第6回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
私という塊と麦の秋
蜘蛛の巣をみあげて頬ばる飯である
まいまいの終い病や墓参り
越冬こあら
安芸賢治
宮武赤胡
 同票の句が得票数を超えたため、該当なしとさせていただきます。
移り気の君に喩えし花の色
あすも雨らしいが食べるものはある
ゆふなさき
安芸賢治
以上の三作品が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
18 私という塊と麦の秋 越冬こあら 5
16 蜘蛛の巣をみあげて頬ばる飯である 安芸賢治 5
17 まいまいの終い病や墓参り 宮武赤胡 5
01 絡まって一生分の夏過ごす 越冬こあら 3
02 湿る空泣くなら泣けとあおぎ見つ ゆふな さき 3
03 蟇の背は及時雨の色纏ひけり 宮武赤胡 3
04 子供にはかえろかえろとかえるなく 兎六 3
09 ユスラ食うスズメの群れに枝しだれ 瓜生遼子 3
13 暑気の底うち捨てられて烏聞く 兎六 3
14 俄晴(にわかばれ)目は赤々とプール開(あ)く 宮武赤胡 3
07 移り気の君に喩えし花の色 ゆふな さき 2
10 あすも雨らしいが食べるものはある 安芸賢治 2
05 窓叩く羽虫にまぎれ雨蛙 兎六 1
06 だれか蟻食ったことある?()俺はある… 安芸賢治 1
08 鴬や竹やぶの中かくれんぼ 瓜生遼子 1
12 暑さから自然学習温暖化 瓜生遼子 1
15 水の粒 吸い込む胸は うつろいて ゆふな さき 1
45


 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想
感想: 05情景が浮かんできてすきです。
08かわいいなあ。
10なんか面白いので一票。確かに!
13最近ほんとに暑いです。
14プール開きとか大嫌いでした。寒いし焼けるし着替えめんどくさいし。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: :07.移り気の君に喩えし花の色
 花は紫陽花でしょうか。七変化するその色に振り回されているんですね。
10.あすも雨らしいが食べるものはある
 天候次第のご商売でしょうか。ポジティブな力を感じました。
13.暑気の底うち捨てられて烏聞く
 打ち捨てられた原因は? 夏バテだけでしょうか。どん底の境遇にカラスの声。「泣きっ面に蜂」の黒い版。
14.俄晴(にわかばれ)目は赤々とプール開(あ)く
 プール開き前に既に目が赤い? 不思議な御句です。
16.蜘蛛の巣をみあげて頬ばる飯である
 逆境に強い。ものすごく強い。ものすごいパワーを頂きました。
票者: このバトルへの参加作者

感想:  う〜ん、推薦理由はありません。直感でああ、いいな。と思ったものを選んでみました。最近掲示板での俳句論議が熱くていいですね。興味深く拝見しています。
 スタッフ注:02、03、09、16、18投票
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 01.絡まって一生分の夏過ごす
この前、ガガンボが蜘蛛の巣にひっからまってました。で、糸でぐるぐる巻きにされて、もりもり食われる一部始終を体育座りで見てました(←ひまじん) そんなときに作りたかった句がこれです。

02.湿る空泣くなら泣けとあおぎ見つ
できれば泣くな。とあおぎ願うタイプです。

04.子供にはかえろかえろとかえるなく
これ、宮武さんの句じゃないかなあ。これに投票すると宮武さん、また天になるのかなあ。どうしようかなあ。やめようかなあ。でも好きだしなあ。迷うなあ。

15.水の粒 吸い込む胸は うつろいて
水の粒と肺を結びつけたのが吉。淋しくて良。

17.まいまいの終い病や墓参り
榎生さんの感想でもありましたが、良い句だと思います。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 簡単ですが、感想を。的外れなことを言っていたら、笑ってやってください。

03.蟇の背は及時雨の色纏ひけり
 雨の前の薄闇に、蟇蛙の色も渋みを増す。
 ああ、渋い。漢字の多さも合っています。

09.ユスラ食うスズメの群れに枝しだれ
 枝がたわむほどのスズメの群。鳴き声もさぞかし喧しいでしょうね。
 夏の生命力を感じる光景に一票。

16.蜘蛛の巣をみあげて頬ばる飯である
 室内の食事と読みました。テレビもラジオも話す相手もない一人の食事。
 さびしいとも思わずに、孤独を淡々と見つめる作者の強さがあります。
 掲示板は読んじゃいましたが、そう感じたんです。

17.まいまいの終い病や墓参り
 まいの繰り返しのリズムに惹かれました。
 死も病もおどけて話す作者の強さを感じます。

18.私という塊と麦の秋
 農繁期の忙しさと、動かない私の対比。
 孤独ではなくて、個なのかなぁと思いました。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 02……まったくです。じめじめしている日にはいいたくなる。

17・18……なんとなく気になったから。

04……カラスが鳴くからかえりましょ〜とかありましたよね。出身県が蛙王国なもの
で、とても懐かしい感じがしました。

07……まったくです。花も人も季節も移ろいやすいものだぁ。
票者: このバトルへの参加作者

感想: ( )は選んだ句です。

(01).絡まって一生分の夏過ごす
 おそらく蝿か何かが不幸にもくもの巣に引っかかってしまった図。あはれ。
02.湿る空泣くなら泣けとあおぎ見つ
 「湿る空」という単語に切れ味がない。もっと先鋭化させていい。
03.蟇(ひき)の背は及時雨(きゅうじう)の色纏ひけり
 及時雨、という単語でピンとくるのは水滸伝ファンですな。
04.子供にはかえろかえろとかえるなく
 子供「には」というのが興味深い。
05.窓叩く羽虫にまぎれ雨蛙
 羽虫が物凄い量で、その奥に、蛙。たぶんに悪夢的。
06.だれか蟻食ったことある?()俺はある…
 立川談志の日記っぽい。
07.移り気の君に喩えし花の色
 「花」ったら桜になっちゃうのです。そういう読みでいいのかしらん? だとしたら詠んでいる今の気分じゃない。
08.鴬や竹やぶの中かくれんぼ
 視点が素直すぎる。ひねりがないともいうが。
(09).ユスラ食うスズメの群れに枝しだれ
 08と同様。ユスラじゃなくても、もっといい素材があったはず。
10.あすも雨らしいが食べるものはある
 山頭火もどき。こういう句は、連作だからこそ破壊力を発揮する。
11.職人の判官贔屓油照
 どうもわからないが、想像力を働かせると、仕事休み、昼休みの一景か。
12.暑さから自然学習温暖化
 季語がないことが作品に生きていない。眼の付け所はいいが残念。
(13).暑気の底うち捨てられて烏聞く
 今月の一等賞。同じ暑さを書くのでも、こうでなくては。
14.俄晴(にわかばれ)目は赤々とプール開(あ)く
 開く、が苦しい。
15.水の粒 吸い込む胸は うつろいて
 どうも具体性がないので、共感しにくい。綺麗ではある。
(16).蜘蛛の巣をみあげて頬ばる飯である
 昼休みの虚脱感の描写として、非常に肩の力が抜けているいい句。
17.まいまいの終い病や墓参り
 もはや語呂をあわすことが好きなのだろう(ウソツクナヨ)
(18).私(ワタクシ)という塊(カタマリ)と麦の秋
 言葉のセンスの良さに尽きる。無駄を取り払って、これでいい。

 以上、自作も含めて、でした。(みやたけ)
票者: このバトルへの参加作者

感想: 良いと思った順から
06、14、04、12、17。
06はインパクトがある。14は文字数が少ないのに内容が詰まってる。04は音がいいし、可愛い。12は共感した。17はなんとなく。
票者: このバトルへの参加作者