第1回平成の俳句バトル結果

おめでとうございます!
 かんかんや かんかん雪や晦日      宮武赤胡
 日向ぼっこ頬の産毛の柔らかさ
 独り言初雪の朝白く散り
植木
植木
 [人]は得票数を人数が上回ったため、該当作品なしとさせていただきます。
以上の三作品が特選とされました! おめでとうございます!

エントリ 作品 作者 得票
15 かんかんや かんかん雪や晦日 宮武赤胡 4
04 日向ぼっこ頬の産毛の柔らかさ 植木 3
06 独り言初雪の朝白く散り 植木 3
11 妻伏して空っぽの部屋の日射しかな 榎生 東 2
14 リタルダンド年のはじめの験しとて 宮武赤胡 2
16 寒卵命の価値の不平等 越冬こあら 2
19 初春やさして変わらぬ朝なれど 相川拓也 2
20 融けかけてばつ悪そうな残り雪 相川拓也 2
05 ぬれた手で訛りと共にのっぺ汁 植木 1
08 天高く 飛行機雲の 書初めか 千早丸 1
09 日が暮れて 宇宙見えると はしゃぐキミ 千早丸 1
10 妻倒る点滴棒の影うつろ 榎生 東 1
12 妻見舞う水仙の道影うつろ 榎生 東 1
13 春未だ来/"Ghost might be seen the dawn." 宮武赤胡 1
17 元日の壁窓扉朝寝妻 越冬こあら 1
21 本物の門松だよと指差す子 相川拓也 1

 

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。
なお、今回、一句だけに御投票の方がいらっしゃいました。スタッフからもお願いしたつもりでおりますが、システムの浸透が足りなかったものとして、今回は有効票といたします。次回からは三句に投票されていない、もしくは該当作品なしの明記が無い場合は、無効票とさせていただきますので、皆様のご了解を得られますよう、よろしくお願いいたします。



推薦作品と感想

感想: 10句:情景とやるせなさを十七文字に見事に封じ込めた作品。
15句:「かんかん」が「閑閑」「侃侃」「関関」「緩緩」「寛寛」のいずれかなどと考え ると楽しい。
16句:「命」の孕む寒々しさを、軽く重く伝えている。
票者: その他の作者

感想: 04は、ぬくもりが伝わってくる句。
08は、正月らしい句。
15は、俳句らしい句。 と、それぞれ感じたのです。  
票者: このバトルへの参加作者

感想:  05:04と05両方好き。のっぺい汁って冬の季語なんですね。里芋、人参、焼き豆腐、油揚 げなどを煮込んで、片栗でとろみを付けた汁。冷たい身体にああ、染み渡りそう。自分が すすっている気分になります。植木さんの作られる句は温かいですね。
 14:リタルダンド、モダンな響きがありますね。次第に遅く演奏せよ。年の初めの弾き初 めでしょうか。初春に管弦の響き、おしゃれだな。でもこの俳句ぜんぜん違った意味だっ たりして。それでもこの不思議な句の音感というか響きに魅了されました。
 蛮人さんの句があまりに共感できたので、空白の一票は消えてしまったあの句に捧げよ うかとも思っていたのですが。(テスト用だったんですね)  肩の力が抜けて、リズミカルな15句に一票をお願いします。
票者: その他の作者

感想: 04 頬の産毛の見える視点、というのがこの句の最大のミソであるように思い ます。おそらく小さな子を抱いての日向ぼっこ、素敵です。
11 妻のことを書いた句の中でも、入院されてぽっかり開いた寂しさを一番よくあらわし ていると思います。この、何もないことがある感じが好きです。
16 寒卵。朝の食卓でしょうか、その冷え冷えとした空気の中で卵が一つ、割られること で命を失う、といった情景でしょうか。有精卵か無精卵かということではなく、冬の朝だ からこそ実感できる感じ、よくわかります。
票者: このバトルへの参加作者

感想: :「日向ぼっこ頬の産毛の柔らかさ」
 小春日和の中、頬杖ついてまどろむ、というなんとも幸せな情景が浮かぶ(笑)
「融けかけてばつ悪そうな残り雪」
 晴れが続いても日陰の雪は頑固に残っている。でも本当は俺だって綺麗なまま消えたい んだ! とブツクサ言っている気がしました。
「かんかんや かんかん雪や晦日」
「かんかん雪」という表現が良くわからなかったのですが、なんだか妙に納得してしまっ たので。(by千早丸)
票者:このバトルへの参加作者

感想: 作為的でなく、映像が浮かぶ作品を選ばせて頂きました。
 ※スタッフ注・06、12、19句選出
票者: このバトルへの参加作者

感想: 第6句 植木さん
 初雪に散って行く独り言、という冬の空気感の見事さもさることながら、ただの写生に 留まらず、その裏に「人の心」が見えてくるのが良かった。
第11句 榎生 東さん
 「空っぽ」という言葉の軽さが、空虚な感じをだすのに効いている。小さな、美しい溜息のような、愛すべき句。
第14句 赤胡さん
 意表をつく「リタルダンド」という言葉の選び方が上手いな、と思った。意表をつい て、なおかつ言い得て妙。  それぞれ個性的な句が揃っていて、面白かったです。QBOOKS俳句バトルが、これからも 長く続いていくことを期待しています。(相川拓也)
票者: このバトルへの参加作者

感想:  俳句というスタイルが持つ日本語との親和性みたいなものに結構な拒否反応が 起きる俺だから、出来るだけ、俳句じゃないと言ったら言えるものを選んでみた。 (アナトー)
 ※スタッフ注・06、13、17句選出
票者: その他の作者

感想:  全部、相川さんになりました。
 三句の中では、特に「本物の〜」が印象的です。
  無邪気だけれど、非常にクールで皮肉な子。
  でも、悲しいなあ。
  いや、この子の事じゃなくて。

  僕は<昭和っ子>だから……なんて世代論は流行らないけれど、 できることなら<平成>を、もう一度最初から作り直したいな。

 でも世の中のモノは、それはそれで全て本物か……(笑)(植木)
票者: このバトルへの参加作者

感想: かわいいから好き
※スタッフ注・09句選出
票者: その他の作者