第4回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
夜桜や攪乱の酒不義の酒          榎生 東
ボンネットに降りて名残となれ花よ     宮武赤胡
春あらし誤解し許し悔いも無し     榎生 東
通夜帰り暗礁の如(ごと)春嵐      宮武赤胡
てふてふと書きしおば婆の墓参る     榎生 東
アルコホル夢かうつつか桃と藍    ゆふな さき
以上の五作品が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
15 夜桜や攪乱の酒不義の酒 榎生 東 8
06 ボンネットに降りて名残となれ花よ 宮武赤胡 5
09 春あらし誤解し許し悔いも無し 榎生 東 5
14 通夜帰り暗礁の如(ごと)春嵐 宮武赤胡 5
04 てふてふと書きしおば婆の墓参る 榎生 東 4
16 アルコホル夢かうつつか桃と藍 ゆふな さき 4
01 約束をするための指春うらら 越冬こあら 3
07 赤カバン背負い笑むガキ実に演技 ゆふな さき 3
08 作者要望により削除 安藝賢治 3
10 花闇に響くおやじの歌わびし ゆふな さき 3
03 あなた誰()問う祖母の手を暖めて 瓜生遼子 2
11 矢放ちしモノクロとなる我が身かな 瓜生遼子 2
2 さくらさくらさくらさくらさくらさく 宮武赤胡 1
12 葉を枯らし温みを注ぐ広葉樹 瓜生遼子 1
17 作者要望により削除 安藝賢治 1

 

 感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。
 今回、特選「天」となりました榎生さんの句は、あと二人で投票者全員投票という快挙を成し遂げるところでした。
 いや、惜しかった、惜しかった。(みやたけ)



推薦作品と感想

感想: 03は、いま現在、まさにそういう状況なので投票。 真っ先に票をいれたのは、07。おもわずにやり笑い。
※03、06、07、14、15投票
票者: このバトルへの参加作者

感想: 1、3、14、15、17
 寝付けないので、ダラダラ批評、書きます。
01.約束をするための指春うらら
かわいい
02.さくらさくらさくらさくらさくらさく
手抜き
03.あなた誰()問う祖母の手を暖めて
 字余り でも好きだな
04.てふてふと書きしおば婆の墓参る
 これも好き
05.永き日の悲喜こもごものもの辺り
 情景がわからないや。
06.ボンネットに降りて名残となれ花よ
 語感がわるい気がする
07.赤カバン背負い笑むガキ実に演技
 字余り。下手だ。私の歌。意味不明ですねぇ。
 これは、小学校に上がる「初ランドセル」のこどもたちが、一様に騒いでいる様子を描 きました。わざわざきた祖父母に可愛いポーズなんかしちゃってるのみると、非常に演技 (サーヴィス)だなと思いまして。
 ちなみに『実』は『ミ』ではないです。『じつ』と言う読んでください。
08.肉の目におれを映すな罪の春
 うわぁ、いっちゃってるわぁ、週刊誌のおやじ方面に。。
09.春あらし誤解し許し悔いも無し
 みんな春にかまけちゃって♪ まあ楽しめやね。。
10.花闇に響くおやじの歌わびし
 私の歌。
11.矢放ちしモノクロとなる我が身かな
 「矢放し」とは何を例えているのですか? ただたんにダーツ? それとも。どうでも いいけど、ダーツってなんか楽しめない。わるいのはその時のメンバーか、私のセンスの なさなのか。。
12.葉を枯らし温みを注ぐ広葉樹
 何故に春なのに広葉樹が枯れるのか。冬のつもりで書いたのか?
13.うつろなる脱力主義者に釘バット
 ふふふ。好きだわ、この詩。私もたたかれそうだけれど。
14.通夜帰り暗礁の如(ごと)春嵐
 暗礁? 如? ってなに? と、知識不足が明るみになる私。  調べつつ、これ、とても好きです。
15.夜桜や攪乱の酒不義の酒
 女の立場から。「攪乱の酒」はよいとして「不義の酒」はどうかと…。といいつつ、こ れ好きです。
16.アルコホル夢かうつつか桃と藍
 『アルコホル』と旧仮名使いを真似たようだが、格好悪。ちなみに私の歌です。
 夜桜の光景を書きたかった。桃と藍が妙に色っぽくなってしまったな。さらっと桜の桃 と、夜空の藍と言う意味でした
17.肉襦袢剥ぎタバコふかす菩薩たち
 風俗街一角ののどかな光景かしら。ってか季語はどれでしょう?
18.島国は世情に疎し白子干
 白子干が何を表しているやら。そっち系の言葉なのか、もしかして普通に特産品のひと つだったりして。。

 馬鹿な批評してみました。すみません。。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 01.約束をするための指春うらら
 「春うらら」に隠されていても、実は非常にエロチックな約束なんじゃないかと思わせる一句。春だし。
04.てふてふと書きしおば婆の墓参る
 蝶から「てふてふ」という筆跡を思い出す。連想の回路として共感できる。
08.肉の目におれを映すな罪の春
 「罪」ってなんだろう、と色々な可能性が考えられるぶん句としての突き詰めは甘い が、なんかあったんだな、という事件の匂いがする句。
10.花闇に響くおやじの歌わびし
 視点としての面白みに書けるため、清少納言的な「気づき」はないが、ただ、それらし きものを模索しようという気持ちはよくわかる。
15.夜桜や攪乱の酒不義の酒
 擾乱の酒不義の酒、どちらも夜桜という刹那においては極上のスパイスである。そう、 この時間のだけの悦楽が、凝縮されている。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 今回はシャウトしてるっ、って感じの句が多くて良かった。型にきれいには まらない、読んだ後心にドラマの広がる句が好きです。
 春はなんだかざわざわするような落ち着かない心地になりますねえ。俳句バトルの作品 も活気が出てきたような気がします。
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 15……この時期らしい、というか。こういう感じのが出てくるだろう、とは 思っていたのだけれど、うまい!というか面白い!と思ったので一票。
16……桃と藍の色合いがきれいだったので。
07……ガキと柿をかけてあるんだろうなぁ。最初は気がつかずに読み飛ばしちゃったんだ けど。上手です!
06……ボンネット何色なんだろう?もっと色の対比がでてればなぁと思ったのだけれど、 ボンネットの上に散る花びらってきれいな感じだったから。
04……あぁ〜分かる〜。なんかじんわりきました。結構気に入った句です。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 4月といえば、桜!
もしくは「4月は花見で酒が飲めるぞぉ〜♪」 ということになるのでしょうか。
単純ですが(笑)
06.ボンネットに降りて名残となれ花よ
09.春あらし誤解し許し悔いも無し
10.花闇に響くおやじの歌わびし
15.夜桜や攪乱の酒不義の酒
16.アルコホル夢かうつつか桃と藍 (by千早丸)
票者: その他のQBOOKS作者

感想:  5作も選ぶとなると厳しい。個人的には1等に07「赤カバン〜」、2等に15 「夜桜や〜」という感触だった。
「赤カバン〜」はシニカルな笑いをそこにこめつつも、赤カバンにハッと目を奪われ、その子どもたちに目を向けてしまう大人の暖かさが滲み出ている。実に演技と言いつつも、 その実「背伸びしやがって」と苦笑している作者が目に浮かぶよう。
「夜桜や〜」は個人的な趣味でよいと思った。花見の酒など酔うための酒でしかないの だ、と割り切った「攪乱の酒」。そして、夜桜が醸し出す神秘的な雰囲気にヤられてし まったのか、どことなく後ろめたさを感じている作者にとってすれば、その酒は「不義の 酒」でもある。一緒に酒を酌み交わしている相手との関係性を色々と想像してしまう。雰囲気勝ち。というか「酒」の言葉をつかうのはズルイズルイズルイ。
 残りの3作はなんとなく印象に残り、うまくまとまっていた。(三月)
票者: その他のQBOOKS作者

感想: 俳句の作法や日本語の妙はよくわからないので、理解できた句のなかから、おもしろさを感じたものを選びました。
04:祖母との世代の差を感じたことがあり、実感に近い。ただ、旧仮名なんて風流なものではなくて、下着をズロースって呼んでいるってだけですが(笑)
14:ああ、帰れない。憂鬱な上に雨まで降って、立ちすくんでいる。いや、帰ろうとして 傘が飛ばされたり散々な目に会っているのかもしれませんが。暗礁のようだと言われて、 なるほどと思いました。
09:「能天気だなぁ」と思いました。能天気でさわやか。波風は立ったけれど、何事もな く付き合いは続いていく。こういう付き合いがしてみたいものです。
06:車に桜の花びらがついているのを見ると、持ち主ではないわたしは、いいなぁと思う ことがあります。あれは散った桜の「名残」なんですね。うん。納得。
12:「葉を枯らすのは秋」と「季節的に春の句のはず」という考えの下混乱中。まだ葉の ない街路樹は日陰をつくらないから、かすかな春の日も暖かいのかなぁ。春の日差しはあるけれど、新緑はまだ。違っていたらごめんなさい。でも、こういう情景は好きです。考察しているうちに、大学の銀杏並木を思い出しました。
票者: 一般読者

感想: 04.てふてふと書きしおば婆の墓参る
「おば婆の墓」というのは、おじ爺の観点のようだが、「てふてふ」を珍しがるというの は、孫の観点だろうか。いずれにしても楽しい俳句だ。
09.春あらし誤解し許し悔いも無し
 人生、可もなし不可もなし。
11.矢放ちしモノクロとなる我が身かな
 「モノクロとなる」に共感できた。
14.通夜帰り暗礁の如(ごと)春嵐
「暗礁の如」まで言ってしまっては勿体無い気もしたが、それに負けない陰性のパワーを 感じた。
15.夜桜や攪乱の酒不義の酒
 午前二時。桜の下でひとり。
票者: このバトルへの参加作者

感想: 01 なんか可愛かったので。
02 誰が作ったかまで想像出来ておかしかったので一票。
08 じわじわと、生々しい感触が伝わってきたので一票。
09 押韻が巧い。これが一番好き。
16 アルコールじゃなくて、アルコホルっていうと、何か古臭くなって面白いなあって思いました。
票者: その他のQBOOKS作者