第10回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
 天高し 吸い込まれてく手を伸ばす 沙汰
 該当作品なし
 該当作品なし
以上の句が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
03 天高し 吸い込まれてく手を伸ばす 沙汰 3
05 オレンジに熟れた月夜はネコが鳴く 3 失格
12 しどけなく組まれた足に忍ぶ寒 3 失格
04 日々好日今朝は葡萄の種を噛む 越冬こあら 2
07 壁がくずれて空瓶に活けた菊 安芸賢治 2
08 網に皮とられても初秋刀魚かな 兎六 2
09 一匹の悪魔を乗せり曼珠沙華 宮武赤胡 2
10 ねこじゃらし踏んでもどるほかねえ すまん 安芸賢治 2
13 昼の月光り出したる家路かな 兎六 2
14 ザクザクと初霜つぶす涙落つ 沙汰 2
15 蕎麦の香をひらめいていて電車出づ 宮武赤胡 2
16 水澄むや涼しい顔の素因数 越冬こあら 2
01 糸瓜らの枯れて聞こゆはヨーイドン 宮武赤胡 1
17 彼岸花人に踏まれぬ岸の上 兎六 1
18 音二つならんで歩く 萱っ原 安芸賢治 1
5*6=30


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。

 無投票のため、「天」の句が二作品失格になっています。

 非常にもったいないことです。選句した方にも失礼になりますので、せめて「選句が不可能」くらいのご連絡をいただければと思います。(みやたけ)

推薦作品と感想
感想: 04.日々好日今朝は葡萄の種を噛む
 今朝はの「は」が、日々好日というイメージを切っているのがいいなと思いました。
05.オレンジに熟れた月夜はネコが鳴く
 素直に、好きです。やっぱ、黒猫かな?
10.ねこじゃらし踏んでもどるほかねえ すまん
 なんか、可愛くて好きですね。
13.昼の月光り出したる家路かな
 響きがステキですね。音の繋がりが、綺麗です。
16.水澄むや涼しい顔の素因数
 素因数。悩まされましたね。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 03.天高し 吸い込まれてく手を伸ばす
「吸い込まれ」る手をあえて「伸ばす」感覚が面白い。

05.オレンジに熟れた月夜はネコが鳴く
月夜の猫はよく鳴きそうです。

08.網に皮とられても初秋刀魚かな
味に別条ないことを祈ります。

09.一匹の悪魔を乗せり曼珠沙華
一花に一匹。悪魔付き。

18.音二つならんで歩く 萱っ原
二人の微妙な距離が感じられます。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 01.糸瓜らの枯れて聞こゆはヨーイドン
05.オレンジに熟れた月夜はネコが鳴く
09.一匹の悪魔を乗せり曼珠沙華
12.しどけなく組まれた足に忍ぶ寒
15.蕎麦の香をひらめいていて電車出づ


01秋=運動会、っていうのはとても共感できて、しかしこの一句しかなかったのですこし残念ですが視点に一票。
05何か最近猫ネタが多い気がしますね。女の子らしくてとてもかわいい。
09彼岸花は縁起が悪いって怖がりながら登下校した小学生時代を思い出します。
12そうそう、冬の寒さは足からなんですよ!!
15なんかよくわからないけど秋っぽかった。ああ、蕎麦が季語なのか。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 03.天高し 吸い込まれてく手を伸ばす
 秋晴れのすがすがしさが素直に表現されていて、とってもきもちいいです。
14.ザクザクと初霜つぶす涙落つ
 なんとなく好きです。涙の落ちる音まで聞こえてきそう。音……というか、涙の方が見えるのです。
07.壁がくずれて空瓶に活けた菊
 大学生の秘密基地でしょうか。情景が目に浮かびます。
10.ねこじゃらし踏んでもどるほかねえ すまん
 ねこじゃらしって、荒れた庭や砂利道に生えるんですよね。出て行くときに生えていなくて、もどるときに生えているねこじゃらし。時間の流れがありそうです。
12.しどけなく組まれた足に忍ぶ寒
 かっこいい。けど、これは、冷え性ってことでしょうか。やっぱり。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 04.日々好日今朝は葡萄の種を噛む
08.網に皮とられても初秋刀魚かな
12.しどけなく組まれた足に忍ぶ寒
13.昼の月光り出したる家路かな
15.蕎麦の香をひらめいていて電車出づ


04.かたい梨かじる留守ばんの朝です
08.三びきの秋刀魚 私と彼と猫
12.へそが出るTシャツを着て胃痙攣
13.夕飯がおわり陽だまりにすわるよ
15.休日にするか 仕事するか 蕎麦
票者: このバトルへの参加作者

感想: 03.天高し 吸い込まれてく手を伸ばす
 <吸い込まれてく手>に工夫がないが、心情はわかる。
07.壁がくずれて空瓶に活けた菊
 今回の第一等。ああ、ドラマだ、これは。
14.ザクザクと初霜つぶす涙落つ
 「何かの事情」つまり、余情がある。よい。
16.水澄むや涼しい顔の素因数
 これも「何かの事情」ではあるが、素因数が涼しい顔をしているわけではないようだ。
17.彼岸花人に踏まれぬ岸の上
 そう、種として孤高なのである。彼岸花は。(み)
票者: このバトルの参加作者