛氈に座布団が、ポン。門仲天井ホールである。駅からふらり歓楽街のはずが、客の足は清澄通りをはずれて奥へ奥へ、下町の奥底へ出かけていく感触である。長いトンネルを抜けた先に落語に人生をかけた馬花二人が待ち構えている、馬吉と初花、まさに落語馬鹿である。
 TVドラマの影響などもあって現在若い人を中心に落語ブームであるという。実際深夜寄席(新宿末広亭)、早朝寄席(上野鈴本)などという若手の勉強会には多くの客が来るというし、筆者がよく訪れる平日昼間の寄席であっても、中高年を中心に大学生や若い女性連れの姿も目立つ。でもこれって別にTVドラマの影響で、ということでは決してないように筆者は思う。それは、ちょくちょく寄席に足を運んでいる者の実感としての感想である。
 柳家初花はNHK教育番組で「にほんごであそぼ」で小話を演っている柳家花禄を師匠とする二つ目の噺家である。オールドファンに馴染みをつけるならば、数年前に無くなった五代目柳家小さんのお孫さん、のお弟子さんである。柳家の血筋としては本流だが芸風は亜流なんて言い分、イヤイヤサニアラズ今回の「家見舞」ではいわゆる便所壷を臭がるくだり、兄貴分に家見舞を持っていくのにシテとアドとの掛け合い、非常に緩急の利いた演技をする。袖を引くあたりなんざアニメーションのオノマトペで、落語が人間のデフォルメだとすれば、さらに描線を太くした愉快さというものを見ることが出来る。
 眉目秀麗、金原亭馬吉さんは「抜け雀」。こちらは教わったものを着実に演っているという印象ではあったが、話の継ぎ方、入り方にしっかりとした流れが見える。二人とも二つ目になって日の浅いこともあるが、入念にそれぞれの芸に打ち込んでいる様子であった。
 この二人を見ていると最近の落語が若年層に受けるエッセンスらしきものが垣間見える。それは現在人気を博している落語というものが、昨今の演劇やTVドラマ辺りの立ち居振舞いを吸収しているということである。演者の年齢のこともあるが、ゲスト且つトリを務めた立川龍志師匠の「片棒」を見るにつけ、さかのぼるところ京の御伽衆から洗練蒸留されてきた落語という芸からは最近の落語が変貌してきているのを感じるのである。極右的な言い方をしてしまえば、噺家の芸の伝承の上で伝わってきたものに別のエッセンスを入れることが、すでに「混じりけ」であるように思えるのだ。
 初花の師匠である花禄も「片棒」も十八番としている。芸における演出の問題、あくまでも金・銀の無軌道振りを強調演出する花禄「片棒」に対して、龍志「片棒」はリアリズムなのだ。銀が祭り好きであるがゆえに、真似るひちりきも見事なものではならないという「人」の描写である。演出としての派手さで言えば花禄の方が上だが、銀の人となりという意味では龍志の演出の方が実にぐっと聞かせる。いわゆる芸能としての「落語」を見せるのか、それとも「落語」が時代に合わせて変化していくのか。二つ目同士の会にしてはとんでもな。ゲストが着たなぁと思いつつ、一方では見世物としての葛藤が浮き上がる貴重な席だったように思う。05/7/24





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